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街道をゆく(31) の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

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愛蘭土でアイルランド…

愛蘭土でアイルランドとは思いませんでした

文庫OFF

石また石の島アラン島…

石また石の島アラン島の描写が圧巻。「指のひとふしか二節」しか土壌がない畑を耕し、荒れる海に命がけで出て生活する人々の記録にはただただ圧倒されます。シリーズの中でもおすすめの作品です。

文庫OFF

2020/11/02

懲りずに家で「アーサー、アーサー」言っていた晩夏のある夜、夫がやおらスマホを差し出し、電子書籍の画面を見せてきた。 「アーサー」にマークがついている。検索結果らしい。 その本は司馬遼太郎『街道をゆく 愛蘭土紀行』。 「(自分はゲームは基本的にしないが)なんでアーサー王って聞いたこ...

懲りずに家で「アーサー、アーサー」言っていた晩夏のある夜、夫がやおらスマホを差し出し、電子書籍の画面を見せてきた。 「アーサー」にマークがついている。検索結果らしい。 その本は司馬遼太郎『街道をゆく 愛蘭土紀行』。 「(自分はゲームは基本的にしないが)なんでアーサー王って聞いたことあるんだろうと思ったら、接点はここだった」と夫。深く頷く私。 私が司馬遼太郎を読むようになったのは20代半ば以降だが、この10年ずいぶん楽しく「なるほど」させてもらってきた。そんな司馬さんがアーサー王伝説に言及しているというなら、読まないわけにはいかない。むしろなぜいちばんにそこにあたらなかったのか、と自分の頭を小突くべき事態だ。慌てて読んだ。 読んでみたら、アーサー王そのものへの言及箇所は期待したほど多くはなかった。とはいうものの、いきなり冒頭から 「ラテン系とは?ゲルマン系とは?ケルト人とは?」 という問いで始まるものだから嬉しくてテンションがあがった。なぜなら、振り返れば私がアーサー王に深入りするきっかけになった問いが「サクソン人ってだれ?」だったから。 さらに、ケルト文化が妖精や魔法といったいわゆる"西洋ファンタジー"の源泉かもねということも、折に触れ何度も語られており、読むべき時に読んだという満足感をたっぷり味わえる読書となった。 司馬さんがアイルランドを訪れた、この本の「今」は、2020年からするとすでに30~40年前なので、古びたところも当然あるのだろうが、下記もろもろの話題について一般常識ゼロで読んだので、私にとっては(アーサー置いといたとしても)とても勉強になった。 ・アイルランドが英国にどれだけ虐げられてきたかという歴史の話。 ・カトリックとプロテスタントの話。プロテスタントは自助(最近もどっかで聞いたな)の精神、資本主義、合理性。カトリックは告解さえすれば救われる、あとは教会にお任せ。そして英国聖公会は、両者の折衷。ピューリタンは英国聖公会の清浄化を掲げた一派(ここでは汚辱=カトリック、清浄=プロテスタント)。雑にいうとそんな理解。 ・アイルランドの、英国とプロテスタントとに対する怨恨と憎悪。それと近現代史や経済についての考察。 ・19世紀以降の、アメリカへの大量移民。ケネディも。ハロウィンも元はケルト文化だが、アメリカのお祭りかのようになっていまや日本でも(なんてことまでは司馬さんは書いてないけど)。 ・ハリウッド映画などで描かれる「典型的アイルランド人」像とはという話。古ヨーロッパ人ともいうべき「ケルト人」由来であるという先天的なところと、英国から搾取され続けた歴史により培われた後天的なところと。 ・アイルランドといえば文学の国、という話。ジョナサン・スウィフトやら、ジェイムズ・ジョイスやら。 ・ケルト人が信仰していたドルイド教という土着信仰が、キリスト教の進出により追いやられたものの、アイルランドの地では抹殺はされなかった。そうした古い信仰対象だった八百万の神的なものが、妖精だとかゴブリンだとかになって存在し続けている。

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2017/11/13

アイルランドという土地はヨーロッパの中でも色んな意味で辺境・異境の地ということかな。ケルトが通奏低音を成して現在の私たちに人の営み・歴史とは何か?と問いかけてくるようで。 それにしてもここのところアイルランド本を読んでおりますが、イギリスのEU離脱騒動の際、一部マスコミで取り上げ...

