台湾 の商品レビュー
旅行に行く前に読もうと思ったが、帰ってきてから読んだ 台湾の400年の歴史を俯瞰する本 いろいろな侵略者に蹂躙され、その度に粘り強く抵抗し続けてきた台湾の人たちを知ることができた なぜ日本が植民地として支配していたのに親日なのかという疑問。朝鮮戦争が台湾に大きく影響していたこと...
旅行に行く前に読もうと思ったが、帰ってきてから読んだ 台湾の400年の歴史を俯瞰する本 いろいろな侵略者に蹂躙され、その度に粘り強く抵抗し続けてきた台湾の人たちを知ることができた なぜ日本が植民地として支配していたのに親日なのかという疑問。朝鮮戦争が台湾に大きく影響していたこと。近くの国だからこそ、理解しやすいのと同時にその歴史を知らなかったことに驚いた
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オランダ支配に始まる島外勢力による支配の歴史と、その中でも台湾人意識が連綿と育まれたこと、そして、李登輝政権のもとで台湾が台湾人の元に戻ろうとするまでを概説。 さまざまな外部勢力の支配を受けながらも台湾人のアイデンティティを育ててきた歴史をみると、中国による統一というのは相当難し...
オランダ支配に始まる島外勢力による支配の歴史と、その中でも台湾人意識が連綿と育まれたこと、そして、李登輝政権のもとで台湾が台湾人の元に戻ろうとするまでを概説。 さまざまな外部勢力の支配を受けながらも台湾人のアイデンティティを育ててきた歴史をみると、中国による統一というのは相当難しいだろうな、と思った。また、明治?時代から日本にとっての地政学的重要性の見方は変わっていないことに驚いた。支配ではなく価値観による連帯で安全保障を確保しようとしているのが、当時との違いというところだろうか。
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台湾の歴史が、オランダの占拠によって歴史の表舞台に立ってから現代に至るまで、わかりやすく記載されている。数百年でこんなにも支配者がコロコロ変わっているとは知らなかった。台湾に対するイメージが変わった。 少し古い本で、1990年代までの事柄しか記載されていないので注意。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
オランダはスペインやポルトガルを追いかけるように、16世紀末にインドネシアのバタビアに東インド会社を設立。中国や日本と貿易するための中継基地を求め、澎湖諸島に目をつけた。明王朝は台湾こそ領土外のものと思っていたが、澎湖諸島の占領は許せなかった。そこで澎湖諸島からオランダを追い出す代わりに、台湾占領を認めた。これが1624年のことである。 全ての土地は東インド会社の所有で、先住民や移住民から重い税金を取ったから、明滅亡で台湾にやってきた鄭成功を彼らは歓迎した。しかしながら、時代が経つにつれて漢族移民が増え、先住民やもとからの移住民は脇に追いやられてしまった。また、鄭氏政権は一族の内紛で自ら弱体化していった。 鄭氏政権を滅ぼした清は、日本による台湾出兵が1874年起こるまで200年以上にわたって、消極的に台湾を占領した。台湾が反政府勢力の拠点となることを防げればよかったのである。 第二次アヘン戦争(1856年)の処理として天津条約が結ばれると、台湾は淡水・基隆・安平・高雄の4港を開港。世界市場に組み込まれていく。 日清戦争で台湾は日本の植民地となる。1919年までの前期武官総督時代・36年までの文官総督時代には、台湾から原料を日本に送り、商品化したものを台湾で売るというセオリー通りの植民地経営がされていた。36年からの後期文官総督時代には、南進に備えて重工業が飛躍的に発達。これが台湾植民地経営の特異な点である。 終戦後、台湾は中国の国民党の支配下に入る。1947年の二・二八事件は、今日の台湾人と外省人の対立のもととなっている。官憲が市民に対して暴力を振るい、群衆はデモを行ったが、国民党政権はこれを弾圧。 当時の国民党政権は党が国家よりも上、したがって軍も国家の軍ではなく党の軍であり、一党独裁体制であった。1988年に総督となった李登輝は初の台湾人総統であり、民主化改革に努める。2000年には民進党の陳水扁が総統になるなど、民主化の動きは進んでいる。
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台湾旅行の事前学習として購読。 オランダ、スペイン、明、清、日本、中国国民党。次々と新たな国がやってきて、ここは我が領土という。 そもそもそこに住んでいたという「先住民」はどこからきたのか。 まさか台湾の土から生えてきたわけでもあるまい。 どこからか来た、のではなかろうか。 国...
