1,800円以上の注文で送料無料

閉された言語空間 の商品レビュー

3.9

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2017/01/28

戦争が終わった後、占領軍は秘密裡に日本の新聞・放送・出版などの検閲を行った。それが、後々の日本人の考え方に大きな影響を及ぼしているという。アメリカよ、酷いことをする、と嘆息してしまう。多くの人にポツダム宣言との齟齬を知ってほしい。

Posted byブクログ

2016/06/18

一民族への言論統制は、その民族への思想改造にも繋がる極めて非倫理的な振る舞いである。また、我々は、日本という国にいて、例えば漫画のような媒体が青少年に齎す過度な影響を経験として、知ってもいる。そんな事が私の頭の根底にあって、更には戦後のWGIPが今の我々にどの程度傷跡を残している...

一民族への言論統制は、その民族への思想改造にも繋がる極めて非倫理的な振る舞いである。また、我々は、日本という国にいて、例えば漫画のような媒体が青少年に齎す過度な影響を経験として、知ってもいる。そんな事が私の頭の根底にあって、更には戦後のWGIPが今の我々にどの程度傷跡を残しているのか、少しでも理解したいとの思いから、本著を手に取った。 これは、主観の混じらぬ純粋な資料であり、戦後、日本人に施された思想改造の真実でもある。日本人は、この事を知らなければならない。事実を変更し、記録を塗り替え、教育内容を変え、日本人を変えてしまった。我々は、この事に気付かなければならない。そして、あらゆるものを疑ってかからなければならないのだ。

Posted byブクログ

2016/03/20

膨大な公文書の解読に基づき、連合国軍により占領下にあった日本でいかに連合国軍、つまりはアメリカによる検閲が行われ日本の言語空間が歪んだか、そしてのその歪みが本書が執筆された1980年初頭においてもいかに日本の言語空間を支配しているかを描きだした労作。 本書の政治的な評価は二分し...

膨大な公文書の解読に基づき、連合国軍により占領下にあった日本でいかに連合国軍、つまりはアメリカによる検閲が行われ日本の言語空間が歪んだか、そしてのその歪みが本書が執筆された1980年初頭においてもいかに日本の言語空間を支配しているかを描きだした労作。 本書の政治的な評価は二分しており、東京裁判における各戦犯たちが評価されることのないようにアメリカが仕掛けたとされる「War Guilt Information Program」の存在も含め、引き続き議論の余地がある部分も多々ある。そうした点をさておいたとして、言説空間における「実在」ではなく「不在」という点に着目し、いかにその不在が形成されたかという視点の鋭さにある。 存在を証明するより、不在を証明することの方が難しい-ときにそれは悪魔の証明となる-ように、ある言説を言語空間から不在とさせる「検閲」という行為に着目し、その不在を証明した本書の視点は、目の前にあるデータのみを本当に分析対象として良いのか?、という素朴な疑問を持つことの重要性を認識させてくれる。

Posted byブクログ

2014/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] さきの大戦の終結後、日本はアメリカの軍隊によって占領された。 そしてアメリカは、占領下日本での検閲を周到に準備し、実行した。 それは日本の思想と文化とを殱滅するためだった。 検閲がもたらしたものは、日本人の自己破壊による新しいタブーの自己増殖である。 膨大な一次資料によって跡づけられる、秘匿された検閲の全貌。 [ 目次 ] 第1部 アメリカは日本での検閲をいかに準備していたか 第2部 アメリカは日本での検閲をいかに実行したか [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ

2014/08/09

戦前戦後研究をひそかにライフワークとしていますが、その一環として手にしました。第二次大戦のアメリカ国内の検閲機構があったことに驚きつつ、その機構を踏襲したのが占領軍の検閲だった。そしてその検閲がいまのジャーナリズムの自粛の根源になっているとの指摘。War Guilt Inform...

戦前戦後研究をひそかにライフワークとしていますが、その一環として手にしました。第二次大戦のアメリカ国内の検閲機構があったことに驚きつつ、その機構を踏襲したのが占領軍の検閲だった。そしてその検閲がいまのジャーナリズムの自粛の根源になっているとの指摘。War Guilt Information Programその目標を十分に達せられたことが現代であるとの指摘には、肯じるを得ない。

Posted byブクログ

2014/04/06

終戦後のGHQ占領下での情報検閲の実態を明らかにしたもの。米国側の膨大な資料も検証により事実の積み上げている。 著者の論点はその検閲の中で日本らしさが意図的に殲滅され、自己破壊にも繋がっている、ということ。 率直な感想は、インターネット時代において、過去の史実をより冷静且つ客観...

