地球家族 の商品レビュー
世界30カ国の「ふつう」の家庭(男女各一名とその子ども+α)の家と持ち物を出せるだけ出して並べてみた写真。 写真がきれいだしプロジェクトは下世話な好奇心を満たしてくれて面白いがオリエンタリズムにうんざりする。 ほぼ20年前の作品だから、今とは当然状況が違う。 たった20年で世界...
世界30カ国の「ふつう」の家庭(男女各一名とその子ども+α)の家と持ち物を出せるだけ出して並べてみた写真。 写真がきれいだしプロジェクトは下世話な好奇心を満たしてくれて面白いがオリエンタリズムにうんざりする。 ほぼ20年前の作品だから、今とは当然状況が違う。 たった20年で世界はこんなに変わる(あるいは変わらない)ものなのか。 中国やベトナムは発展前夜で日本はバブルをひきずっている。 南アフリカはアパルトヘイト中でイラクにはブッシュがいない。 ハイチは津波に襲われる前だけど現在と同じように貧しい。 ロシアは辛い状況だけどこの後もっとインフレが来るんじゃなかったか。 このころのこの国はどんな状況だったんだっけ、この後どうなるんだっけ。 ほとんど思い出せない。というか知らない。 エチオピアの三歳児は鶏を抱いていた。 イタリアの三歳児はおしゃぶりをくわえていた。 発育はイタリアの子のほうがいいような気がする(人種が違うせいもあるかもしれない)のに、エチオピアの子のほうが大人びてみえた。 エチオピアの子は「子供」で、イタリアの子は「赤ちゃん」に見える。 持てないから物がない国があって、持てるけどコンパクトな国があって、動物を所有する国がたくさんある。 日本は物が多すぎだけど、東アジアの貯蓄率や中国の「ためこむくせ」を考えると経済状況というよりはアジアンの習性なのかもしれない。 先進国の家にはあまり仕事道具がない。貧しい国の食事はほとんど穀類だけ。 起きている間中働いている家族がいて、働く場所のない家族が居る。 「アンティークのミシン」を持つ家があって、同じくらい古い型の現役ミシンを使う家がある。 国としての裕福度ではずっと上に居る日本の「中流」よりもクウェートの「中流」のほうがずっと豪華な家に住んでいるのは上と下にすごいのがいるってことなんだろう。 こうやって見ていくのは面白いけれど、著者たちの見方が気に入らない。 プロジェクトチームの「普通」を基準にして、部外者がこの国っぽいと思うものを探して、部外者が見たいものを撮っている。 貧乏なら子沢山なはずとか、 (欧米人である自分たちにとっての)異文化には民族衣装やそれっぽいものが欲しいとか、 ロケーション(これは撮影の都合もあるのである程度仕方がないにせよ)とか、 出生率の低い国でもあくまで夫婦と子どものセットが「標準」だとか、 撮影に都合が悪いというだけのことを「この過程に問題がある」と評するとか。 データや写真家の感想にムラがあるのも残念。 製作者が重要だと思ったことしか書いていないから比較ができない。 特に後半(非ヨーロッパ)がひどい。 上から目線で褒めるか自分にとって異質な価値観を危ぶむか。 アメリカの白人一家のサラ・ペイリンみたいにやばげなクリスチャンっぷりは「熱心な信心」でアジアの土着の精霊信仰は「迷信深い」。 共産っぽいものには(お裾分けレベルの助け合いにすら)いちいちダメだしが入る。 冷戦が終わって間もないとはいえアカ狩りをしなくちゃ気がすまないような、西側至上主義の見方が不愉快。 家族の形も信仰もご近所づきあいも、みんな自分のものさしにむりやりあてはめて映し出そうとするから観光客向けの絵葉書みたいな不自然なものにしかならない。 それでも本物の被写体からは本物が垣間見えるのだけれど。
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高知新聞2011.02.27朝刊。「もっと読もっか」沢田万亀・文 《家の中の物を全部、家の前に出してください-。写真家たちが、日本をふくむ世界30カ国のふつうの家族にそんなお願いしをしてとった写真集です。》
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世界中の家の中の家財道具を家の前に、並べて、家族が、 写真に納まる。 いかに日本の家庭に、いろいろなものがあるか、片付けられない 日本人・・・ 物に対する価値観の問題なのか? 所有欲への飽くなき探究心なのか、 最近では、一つ増えると一つ捨てようと考える人も多くなっているとか、...
世界中の家の中の家財道具を家の前に、並べて、家族が、 写真に納まる。 いかに日本の家庭に、いろいろなものがあるか、片付けられない 日本人・・・ 物に対する価値観の問題なのか? 所有欲への飽くなき探究心なのか、 最近では、一つ増えると一つ捨てようと考える人も多くなっているとか、これを見て読むと考えさせられます。
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(個人的なメモ) それまでいろんなファミリーの姿や生活を楽しく読んできたのだが、 ロシアの家族の話を読んでから、この本は心の中でぐっと重くなった。 photographerのグチにも似たコメントもおもしろく読んだ。 撮影から約20年近くたとうとする今、この家族たちはどうして...