台湾旅行の事前学習として購読。 オランダ、スペイン、明、清、日本、中国国民党。次々と新たな国がやってきて、ここは我が領土という。 そもそもそこに住んでいたという「先住民」はどこからきたのか。 まさか台湾の土から生えてきたわけでもあるまい。 どこからか来た、のではなかろうか。 国、という概念を背負っていたか否かはよく分からないが。 発見だ平定だ侵略だ割譲だ光復だと、その時々の流行、声の大きな、力の強いものの価値観で様々なことは様々に評される。 しかし、本当に起こったことは、その時々のそこにいた、そこに集ったものたちの勢力争いに過ぎないのでは。 早くからいれば、その場所の正統な持ち主や支配者というのも、それはそれで分かったような分からないような話だし。 「中国の政治文化には『投票箱から政権が生まれる』という発想はない。毛沢東がいったように『鉄砲のもとで政権が生まれる』のが、中国政治の真髄である」(p177) 中国国民党による酷い虐殺などが、あるいは、比較論として、今の台湾の親日的な感情に繋がっているのだろうか。 筆者も書いているが、後に来た中国国民党が酷かったからといって、前の大日本帝国が慈善事業的に台湾、その住民に接したというように理解することは誤っていると思う。 あくまで、その時々の状況に流されて、結果してよきことも、残虐なことも、起こってきたと解するのが適当と思う。 そう解釈をしたとき、その流れの中で、殺され犯され虐げられた人々、係累はどうその理不尽を消化すべきなのだろうか。 程度は違えど、世の流れに巻き込まれ、渦の中で、浮かぶ泡沫沈む泡沫四散する泡沫は存在し、今でも同じような理不尽は世界に満ち満ちている。いや、全てはそのように動いているといっていいだろう。 そう思えば、私の今の生活は、あまりに満ち足りていると、身の幸運に感謝の気持ちを持つ他ないのかもしれない。 しかし、いずれ同じ動きの中で、死すべき存在だとすれば、その状況、捧げた感謝とて泡沫そのものであるようにも思える。 ところで。 本の感想から離れるが、今回の台湾旅行で、バスに乗る際、乗り方が分からず困惑していたところ、親切に案内し、最後はバス代までくれようとしたおばあさん。 当方も英語が流暢ではないが、おばあさんも流暢ではなく、互いにカタコトで意思疎通しつつ、おばあさんは、どうやら自分の目的地ではないところで降車までして、一旦バス代まで払ってくださった。 なにやら、日本人に親切にしたい、というような意味のことをおっしゃっていらして、相当台湾には親日の方がいらっしゃるように感じた。 「日本人」云々は置くとしても、親切を直接お返しできない方から親切を受け取ってしまったことから、どこかでどなたかにお返ししなくちゃな、と色黒で歯の抜けた、しわくちゃの笑顔のおばあさんの顔を思い出して思う昨今である。 より一層関係のない話をすると、以前一度訪れた際は、女子高校生に二度ほど、道で現地の言葉で話しかけられたり、店員に間違われたりしたし、自分は、彼の国では、割とポピュラーな容姿なのかもしれない。今回もいろいろ親切にしてもらえたり、若々しく見えると複数回言われていたようでもある。 もしかしたら、どこかでルーツが繋がっているのかもしれない。 国だのなんだの、よくよく考えると、確かにあるようでいて、実は不確かな境界線だなとつくづく思う。
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ウクライナ侵攻で台湾を知る目的で読む。 本当に何も知らなかったことを、メタ認知できた。 ・多くの部族が居住していたので国民国家ができず、中国・日本等に蹂躙されたこと ・蒋介石の国民党が中国共産党と本質的に同じで、人民の事なんて何にも考えていないこと ・日本は台湾のインフラ・ファ...
ウクライナ侵攻で台湾を知る目的で読む。 本当に何も知らなかったことを、メタ認知できた。 ・多くの部族が居住していたので国民国家ができず、中国・日本等に蹂躙されたこと ・蒋介石の国民党が中国共産党と本質的に同じで、人民の事なんて何にも考えていないこと ・日本は台湾のインフラ・ファンダメンタルズの整備に貢献はしたが、多くの人民を粛清したこと ・近年の政治・外交・民主化に大きな動きがあったこと (報道に接していたはずなのにまったく理解していなかった!) いや本当に勉強になった。今だからこそ、読んでおいた方がいいと思うよ。 1993年までの状況なので、それ以降の動きも含めて他の本を探してみようと思う。
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野嶋剛の「台湾とは何か」から始まり、司馬遼太郎の「街道を行く台湾紀行」を経て、この本にたどり着いた。 フォルモサと呼ばれ、オランダやスペインが植民地とした1600年代から李登輝総統が誕生し、台湾を再生する1990年代中盤までの台湾について詳しく書かれている。 特に、日本統治時代か...