終戦後のGHQ占領下での情報検閲の実態を明らかにしたもの。米国側の膨大な資料も検証により事実の積み上げている。 著者の論点はその検閲の中で日本らしさが意図的に殲滅され、自己破壊にも繋がっている、ということ。 率直な感想は、インターネット時代において、過去の史実をより冷静且つ客観的に捉えることができる状況下、当時の検閲結果が著者が論じる程に影響を与えているのか疑問に思うところはある。 ただ、国語力もそうだが、戦後、過度に日本固有の思想文化が否定されてきた事実も確かであり、その見直しに冷静に取り組むべき時期にあるのだろう。 自然との共存、日本食、田舎文化等のライフスタイルも含めて。 別途、藤原正彦が論ずるところにも共感がある。

Posted byブクログ

2013/11/22

敗戦後、米国が敗戦国日本に対し猛烈な検閲を行いマスコミに対する検閲、個人の通信の傍受。手紙の検閲を行いながら、ウオー・ギルト・インフォメーション・プログラム(戦争を二度と起こさない思想)で去勢していった。日本の敗戦前からこのプログラムは作成されたおり、きめ細かに徹底されて、太平洋...

敗戦後、米国が敗戦国日本に対し猛烈な検閲を行いマスコミに対する検閲、個人の通信の傍受。手紙の検閲を行いながら、ウオー・ギルト・インフォメーション・プログラム(戦争を二度と起こさない思想)で去勢していった。日本の敗戦前からこのプログラムは作成されたおり、きめ細かに徹底されて、太平洋戦争をアメリカと日本の戦争ではなく、日本の国民と一部の軍国主義者にすり替えて実行されていく。それが代替わりした今になって戦争放棄という意見がまとまりにくいものとなって表れている。 今、まさに特定機密保護法が国会を通過しようとしているが、昭和20年代のGHQ的なものにならないことをいのるのみ。

Posted byブクログ

2013/02/11

戦後日本人に罪悪感を植え付けるために米国が必死になって情報操作したことが明らかにされている。広島や長崎に原爆を落とし、非戦闘員を大量殺戮したことを正当化するため、日本軍の残虐性をでっちあげ、日本人を含むアジア諸国に吹聴し続けた。そういう事実を知らずにいまだに自虐史観に洗脳され続け...

戦後日本人に罪悪感を植え付けるために米国が必死になって情報操作したことが明らかにされている。広島や長崎に原爆を落とし、非戦闘員を大量殺戮したことを正当化するため、日本軍の残虐性をでっちあげ、日本人を含むアジア諸国に吹聴し続けた。そういう事実を知らずにいまだに自虐史観に洗脳され続けている日本人が多すぎる。一人でも多くの日本人に読んでほしい。

Posted byブクログ

2012/05/29

アメリカに保存されていた一次資料を基に、アメリカはいかに検閲を行なってきたかがかなり丁寧に書かれている。 具体的なエピソードなどで興味をひかれたものも多かったが、とりわけ興味深かったのは、アメリカ国内と日本での検閲の類似性であった。 合衆国憲法修正第一条とポツダム宣言第十項が...

アメリカに保存されていた一次資料を基に、アメリカはいかに検閲を行なってきたかがかなり丁寧に書かれている。 具体的なエピソードなどで興味をひかれたものも多かったが、とりわけ興味深かったのは、アメリカ国内と日本での検閲の類似性であった。 合衆国憲法修正第一条とポツダム宣言第十項がともに表現の自由を保障していること、そしてそれゆえに、検閲が「隠されるべきもの」となったこと。 アメリカ内部での「戦時情報局」と「検閲局」の関係は、そのまま日本における「民間情報教育局(CI&E)」と「民間検閲支隊(CCD)」の関係と重なる。 また、一方でこうしたアメリカ国内の検閲と占領下の日本での検閲における類似性があるゆえに、戦時中に日本における内務省による検閲と占領下の検閲との差異が際立って浮き彫りとなった。 秘すべき対象に近付かない、触れないようにさせるための検閲(戦時中)と、秘すべき対象があることを秘するために接触を余儀なくさせる検閲(占領下)。 後者における秘匿の二重性は、常に権力につきまとうものだが、巧みに隠蔽されているがゆえに、我々はなかなか気付けない。 秘匿の二重性への注視を促されたことに驚き喜ぶとともに、ではそうした二重性を暴露することで江藤が(無意識的であれ意識的であれ)隠蔽したものは何だったのかを考える必要もあるだろう。 最後の教育と天皇と検閲とのあたりは、いきなり論理を飛躍させた感じがしたが、総じていえば、検閲について学ぶのには非常に有意味な一冊であった。

Posted byブクログ

2012/06/24

タブーは伝染する。 検閲者がいるというタブーが非検閲者にのみ共有されているものである、ということは、非検閲者にとってはタブーを共有したことと同じ。 ウォーギルトインフォメーションプログラム

Posted byブクログ