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台湾 の商品レビュー

4.2

28件のお客様レビュー

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2025/12/19

伊藤潔「台湾 四百年の歴史と展望」(中公新書) 1993年に出版された本なので、最近の台湾については別の資料で補う必要があるが、大航海時代の島の発見から李登輝による台湾の民主化までの歴史がしっかりと書かれている。 マレー・ポリネシア系の先住民が多くの部族に分かれて住む台湾にポルト...

伊藤潔「台湾 四百年の歴史と展望」(中公新書) 1993年に出版された本なので、最近の台湾については別の資料で補う必要があるが、大航海時代の島の発見から李登輝による台湾の民主化までの歴史がしっかりと書かれている。 マレー・ポリネシア系の先住民が多くの部族に分かれて住む台湾にポルトガル、スペイン、オランダの勢力が現れ、中国人や日本人からなる倭寇勢力もやってくる。 ①オランダが台湾南部に植民地を作る ②中国の明が滅亡、倭寇の鄭成功が明の王室を担いで台湾に政権を作る ③鄭成功の死後、政権が分裂、清国が台湾を領有する。ただし消極的支配に終始する。倭寇の再来を懸念して中国から台湾への移住も制限されたが、次第に緩み福建省からの移住が進み、また先住民のうち平地に住む部族との融合も進んだ。 ④日清戦争で台湾が日本に割譲される。現地では台湾民主国などが設立されたりもしたが日本軍の占領が進む。山岳部の先住民の抵抗は激しく、その討伐の過程で虐殺事件も発生した。 ⑤日本による植民地支配は当初は軍人総督による武断政治だったが、児玉総督の下での後藤長官による民政を経て文官総督制に変わる。総督独裁による植民地統治には違いないがインフラの整備や米や砂糖等の農産・産業化も進んだ。 ⑥日本が戦時体制に入るなか、台湾でも皇民化運動が起きた。 ⑦日本の敗戦で中華民国と国民党軍が進駐した。経済が破綻し、台湾住民と国民党軍が衝突。多くの台湾住民、特に知識人層が親日分子として虐殺された(2.28事件) ⑧中国本土で毛沢東の共産党が勝利、蒋介石と国民政府が台湾に移転。 ⑨国民政府は大陸反攻をうたい、戒厳令下で一党独裁を続ける。反対する者は厳しく処罰された。その中から台湾独立をうたうものも出てきた。 ⑩米国の支援のもと土地改革を実施、開発独裁体制のもとで急速な経済成長が起きる。 (11) 70年代に入ると、米国をはじめ多くの国が中華人民共和国と国交を結び中華民国は孤立化。米国は台湾関係法で台湾の支援を続けるが、民主化や政治犯の釈放を強く迫る。 (12) 蒋介石を継いだ蒋経国は副総統に台湾出身の李登輝を選ぶ。当初はお飾りと思われたが蒋経国の死を機に実権を握り民主化を進めている。 本書で書かれているのはここまでである。

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2025/10/24

台湾について、先史から現代まで一貫して学べられる。新書なので各時代の深掘りと言うわけではないが、ざっくり台湾とは何かと把握できる。 日本の統治や中国の関係が、今の台湾を認識する上で重要。しかし、日本や中国、ヨーロッパの統治前の台湾の姿を捉えると、中国との違いをしっかり認識できると...

台湾について、先史から現代まで一貫して学べられる。新書なので各時代の深掘りと言うわけではないが、ざっくり台湾とは何かと把握できる。 日本の統治や中国の関係が、今の台湾を認識する上で重要。しかし、日本や中国、ヨーロッパの統治前の台湾の姿を捉えると、中国との違いをしっかり認識できると感じる。

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2025/08/19

歴史を概観する上でよかった。93年以降は別途調べる必要があるが、それまでの流れがわかってるので理解しやすい

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2025/06/28

台湾の現代文学を読むのに台湾について勉強しようと思って読んだ本の三冊目。歴史総合パートナーズ、光文社新書と読んできたので、一気に細かい情報が増えて、率直に言って一周しただけではよく分からなかった。こうやって読んでみると、曲がりなりにも日本の歴史は小学校から高校まで勉強し、生活の中...