(個人的なメモ) それまでいろんなファミリーの姿や生活を楽しく読んできたのだが、 ロシアの家族の話を読んでから、この本は心の中でぐっと重くなった。 photographerのグチにも似たコメントもおもしろく読んだ。 撮影から約20年近くたとうとする今、この家族たちはどうしてるんだろう。 子供たちは大人になり、また、もう亡くなった人もいるのだろう。 GDPや所得の大きさ、というのは、豊かさや国力を示すとはいえ、イコール幸福の大きさではやはりない。 所得の低い国の人たちも満足して幸せに暮らしている。 制度としてひろまっている今、お金は少しはないと困るだろうが、ひとつの目安にしか過ぎない。 ブータンの話ほか: 衛生状態の良い暮らしする、というのは現代文明の恩恵で、 暮らしを人をcultivateする礎なのだ、と思った。 そして、掃除、片付け、ができる、というのも暮らしを上昇させられる、richになる条件のひとつなのだろう。 ポール・ケネディが関わってたのか。 なるほど。
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世界30か国、それぞれの国の中流家庭の家族に、家の中にあるモノを出してもらい撮影する写真集。 比べると日本の家族のモノがいかに多いことか。。 表紙のマリの家族のモノの少なさに憧れます。 食事やトイレも比較してますが、この二つに関しては日本は間違いなく世界一です。 その他、各国...
世界30か国、それぞれの国の中流家庭の家族に、家の中にあるモノを出してもらい撮影する写真集。 比べると日本の家族のモノがいかに多いことか。。 表紙のマリの家族のモノの少なさに憧れます。 食事やトイレも比較してますが、この二つに関しては日本は間違いなく世界一です。 その他、各国のプロフィール(欲しいもの、貯金、避妊法、大切なものなど)がまとめれています。 これをみてると、人の幸せとは絶対的なものではなく、その人の置かれている環境の中での相対的なものなんだと実感します。
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90年代初頭の世界30カ国それぞれの国での中流階級家族。 その家にある全てのものを屋外に出し、家族と共に撮影している。 写真集と言っても家族に様々なインタビューをしており、 今読むと情報が古いながら世界のことが見て読んで分かる本。 それぞれの価値観が全く違っていて本当に面白い。 ...
90年代初頭の世界30カ国それぞれの国での中流階級家族。 その家にある全てのものを屋外に出し、家族と共に撮影している。 写真集と言っても家族に様々なインタビューをしており、 今読むと情報が古いながら世界のことが見て読んで分かる本。 それぞれの価値観が全く違っていて本当に面白い。 眺めるだけでも飽きない、発見がある。 とりあえず何度読んでもロシアが切ない。 そしてこの本を買ってから、私は物を買うときに少しだけ慎重になった。 どちらも理由はこの本を詠めば分かる。
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これぞ私がいちばん心動かされる写真集! たまに見てはじっくりじっくり ひとつづつテーマを決めてはまた見てる。
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地球上のいろんな国の中流家庭の家財を外に出して撮影した本 人が違えば、文化・物ももちろん違う 家族データやインタビューも載っている。 物がなくて、将来も分からなくても、朗らかな人もいる。 生活の安全が保障されている、という点が境界点なんじゃないかな、と思う。 こういうのを見る...
地球上のいろんな国の中流家庭の家財を外に出して撮影した本 人が違えば、文化・物ももちろん違う 家族データやインタビューも載っている。 物がなくて、将来も分からなくても、朗らかな人もいる。 生活の安全が保障されている、という点が境界点なんじゃないかな、と思う。 こういうのを見るたびに日本は生活の質が低いとひしひしと実感するけど、 悲しいかな、今日本に住んでいる以上は止められない。
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「わー!すげー」って思った。何回引っ越そうと、永久保存版。 これを撮ってから10年後に同じ家族を訪問したドキュメントがNHKで放送されてた。
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「申し訳ありませんが、家の中の物を全部、家の前に出して写真を撮らせてください」 世界30カ国のこく平均的な暮らしをする1家庭が、こんなムボーなリクエストにお答えして 大公開しちゃってます。写真に写っている物といない物ののリストも供述されています。 表紙になっているのは、マリの...
「申し訳ありませんが、家の中の物を全部、家の前に出して写真を撮らせてください」 世界30カ国のこく平均的な暮らしをする1家庭が、こんなムボーなリクエストにお答えして 大公開しちゃってます。写真に写っている物といない物ののリストも供述されています。 表紙になっているのは、マリの家庭。対照的なのが、自家用車4台もってるクウェートの家庭。 アメリカは、いかにもアメリカ〜って感じのカントリー調の家具。イタリアは、アンティークドールがずらり。 ウズベキスタンは、真っ白な雪原のうえにカラフルなじゅうたん。 自家用車4台もってるクウェートの家庭。表紙のマリと対照的です。 お国柄が伺えますよね。 そして、この30カ国のなかに日本も入っています。 家のものをすべて外に出したら、どんな結果になったのでしょう・・・? それは買ってからのお楽しみ。
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