アイルランドという土地はヨーロッパの中でも色んな意味で辺境・異境の地ということかな。ケルトが通奏低音を成して現在の私たちに人の営み・歴史とは何か?と問いかけてくるようで。 それにしてもここのところアイルランド本を読んでおりますが、イギリスのEU離脱騒動の際、一部マスコミで取り上げていた北アイルランド独立・アイルランド統合的なトピックはほとんど妄想に等しい戯言的発想という気がしてきました。 やはり色んな見方を謙虚に、貪欲に学び、世を注意深く眺めないといけないと改めて思う今日この頃。

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2016/11/05

【内容】 アイルランド、アラン島、妖精。 著者によるならば、その地を踏まずともイェイツやベケットをはじめとした代表的作家の著書を読めば充分かもしれないほどの「表現の国」。 【類別】 随筆、紀行。 【着目】 上巻とは異なり、いよいよ本編ですといった趣でアイルランドが語られます。...

【内容】 アイルランド、アラン島、妖精。 著者によるならば、その地を踏まずともイェイツやベケットをはじめとした代表的作家の著書を読めば充分かもしれないほどの「表現の国」。 【類別】 随筆、紀行。 【着目】 上巻とは異なり、いよいよ本編ですといった趣でアイルランドが語られます。しかしながらやはり、紀行よりも随筆に重きが置かれています。 音楽に関しても少し触れられています。 【構成等】 上巻と同様ですが英国や米国は比較的触れられません。 【備考】 以前に希望聴取され贈られていたものを繙読しました。 本書は下巻に当たります。上巻のレビューは下記URLにて。 http://booklog.jp/users/70x20/archives/1/4022640014

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2013/03/07

アイルランド終巻。長く英国に搾取され続けてきたケルト人国家。近代貨幣経済に適応できず、独立を勝ち得てからも経済は停滞した。著者はその国民性を「可憐さと悲痛さ」と評する。ただし本書は30年近く前に書かれたもので、現在は著しい経済発展を見せている。

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2013/01/05

アイルランド。。 一時期私は全身全霊をかけるほどのマニアだった。そんな私がこの紀行を読まないなどと言うことはあり得ない! ・・と口を大にして言いたいほどの名著だと思う。 氏はどうして愛蘭土の悲しみを理解したのか?司馬氏の原点に通じる何かが、そこにある。

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2012/11/05

続編。前編にくらべ、アイルランド中心の記述になっている。文学、芸術を中心にゆかりの地を訪れる。アイルランドの魅力は伝わるが、同じような記述が多く、飽きてくる。わざわざ二分冊にしなければならないようなものでもなさそう。現地案内人の態度が気に入らなかったらしいが、そんなことを書いても...

続編。前編にくらべ、アイルランド中心の記述になっている。文学、芸術を中心にゆかりの地を訪れる。アイルランドの魅力は伝わるが、同じような記述が多く、飽きてくる。わざわざ二分冊にしなければならないようなものでもなさそう。現地案内人の態度が気に入らなかったらしいが、そんなことを書いてもらってもあまり読む気がしなくなるだけだと思う。

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2012/10/18

過酷な自然条件、過酷な歴史的事実を踏まえ、司馬遼太郎がアイルランドと云う国を温かく紹介している。 ぜひとも言ってみたくなりました(笑)。

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2011/02/18

【20/150】アイルランドにいつかウィスキーを飲み歩きたいなと思っていたが、それだけではダメだ。もっとイェイツ、ジェームス・ジョイス、バーナード・ショー、オスカー・ワイルド、あげたらきりがない文学を読まないといけん。あとイギリスとの関係もね。ということを学んだ1冊だった。なんか...

【20/150】アイルランドにいつかウィスキーを飲み歩きたいなと思っていたが、それだけではダメだ。もっとイェイツ、ジェームス・ジョイス、バーナード・ショー、オスカー・ワイルド、あげたらきりがない文学を読まないといけん。あとイギリスとの関係もね。ということを学んだ1冊だった。なんかとっても読むの時間がかかったわ。

Posted byブクログ