台湾の現代文学を読むのに台湾について勉強しようと思って読んだ本の三冊目。歴史総合パートナーズ、光文社新書と読んできたので、一気に細かい情報が増えて、率直に言って一周しただけではよく分からなかった。こうやって読んでみると、曲がりなりにも日本の歴史は小学校から高校まで勉強し、生活の中で触れることもあるから分かることが多いという事実に今更ながら気がつく。本当に知らない固有名詞がたくさん出てくると、本当に文の意味が分からなくなるという経験を久しぶりにした。 (もしかしたら今までの本にも書いてあったのかもしれないけど、)情報的に完全に新しかったため記憶に残ったのは、第四章「台湾民主国」の話。1995年5月25日の建国から、わずか148日間という本当に短い期間だったものの、台湾に独立国家だった時代があったという話が新鮮だった。 すでに勉強してきた中でも、どこか台湾というのは、他国による支配の歴史から、90年代以降の民主化へというイメージが大きかった。実際、この本も基本線はそうなのだが、ごく短い間でも、日清講和条約で清から日本への台湾割譲の中の抵抗として、独立しようとしたこの期間が台湾人という意識を生んだと書いてある。いわゆる「台湾アイデンティティ」は、どのようにして生まれたか、の話になると思うが、このあたり、前に読んだ本でももう一度確認をしようと思った。 もう一つ気になったのは、蒋経国の書かれ方だった。蒋経国の評価自体が悪く評価されているわけではないのだが、蒋介石との父子政権として書かれているのが先に読んだ二冊と比べて新鮮だった。 先の二冊だと、あくまで大陸での中華民国復活を目指す父蒋介石と、現実的に中華人民共和国を妥当して中華民国を復活するのは無理だろうと考えていた息子蒋経国の間に、世代感覚の差があるように書かれていた。そのため、「一つの中国」を目指さなかった蒋経国が、台湾民主化への地盤を作ったという評価されていたように思う。 一方で、この本だと蒋介石と蒋経国は、父子二代で国民党政権の中央集権化を進めた人物としてセットで扱われているような印象がある。その分、台湾民主化へ向け先鞭をつけた李登輝の功績が、より詳しく大きく評価されていたように感じた。 そもそもこの本が書かれたのが、リアルタイムで李登輝が総統をやっていた時期で、現在進行形で進む改革の進行が、すごく当時の空気感を伴って書かれている。このあたり、のちの評価と比べると色々と面白い。 ただ、著者の本意ではないかもしれないが、何よりも印象的だったのは、あとがきである。 日本統治下の台湾に生まれ、国民党政権の統治下で一六年にわたり教育を受けた私は、日本に留学するまでついに台湾の歴史を学ぶことはなかった。国民党政権が「台湾人が台湾の歴史を知ることを歓ばなかった」からである。台湾人に台湾の歴史を学ぶことが許されたのは、民主化が進展するなかの最近のことである。(p235) 民主化が進捗するにつれて、今後は国民党政権下でも台湾史の自由な研究が期待できるであろう。私としてはこの日本で、政治的になんらの制約も受けずに、自由な立場で小著を刊行できる幸福を味わっている。新書ゆえに概説とならざるを得ないが、一日か二日で台湾の過去と現在をほぼ掌握できるのも、新書ならではである。(p236) 著者の伊藤潔さんは、本論の中でも「日本の台湾における植民地支配を美化する意図は毛頭ない(p237)」と繰り返す一方で、「植民地下の近代化」という側面も、歴史的事実としてきちんと指摘することを繰り返す。 『台湾の本音』で、台湾におけるいわゆる親日感情が、世代によって異なり、特に上の世代の親日感情は複雑だという話が出てくるが、まさに、この本の著者はその世代である。上の引用と合わせて読むと、その複雑な親日感情というのを肌実感として言葉にされているような気がする。 この中公新書の初版は、1993年8月25日で、今まで読んできた本では、蒋経国から李登輝へ総統が変わっていく中で、急速な民主化が進んだ時期として、比較的よい評価が与えられていた時期である。しかし、リアルタイムでその様を見ていた著者としては、特に蒋経国に対する評価は、民主化の地盤を作った総統という評価をされる現在よりも、やや厳しい視線を向けているようにも見える。 今更感満載で、月並みな感想だけれども、2020年以降に書かれた本を二冊読んでから読んだことで、歴史の記述自体が、一つの歴史であることをものすごく感じた読書だった。

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2024/08/28

旅行に行く前に読もうと思ったが、帰ってきてから読んだ 台湾の400年の歴史を俯瞰する本 いろいろな侵略者に蹂躙され、その度に粘り強く抵抗し続けてきた台湾の人たちを知ることができた なぜ日本が植民地として支配していたのに親日なのかという疑問。朝鮮戦争が台湾に大きく影響していたこと...

