日本の音 の商品レビュー
日本語を母国語に持ち、日本列島に生まれ育った自分が、音楽について考えるにあたって、限りなく視野を広げてくれた一冊。食生活や生活環境、その土地の風土、言葉など、人が生きるにあたって身の回りにあるものが音楽にどれほどの影響を、具体的に与えているのかということを示してくれる。 音楽家...
日本語を母国語に持ち、日本列島に生まれ育った自分が、音楽について考えるにあたって、限りなく視野を広げてくれた一冊。食生活や生活環境、その土地の風土、言葉など、人が生きるにあたって身の回りにあるものが音楽にどれほどの影響を、具体的に与えているのかということを示してくれる。 音楽家の伊福部昭が「民族の特殊性というものを通過して、共通の人間性に到達しなければならない」という信念を持ち、「真のインターナショナルはローカルを通してでないと到達できない」と語っていたように、人間本来の根源的な何かに触れるものをとらえようとするなら、この国の民俗性について注意深く目を向けなければならないわけで、この本はそのために必要なさまざまな知見と示唆を与えてくれる。 ポピュラー音楽を見つめるにあたって、何度でもここに立ち返らなければならないように思う。音楽について考えたいのであれば、中村とうよう『ポピュラー音楽の世紀』と並んで必読。
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日本文化論。明治からの音楽政策、文化政策を批判的な立場で論じ、西洋一編主義であった政府の、恐らく国是として進めていた、日本文化に対する危機感があった。
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世界のなかの日本音楽◆日本音楽の今日と明日◆日本文化のなかの伝統音楽◆アジアのなかの東洋と西洋◆日本の音―伝統音楽への入門(正月の芸能と民俗音楽;雅楽;仏教音楽;琵琶楽;能・狂言;尺八とその音楽;箏曲と三曲合奏;三味線音楽;大衆の邦楽;現代邦楽)◆日本音楽の基礎理論(音素材;音組...
世界のなかの日本音楽◆日本音楽の今日と明日◆日本文化のなかの伝統音楽◆アジアのなかの東洋と西洋◆日本の音―伝統音楽への入門(正月の芸能と民俗音楽;雅楽;仏教音楽;琵琶楽;能・狂言;尺八とその音楽;箏曲と三曲合奏;三味線音楽;大衆の邦楽;現代邦楽)◆日本音楽の基礎理論(音素材;音組織;リズムと楽式) 著者:小泉文夫(1927-1983、東京、民族音楽学者) 解説:中川真(1951-、奈良県、音楽学者)
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小泉文夫 「 日本の音 」民族音楽学の本。内容は「西洋模倣により 自己喪失した 日本音楽の原因と提言」このような分野の学問があることを知らなかったが、第一人者の話は引きこまれる。わらべうたなど 日本音楽の表現特徴、音楽教育の問題点、仏教音楽、能の話は 面白い わらべうたなど 日...
小泉文夫 「 日本の音 」民族音楽学の本。内容は「西洋模倣により 自己喪失した 日本音楽の原因と提言」このような分野の学問があることを知らなかったが、第一人者の話は引きこまれる。わらべうたなど 日本音楽の表現特徴、音楽教育の問題点、仏教音楽、能の話は 面白い わらべうたなど 日本音楽の特徴 *西洋音楽のリズムは強弱→日本のリズムは前後 *日本音楽のリズムの強弱は 音楽の表現技法 *再創造=時代や好みによって形を変える 日本音楽の西洋化の原因と提言 *日本人が親しむ西洋音楽は その花の部分〜その元となった茎や根まで 感覚の領域は 至っていない *日本人が日本音楽に疎遠になった理由は学校教育〜西洋音楽一辺倒の教育→日本の楽器、音階、リズム形式を放棄して 西洋音楽に変換してしまった *朝鮮、インド、西アジアから学ぶべき *日本語に結びついた表現(わらべうたを出発点とする音楽教育) からの教育が必要
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日本文化を「音楽」の視点から取り上げ、日本音楽を民族音楽の一つとして捉え、その普遍性と特徴、世界の音楽との関係など、様々な観点から世界の中での位置付けを探るもの。
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邦楽に接する機会が増えて、日に日に溜まっていく疑問。細かい謎は覚えていられない位たくさんあるけど、いちばんの謎は、この不可解な音楽はなんなんだ?と思うのに、なぜか心にグッとくること。この本を読んで、その秘密に少し近づけた気がする。 しかし、楽式のところで、雅楽や箏曲の構成につい...
邦楽に接する機会が増えて、日に日に溜まっていく疑問。細かい謎は覚えていられない位たくさんあるけど、いちばんの謎は、この不可解な音楽はなんなんだ?と思うのに、なぜか心にグッとくること。この本を読んで、その秘密に少し近づけた気がする。 しかし、楽式のところで、雅楽や箏曲の構成について解説したあと、“三味線音楽は、純音楽というより、演劇と結びついたり、歌詞の構成に強く影響され、単純明解な楽式理論にしたがっているものはほとんどない。” …デスね(がっかり)
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日本音楽の教科書といっていいが、矢張り「日本の音楽」としてカテゴライズした上での整理や検討は実は実りがないような気もする。儀式として或いは呪術として、或いは酒宴のバンドとしての日本の歌や音楽は、坐ってその演奏そのものを「聞く」という視点からはずれてくるのであろうし、「伝統と現代」...
日本音楽の教科書といっていいが、矢張り「日本の音楽」としてカテゴライズした上での整理や検討は実は実りがないような気もする。儀式として或いは呪術として、或いは酒宴のバンドとしての日本の歌や音楽は、坐ってその演奏そのものを「聞く」という視点からはずれてくるのであろうし、「伝統と現代」という「アポリア?」から音楽教育の問題を指摘するのも、どうかという気がする。もう、小学校の唱歌以外音楽教育などやめてしまえば、とも思う。果たして音楽は「教育」されるものなのか。
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改めて、日本の音楽教育は片手落ちだと思わされる。明治維新、戦後と伝統文化軽視の風潮のなかで疎かにされたもの。こないだテレビで見た唐招提寺の番組とも重なるが、音楽には建築と異なる点もある。また、日本の音楽や楽器の伝統を踏まえながら、現在の状況と展望について語る内容は、70年代の空気...
改めて、日本の音楽教育は片手落ちだと思わされる。明治維新、戦後と伝統文化軽視の風潮のなかで疎かにされたもの。こないだテレビで見た唐招提寺の番組とも重なるが、音楽には建築と異なる点もある。また、日本の音楽や楽器の伝統を踏まえながら、現在の状況と展望について語る内容は、70年代の空気を差し引く必要はあるかもしれないが、ほぼ現代に通じる。自分の周りの音楽を見渡し、その特徴や他の音楽との関わりなどを考えるきっかけになる、視野を拡げてくれる一冊。
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老若男女問わず、いろんな人に読んでもらいたい1冊。 ホントに1970年代の本? と思わずにはいられないほど、現代の感覚を持った小泉文夫さんの本です。 この本と出逢って、また違う世界が開けました。
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学生時代の坂本龍一が最もインパクトを受けた講義が小泉氏のものだったという。そして彼が音楽に向き合う態度を決定付けたと言われる小泉音楽論の決定版
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