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美味礼讃 の商品レビュー

4.3

73件のお客様レビュー

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2018/10/09

辻調理師専門学校の辻グループ創始者辻静雄。それまで日本に入ってきていた洋食ではなく本格的なフランス料理を日本にもたらしたその背景を小説化。本人以外は実在な人物をモデルにしつつ微妙に変えることで書きづらいであろうエピソードも描いている。日本の豊かな食文化を構築するのに貢献した、この...

辻調理師専門学校の辻グループ創始者辻静雄。それまで日本に入ってきていた洋食ではなく本格的なフランス料理を日本にもたらしたその背景を小説化。本人以外は実在な人物をモデルにしつつ微妙に変えることで書きづらいであろうエピソードも描いている。日本の豊かな食文化を構築するのに貢献した、このような「個人」がいたことに改めて感銘。一つの異国の文化を広めるためのモデルとして大いに刺激的な一冊。

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2018/09/08

辻調理師学校創設者の半生を描いた小説。 初めて知ることばかりだったけど、そこまで面白いとは思わなかった。料理、特にフランス料理が好きな人にとっては凄く面白いほんだと思うし、彼のような人が色んな分野にいたおかげで日本は豊かなのかな、と思った。 誰か忘れただけど、最後の解説の文章が...

辻調理師学校創設者の半生を描いた小説。 初めて知ることばかりだったけど、そこまで面白いとは思わなかった。料理、特にフランス料理が好きな人にとっては凄く面白いほんだと思うし、彼のような人が色んな分野にいたおかげで日本は豊かなのかな、と思った。 誰か忘れただけど、最後の解説の文章が圧巻で物書きの書評は凄いな、感じた。 自分があまり面白いと感じないのは、読めていないだけなのだろう。

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2017/10/24

美味礼賛はこのところ読んだ中で図抜けて面白い小説。というか、小説仕立てのノンフィクションのような作品。日本にフランス料理店(しかも美味しい店)がこれだけたくさんある理由が書いてある本です。なぜフランス料理が多いのか?と疑問に思っている人は面白く読めると思うし、単に料理好きな人が読...

美味礼賛はこのところ読んだ中で図抜けて面白い小説。というか、小説仕立てのノンフィクションのような作品。日本にフランス料理店(しかも美味しい店)がこれだけたくさんある理由が書いてある本です。なぜフランス料理が多いのか?と疑問に思っている人は面白く読めると思うし、単に料理好きな人が読んでも楽しめると思う。ちなみに辻静雄さんの事が書いてある本。辻さんと聞いてピンと来る人、正解です。辻調理師専門学校を作った人の話ですね。 この本を読む際の要注意点としては、この本は割と分厚いし、第一章は多少冗長な所。ただ、第二章からは読む手が止まらないくらいに面白い。夜中に読むと猛烈におなかが空いてくるくらいに、料理の描写が見事。あと、きら星のごとく出てくるスター料理人達に頭が軽くクラクラしてきます。ともあれ、単にフランス料理が好きな人にも諸手を挙げてお勧めします。

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2023/11/24

辻調理師専門学校の経営者であり、日本に本物のフランス料理を伝え根づかせるために生涯をかけた辻静雄の半生をえがいた伝記小説です。 丸谷才一や向井敏といった『文章読本』の執筆で知られる当代きっての文章家たちがこぞって絶賛する作品ですが、ストーリーはエンタテインメント性が強く、とにか...

辻調理師専門学校の経営者であり、日本に本物のフランス料理を伝え根づかせるために生涯をかけた辻静雄の半生をえがいた伝記小説です。 丸谷才一や向井敏といった『文章読本』の執筆で知られる当代きっての文章家たちがこぞって絶賛する作品ですが、ストーリーはエンタテインメント性が強く、とにかくおもしろくて一気に読めてしまいます。このスピード感を邪魔しないのが、あるいは著者の文章の巧みさなのかもしれません。

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2017/08/07

内容紹介 彼以前は西洋料理だった。彼がほんもののフランス料理をもたらした。その男、辻静雄の半生を描く伝記小説。早稲田大学を卒業後、大阪読売新聞社に入社するものの、2年で退職。1960年、大阪・阿倍野に辻調理師専門学校を開校する。フランス料理をみずからの舌をもって味わうために、九...

