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アル中患者として入院した小島容。途切れ途切れに見える幻覚、妙に覚めた日常、個性的な人々が混然一体となって彼の前を往き来する。 禁断症状と人間を描いた中島らもの傑作小説。面白くてほろ苦い傑作長編。 実際にアルコール中毒だった中島らもだけに、アルコール中毒の禁断症状や離脱症状、アル...
アル中患者として入院した小島容。途切れ途切れに見える幻覚、妙に覚めた日常、個性的な人々が混然一体となって彼の前を往き来する。 禁断症状と人間を描いた中島らもの傑作小説。面白くてほろ苦い傑作長編。 実際にアルコール中毒だった中島らもだけに、アルコール中毒の禁断症状や離脱症状、アルコール中毒になるのは酒を自分を麻痺させ酔うことによってトリップする道具と考える人が多い(眠るために酒を飲み始め量が増える)、アルコール中毒から回復するためには呑んで得られる報酬よりももっと大きな生存への欲求や他者への愛や幸福などの報酬を呑まないことによって与えられることが必要などを、アルコール中毒の経験者ならではの生々しい描写で描いていて、アルコール中毒を理解する入門書としても楽しめる小説です。
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良すぎた... 赤河先生は本当にいいキャラしてるわ 基本イかれた作家イメージあるけど 資料の引用はしっかりしてるから 物語の構成はどっちりしつつ、らも節がしっかりと感じられる作品でした。 この世のアル中とヤク中に捧げる一冊
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ある男の再生の物語(と、私は思っている)。 人間の醜さ、弱さをこれでもか、と云うくらい描いている。この文はアルコールの怖さを経験してないと確かに書けない。
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この本読んだの、もう何度目か覚えていない。 94年3月初版の文庫本。 紙も相当日焼けしている。 「“依存”ってのはね、つまり人間そのもののことでもあるんだ。(中略)この世にあるものはすべて人間の依存の対象でしょう。アルコールに依存している人間なんてかわいいもんだ。血と金と権力の...
この本読んだの、もう何度目か覚えていない。 94年3月初版の文庫本。 紙も相当日焼けしている。 「“依存”ってのはね、つまり人間そのもののことでもあるんだ。(中略)この世にあるものはすべて人間の依存の対象でしょう。アルコールに依存している人間なんてかわいいもんだ。血と金と権力の中毒になった人間が、国家に依存して人殺しやってるじゃないですか。連中も依存症なんですよ。たちのわるいね。依存のこと考えるのなら、根っこは”人間がこの世に生まれてくる”、そのことにまでかかっているんだ。」 「あんた、自分が人とちがってる、と思ってるだろ」 「誰でもそう思ってるんじゃないですか」 何度読んでも、そうだよね、となる言葉に、考えに溢れている。 こんなのをいいな、と心底思う人間が、白々しい”いい子ちゃん”を愛すJTCで、器用に泳ぎ渡ることは難しかったんだろうな、と改めて思った。
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アル中が入院する小説。 酒飲みのリアルな心情が描かれていて唾をごくりと飲みながら読みましたよ。酒は飲まないに越したことはないね。
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アル中でもジャンキーでもシラフでもみんな何かしらを常に抱えながら生きている中で、たまたま病気や怪我とかいう名前のついたソレを抱えているという共通点のある人たちの、やさしさとかもがきとかそういうのが軽妙なテンションでするすると描かれているのが逆に心をキュッとさせられた。 登場人物み...
アル中でもジャンキーでもシラフでもみんな何かしらを常に抱えながら生きている中で、たまたま病気や怪我とかいう名前のついたソレを抱えているという共通点のある人たちの、やさしさとかもがきとかそういうのが軽妙なテンションでするすると描かれているのが逆に心をキュッとさせられた。 登場人物みんなすごく人間臭くってだいすき。
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ナイトキャップ、連続飲酒、渇酒症、ウィークエンドドリンカー。 私も過剰摂取には気をつけなくては……。
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刺さる人と刺さらない人が明確に分かれそうな作品。私は自分がダメ人間でそこから抜け出せない状態なので、この本の一節一節がとにかく響いた。「過度なアルコールの摂取はやめましょう」と人から言われてもイラッとしたりするものだけれど、この本を読めばアルコール中毒で入院することがどういうこと...
刺さる人と刺さらない人が明確に分かれそうな作品。私は自分がダメ人間でそこから抜け出せない状態なので、この本の一節一節がとにかく響いた。「過度なアルコールの摂取はやめましょう」と人から言われてもイラッとしたりするものだけれど、この本を読めばアルコール中毒で入院することがどういうことか、生生しく伝わってくる。自分に自信が持てなくて、生きづらい方に勧めたい。
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3年くらい前に読んだきりだったが、古本屋で偶然見つけ購入。前に読んだ時は飲み会後の酔い醒ましにと思って手に取ったのだが、あまりの面白さに酔ってしまい、月を見に高台まで歩いた記憶がある。誰もいない塀の上、少しかけてはいるが煌々とした月をみながら吸うタバコは美味かった。今回も一気に読...
3年くらい前に読んだきりだったが、古本屋で偶然見つけ購入。前に読んだ時は飲み会後の酔い醒ましにと思って手に取ったのだが、あまりの面白さに酔ってしまい、月を見に高台まで歩いた記憶がある。誰もいない塀の上、少しかけてはいるが煌々とした月をみながら吸うタバコは美味かった。今回も一気に読んでしまった。これはやっぱり面白い。生きたいのに死んでしまう人、死にたくても生きてしまう人、降りかかる死を背負ってしまう人、死の影を引きちぎってでも生きようとする人、どちらも嫌だとドラッグ(酒を含む)で酩酊し続ける人、などなど多彩な人の生き様、死に様が縦横無尽に走り回っている。それらの有象無象を同じ病人として対等に扱わなければならない医者の苦悩が爆発し、酒乱になってしまうのもらもさんらしくて好き。らも入門編として是非
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下戸なので、お酒に酔って心地よく感じたことが一度もない。これは残念な事だと思ってる。 けど 過度に飲み続ける怖さって凄いなと思った。 アルコール中毒は本人だけでなく家族をも壊してしまうんだ。想像した事もなかった。 しかし… 身体が弱りきるとフケも出なくなるなんて。そういうものな...
下戸なので、お酒に酔って心地よく感じたことが一度もない。これは残念な事だと思ってる。 けど 過度に飲み続ける怖さって凄いなと思った。 アルコール中毒は本人だけでなく家族をも壊してしまうんだ。想像した事もなかった。 しかし… 身体が弱りきるとフケも出なくなるなんて。そういうものなんだ(o_o)
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