旅行に行く前に読もうと思ったが、帰ってきてから読んだ 台湾の400年の歴史を俯瞰する本 いろいろな侵略者に蹂躙され、その度に粘り強く抵抗し続けてきた台湾の人たちを知ることができた なぜ日本が植民地として支配していたのに親日なのかという疑問。朝鮮戦争が台湾に大きく影響していたこと。近くの国だからこそ、理解しやすいのと同時にその歴史を知らなかったことに驚いた

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2024/06/11

オランダ支配に始まる島外勢力による支配の歴史と、その中でも台湾人意識が連綿と育まれたこと、そして、李登輝政権のもとで台湾が台湾人の元に戻ろうとするまでを概説。 さまざまな外部勢力の支配を受けながらも台湾人のアイデンティティを育ててきた歴史をみると、中国による統一というのは相当難し...

オランダ支配に始まる島外勢力による支配の歴史と、その中でも台湾人意識が連綿と育まれたこと、そして、李登輝政権のもとで台湾が台湾人の元に戻ろうとするまでを概説。 さまざまな外部勢力の支配を受けながらも台湾人のアイデンティティを育ててきた歴史をみると、中国による統一というのは相当難しいだろうな、と思った。また、明治?時代から日本にとっての地政学的重要性の見方は変わっていないことに驚いた。支配ではなく価値観による連帯で安全保障を確保しようとしているのが、当時との違いというところだろうか。

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2024/03/13

台湾の歴史が、オランダの占拠によって歴史の表舞台に立ってから現代に至るまで、わかりやすく記載されている。数百年でこんなにも支配者がコロコロ変わっているとは知らなかった。台湾に対するイメージが変わった。 少し古い本で、1990年代までの事柄しか記載されていないので注意。

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2023/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オランダはスペインやポルトガルを追いかけるように、16世紀末にインドネシアのバタビアに東インド会社を設立。中国や日本と貿易するための中継基地を求め、澎湖諸島に目をつけた。明王朝は台湾こそ領土外のものと思っていたが、澎湖諸島の占領は許せなかった。そこで澎湖諸島からオランダを追い出す代わりに、台湾占領を認めた。これが1624年のことである。 全ての土地は東インド会社の所有で、先住民や移住民から重い税金を取ったから、明滅亡で台湾にやってきた鄭成功を彼らは歓迎した。しかしながら、時代が経つにつれて漢族移民が増え、先住民やもとからの移住民は脇に追いやられてしまった。また、鄭氏政権は一族の内紛で自ら弱体化していった。 鄭氏政権を滅ぼした清は、日本による台湾出兵が1874年起こるまで200年以上にわたって、消極的に台湾を占領した。台湾が反政府勢力の拠点となることを防げればよかったのである。 第二次アヘン戦争(1856年)の処理として天津条約が結ばれると、台湾は淡水・基隆・安平・高雄の4港を開港。世界市場に組み込まれていく。 日清戦争で台湾は日本の植民地となる。1919年までの前期武官総督時代・36年までの文官総督時代には、台湾から原料を日本に送り、商品化したものを台湾で売るというセオリー通りの植民地経営がされていた。36年からの後期文官総督時代には、南進に備えて重工業が飛躍的に発達。これが台湾植民地経営の特異な点である。 終戦後、台湾は中国の国民党の支配下に入る。1947年の二・二八事件は、今日の台湾人と外省人の対立のもととなっている。官憲が市民に対して暴力を振るい、群衆はデモを行ったが、国民党政権はこれを弾圧。 当時の国民党政権は党が国家よりも上、したがって軍も国家の軍ではなく党の軍であり、一党独裁体制であった。1988年に総督となった李登輝は初の台湾人総統であり、民主化改革に努める。2000年には民進党の陳水扁が総統になるなど、民主化の動きは進んでいる。

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2023/09/21

台湾旅行の事前学習として購読。 オランダ、スペイン、明、清、日本、中国国民党。次々と新たな国がやってきて、ここは我が領土という。 そもそもそこに住んでいたという「先住民」はどこからきたのか。 まさか台湾の土から生えてきたわけでもあるまい。 どこからか来た、のではなかろうか。 国...