野嶋剛の「台湾とは何か」から始まり、司馬遼太郎の「街道を行く台湾紀行」を経て、この本にたどり着いた。 フォルモサと呼ばれ、オランダやスペインが植民地とした1600年代から李登輝総統が誕生し、台湾を再生する1990年代中盤までの台湾について詳しく書かれている。 特に、日本統治時代から、日本が第2次世界大戦に負けて引き上げ、その後中国が統治するようになった頃のことが詳しく書かれている。 前の2冊を読んでいたので、この本の内容がよく理解できたように思う。 李登輝さんが残した功績はとても大きかったということもよくわかった。 3冊の本を読んで、これまで全く知らなかった台湾のことを少し理解できたと思う。
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中国が力をつけている中で、台湾は世界の中で非常に重要な立ち位置を占めています。そこで、台湾について知りたいと思い購入しました。 実は中学生から歴史が苦手で、こういう本を手に取ることも少なかったですが、現在を見るためには歴史を紐解かなければ語れない、よく言われるとおりだと思いはじ...
中国が力をつけている中で、台湾は世界の中で非常に重要な立ち位置を占めています。そこで、台湾について知りたいと思い購入しました。 実は中学生から歴史が苦手で、こういう本を手に取ることも少なかったですが、現在を見るためには歴史を紐解かなければ語れない、よく言われるとおりだと思いはじめています。 台湾の旧宗主国は日本と中国だけかと思っていたのですが、オランダ、フランスなどの諸外国もこぞって侵攻していたとは知りませんでした。日帝時代の台湾統治は、(結果的に)良い面も悪い面もある。江崎道朗氏がよく言っているように、国も一枚岩ではないのだから、それぞれで見る必要がある、ということが日本にも当てはまる例かと思います。著者は台湾に生まれ、日本の大学で教鞭を執っているという経歴で、両面の立場から史実をそのまま捉えてわたしたちに伝えてくれるようです。凄惨な侵攻の歴史を踏まえつつも日本はこれからも台湾の良き友であらなければならないな、と思いました。
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こういう新書をはじめて読んだかも。いや〜人生なにが起こるかわかんないですね、私も日々変化していくもんだ…(急にしみじみ) 今は台湾人のお友だちがいて、その方とお話ししているなかで、私は台湾旅行にいったことがあるけれど、台湾の歴史や政治について本当になんにも知らないということに気づ...
こういう新書をはじめて読んだかも。いや〜人生なにが起こるかわかんないですね、私も日々変化していくもんだ…(急にしみじみ) 今は台湾人のお友だちがいて、その方とお話ししているなかで、私は台湾旅行にいったことがあるけれど、台湾の歴史や政治について本当になんにも知らないということに気づいて恥ずかしくなって勉強しようと決意した。 私はよく韓国や中国に旅行したりお友だちができたりするけど、彼らはよく日本の歴史や政治や経済に詳しくて、日本人の私の方が知らないことも多く恥じ入るばかりである。なぜ23年も生きて教育も受けてきたのにこんなにも自分は何も知らないでいるのか…?生きていく上で切り離せないことがらであると思う。 台湾についてはぼんやりと日本が占領した時期もあるのに親日国家であることと国民党が逃げ込んだ土地であることしか知らなかった。これを読んでなぜ台湾の方々が日本をすいてくれているのか少しわかった気がする。(そして中国の人々をきらっている理由も)。日本人特有のルールにきっちり従う国民性(?)的なものが、帝国主義の中でも発揮されて評価されてるの面白かった。たしかにルールを守ることは、守らないことより大切なのかもしれない。 しかしこれが20年くらい前の出版なので、その後の現代の動きがわからなかったのでそこらへんまた勉強したいと思う。 台湾の友だちは当たり前のように選挙に参加し、政治の話をしてくれる。日本ではあまりこのような人に会うことが多くないのですごく彼らが成熟して見える…。 もしかして台湾の今の政治家にちゃんと実力がある人が多いのは過去の日本の教育の影響もある…?台湾の友だちは「日本は技術力100としても60しか持ってないと言う」と言ってて、日本人には自信が足りないのかと思ってる。台湾の方は日本人的な細やかな勉強、研究と、華人的な自信を持って国を変えようと努力してるのかもしれんな…。一冊本読んだだけでえらそうに語るのはよくないのでもっと精進します。というか、歴史書もっと読みたくなった〜世界史大好きマンだったことを思い出したピヨ。高校のときの世界史の先生にすごく会いたい。
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台湾出張をきっかけに購入。台湾の歴史を概観できる。日本は2000年以上の歴史があるだけ凄いことが分かる。
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