信州に上医あり の商品レビュー
こういう感覚の医者が…
こういう感覚の医者がいることはいいことだが、実際はそういうものでもないのでは、という感じも多く受ける。
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とある大学の医学部の授業の課題本と聞いて、興味を持ったので読んでみた。 地域医療のパイオニアである佐久病院の基礎を作った若月さん俊一の評伝である。 芥川賞作家であり、佐久病院の医師であった南木佳士の手によって書かれたものだ。 小説なら若月俊一の一筋縄ではいかない複雑な人間像を作...
とある大学の医学部の授業の課題本と聞いて、興味を持ったので読んでみた。 地域医療のパイオニアである佐久病院の基礎を作った若月さん俊一の評伝である。 芥川賞作家であり、佐久病院の医師であった南木佳士の手によって書かれたものだ。 小説なら若月俊一の一筋縄ではいかない複雑な人間像を作り出せただろうに、身近な存在である筆者が存命の人間を描くのは、なかなか難しそうだと感じた。読んでいて、実像がなかなか掴めない感じがしたので。 若月が成し遂げたことが、どれほどすごいことだったのか、カンボジアでの医療活動をした筆者が実感したくだりで、読者である私もようやくこの本の意義が飲み込めたように思う。 戦中に佐久病院に赴任した若月がみた農村、農民は、まさしくカンボジアで出会った、医療などかすりもしない、救おうとしても遠ざかってしまう異世界の人々だったに違いない。 「こう手」などという農民特有の破裂した腱鞘炎、回虫が蠢く開腹した時の腸、外気と同じ気温で暮らす人々の深刻な冷え。 闇米に手を出さずに死んだ山口判事と時を同じくして、闇米を買いまくっていた若月。鹿教湯温泉のリハビリ施設を作った若月。経営のことばかり話し始めた若月。 清濁なんか言ってられない、理念を時にはかなぐり捨て、時には暴走させる、若月の一見矛盾に満ちた行動に、最終的に深い敬意を表する筆者の気持ちが伝わる本だ。
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作家南木佳士の勤務する病院の戦後の中興の祖とする若月俊一の医療にかける姿勢を佐久病院の発展を著述したノンフィクション。戦後小さな病院が1000床を超える巨大な病院に発展し地域医療と専門病院として発展していく中での矛盾を、東大出のマルキストであった若月先生の現実主義者としての面と...
作家南木佳士の勤務する病院の戦後の中興の祖とする若月俊一の医療にかける姿勢を佐久病院の発展を著述したノンフィクション。戦後小さな病院が1000床を超える巨大な病院に発展し地域医療と専門病院として発展していく中での矛盾を、東大出のマルキストであった若月先生の現実主義者としての面と患者に寄り添う医者と地域医療を担う経営者管理者院長という職務で運営した顔をプラス面だけでなくマイナスの事柄も率直に南木佳士は書いている。 マルクスボーイとしてロマンティストな面と医者科学者の冷静な客観的な目を持つ若月先生のスケールの大きさが感じられる。 南木佳士は咲く病院に勤務したからこそ作家になれたと、患者に寄り添う視線が養われたと書いている。
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古本を取り寄せて読んでみた。 2025年問題(団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になり介護・医療の需要が増加)の対策のひとつとして医師数を増やそうと医学部定員を増やしている。 医師を志す若者にはさまざまな思いがあるだろう。若者が本著を手にし、若月俊一医師の生き様がその志のひとつのきっかけになればと思う。当時と比べ現在、生活の質は格段によくなっている。だが、ひとや地域へ貢献しようという思いで国家資格の取得を目指してほしいと思う。
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佐久総合病院の院長として農村医療に尽くした若月俊一の評伝.著者は同病院の勤務医なので,若月は上司になる.それにも関わらずかなり冷静にフェアに書かれているという印象をうける. 私は著者つながりで読んだけれど,医学生とかが読むといろいろ考えさせられるところがあるのではないか.
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内容も文体も心掴まれる。佐久総合病院の変遷と農村医学に尽力した若月先生の話。医療普及と健診の重要性について。医師の在り方について、様々な面から考えさせられる。
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[ 内容 ] すぐれた医者は病人のみならず地域社会や国の病をも治す。 寒村の小さな診療所にはじまり、いまでは全国に知られる佐久総合病院。 そこに敗戦直前に赴任し、「農民とともに」を合言葉に農村医療を実践してきた若月俊一。 医師として、作家として人間の生と死を見つめてきた著者が、波...
[ 内容 ] すぐれた医者は病人のみならず地域社会や国の病をも治す。 寒村の小さな診療所にはじまり、いまでは全国に知られる佐久総合病院。 そこに敗戦直前に赴任し、「農民とともに」を合言葉に農村医療を実践してきた若月俊一。 医師として、作家として人間の生と死を見つめてきた著者が、波瀾に満ちた信念の医師の半生をたどり、真の医療のあり方を問う。 [ 目次 ] 第1章 若月俊一との出会い 第2章 若月俊一の生い立ち 第3章 波乱の東大医学部時代 第4章 佐久病院に赴任する 第5章 佐久病院の発展と若月批判 第6章 高度経済成長の中で 第7章 佐久病院の充実期と今 第8章 佐久病院と私 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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適当に手に取ったこの1冊・・・ 地域医療、農村医療の元祖の志と行動を垣間見た気がしたなあ。 要は「住民のニーズに答え続ける」ということかなあ。 あとこの小説を読むことで「昭和」という時代がなんとなくつかめるような、少なくともきっかけがつかめるような気がした。第二次世界大戦、共産主義、経済成長・・・ 人を追うのには時代も追わねばならんのだなあと感じるなあ。
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へき地医療とは 加計呂麻島での医療を思い出そう 日本にはあういう医療もあるのだ もう一生目にすることはないかもしれない しかし忘れてはいけない! 2009年夏、僕が経験したのは 加計呂麻の豊かな自然、綺麗な海、すばらしい森。 だけで終わってはいけない!!
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若月先生の人生は本当に面白い。外科医で、佐久に赴任した時も帝切も乳腺もカリエスも何でも切って、発表していたというから凄い。
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