内容紹介 彼以前は西洋料理だった。彼がほんもののフランス料理をもたらした。その男、辻静雄の半生を描く伝記小説。早稲田大学を卒業後、大阪読売新聞社に入社するものの、2年で退職。1960年、大阪・阿倍野に辻調理師専門学校を開校する。フランス料理をみずからの舌をもって味わうために、九週間のフランス旅行で実に百軒のレストランに足を運んだ。日本一の調理師専門学校の経営者になると同時に世界的な料理研究家となった。日本で初めての専門的なフランス料理研究書である『フランス料理理論と実際』をはじめ著書多数。またフランス人以外では初めて「フランス国家最優秀職人章」を授与された。TBS系列番組「料理天国」の番組監修をはじめ、一般向けにフランス料理文化の普及にもつとめた。

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2016/10/04

この夏読んだ食べ物関係の書籍の中で一番読後感がいい。というのも、実際の人物を描いた小説だからだろうか。辻調理師専門学校は今では有名だが、その立ち上げから苦労してきた辻静雄氏の努力には頭が下がる。そして、ガストロノミーにはカネとカラダが必要だということも思い知らされる。フランス料理...

この夏読んだ食べ物関係の書籍の中で一番読後感がいい。というのも、実際の人物を描いた小説だからだろうか。辻調理師専門学校は今では有名だが、その立ち上げから苦労してきた辻静雄氏の努力には頭が下がる。そして、ガストロノミーにはカネとカラダが必要だということも思い知らされる。フランス料理中心だが、日本料理・中国料理まで物語が挿入されていて食が好きな人ならば必読の書。

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2016/06/30

この後の人生で3冊しか、本をもてないとしたら、この本をそのうちの1冊に選ぶ。 なんたって、頁のそこここに、うっとりするようなお料理が出てくる。それだけでも必読もの。 そして素晴らしい人々との出会い。 マダムポワンの言葉、「フェルナンはね、生きているとき、いつもこういっていたの。料...

この後の人生で3冊しか、本をもてないとしたら、この本をそのうちの1冊に選ぶ。 なんたって、頁のそこここに、うっとりするようなお料理が出てくる。それだけでも必読もの。 そして素晴らしい人々との出会い。 マダムポワンの言葉、「フェルナンはね、生きているとき、いつもこういっていたの。料理をつくる人間のつとめは、お客さんにつねにささやかなうれしい驚きをさしあげることだって。」 自分の立ち位置に驕らずより高みを目指す言葉。 特にもうひとつ好きな場面は、友達をディナーに招待して、至高の料理に、こんなものに意味はない、と罵られる場面。この後の対応がかっこいい。 どうもしないさ、と。でも静かに高みを目指すんだな。 あげたらキリがなく好きなエピソードばかりです。好きなものに出会って、リスクを背負いながらも精一杯力を尽くす、こんな人生、羨ましいなぁ。

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2015/08/14

辻静雄がフランスに食べ歩き修行に行った時 (1960年代初頭) ミシュランのお店を参考にしている。 そういうった審美眼をもって役立てられる 人になりたい。

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2015/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一日で読破してしまった。おかげでまだ目が痛い。 「彼以前は西洋料理だった」というフレーズに衝撃を受けた。読み進めてますます驚愕した。今や日本でもミシュランがガイドを発行し、世界一星の数が多い時代。でもそれは戦後自然にそうなったのではなく、こんな血の滲む努力があったのか。 辻静雄氏は美食を食べ歩き、そのノウハウを還元し続けたが、代償として肝臓を病み60の若さで他界してしまった。文字通り命を削った大仕事。 偉業をなすには現状に満足できない探究心とある意味業の深さを併せ持ち、良き理解者と恵まれた環境、そして反骨精神を育む逆境の全てが必要だということがよく分かる。もちろん本人が正しい道を歩んでいるか否かは誰にもその瞬間には分からないわけだし、そうした不安と逡巡に押しつぶされないだけの強靭な胆力も。 ただ、調理法の全てを公開するというのは勇気がいるし難しい議論も含むところだと思う。確かにそれ無くして今の日本の食文化の隆盛はなかったわけだが、ノウハウを秘匿するのが悪だとされると、どうせ真似されるくらいならと誰も苦労して未知の味を探求しなくなるかも…。 もっとも料理にかぎらず技術や芸術などにも言えることだけど。知的財産って難しい。 ついでに、この時代の官僚というのは本当にクズの寄せ集めだったんだな、と改めて認識させられた次第。これだけ傲慢に振る舞っておいて、肝心の国づくりでも失敗して後世に負の遺産を残すとか、無様としか言いようが無い。今70代以降の高級官僚経験者はほぼ例外なく老害と言って間違いあるまい…。

Posted byブクログ

2015/03/03

人間には、ただ物を食べる人間と、味わって食べる人間の二種類がいる。 大物ほど、謙虚で誠実。 楽観的な奥さん。こうやって夫を支える妻になりたい

Posted byブクログ