台湾旅行の事前学習として購読。 オランダ、スペイン、明、清、日本、中国国民党。次々と新たな国がやってきて、ここは我が領土という。 そもそもそこに住んでいたという「先住民」はどこからきたのか。 まさか台湾の土から生えてきたわけでもあるまい。 どこからか来た、のではなかろうか。 国、という概念を背負っていたか否かはよく分からないが。 発見だ平定だ侵略だ割譲だ光復だと、その時々の流行、声の大きな、力の強いものの価値観で様々なことは様々に評される。 しかし、本当に起こったことは、その時々のそこにいた、そこに集ったものたちの勢力争いに過ぎないのでは。 早くからいれば、その場所の正統な持ち主や支配者というのも、それはそれで分かったような分からないような話だし。 「中国の政治文化には『投票箱から政権が生まれる』という発想はない。毛沢東がいったように『鉄砲のもとで政権が生まれる』のが、中国政治の真髄である」(p177) 中国国民党による酷い虐殺などが、あるいは、比較論として、今の台湾の親日的な感情に繋がっているのだろうか。 筆者も書いているが、後に来た中国国民党が酷かったからといって、前の大日本帝国が慈善事業的に台湾、その住民に接したというように理解することは誤っていると思う。 あくまで、その時々の状況に流されて、結果してよきことも、残虐なことも、起こってきたと解するのが適当と思う。 そう解釈をしたとき、その流れの中で、殺され犯され虐げられた人々、係累はどうその理不尽を消化すべきなのだろうか。 程度は違えど、世の流れに巻き込まれ、渦の中で、浮かぶ泡沫沈む泡沫四散する泡沫は存在し、今でも同じような理不尽は世界に満ち満ちている。いや、全てはそのように動いているといっていいだろう。 そう思えば、私の今の生活は、あまりに満ち足りていると、身の幸運に感謝の気持ちを持つ他ないのかもしれない。 しかし、いずれ同じ動きの中で、死すべき存在だとすれば、その状況、捧げた感謝とて泡沫そのものであるようにも思える。 ところで。 本の感想から離れるが、今回の台湾旅行で、バスに乗る際、乗り方が分からず困惑していたところ、親切に案内し、最後はバス代までくれようとしたおばあさん。 当方も英語が流暢ではないが、おばあさんも流暢ではなく、互いにカタコトで意思疎通しつつ、おばあさんは、どうやら自分の目的地ではないところで降車までして、一旦バス代まで払ってくださった。 なにやら、日本人に親切にしたい、というような意味のことをおっしゃっていらして、相当台湾には親日の方がいらっしゃるように感じた。 「日本人」云々は置くとしても、親切を直接お返しできない方から親切を受け取ってしまったことから、どこかでどなたかにお返ししなくちゃな、と色黒で歯の抜けた、しわくちゃの笑顔のおばあさんの顔を思い出して思う昨今である。 より一層関係のない話をすると、以前一度訪れた際は、女子高校生に二度ほど、道で現地の言葉で話しかけられたり、店員に間違われたりしたし、自分は、彼の国では、割とポピュラーな容姿なのかもしれない。今回もいろいろ親切にしてもらえたり、若々しく見えると複数回言われていたようでもある。 もしかしたら、どこかでルーツが繋がっているのかもしれない。 国だのなんだの、よくよく考えると、確かにあるようでいて、実は不確かな境界線だなとつくづく思う。

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2022/09/09

ウクライナ侵攻で台湾を知る目的で読む。 本当に何も知らなかったことを、メタ認知できた。 ・多くの部族が居住していたので国民国家ができず、中国・日本等に蹂躙されたこと ・蒋介石の国民党が中国共産党と本質的に同じで、人民の事なんて何にも考えていないこと ・日本は台湾のインフラ・ファ...

ウクライナ侵攻で台湾を知る目的で読む。 本当に何も知らなかったことを、メタ認知できた。 ・多くの部族が居住していたので国民国家ができず、中国・日本等に蹂躙されたこと ・蒋介石の国民党が中国共産党と本質的に同じで、人民の事なんて何にも考えていないこと ・日本は台湾のインフラ・ファンダメンタルズの整備に貢献はしたが、多くの人民を粛清したこと ・近年の政治・外交・民主化に大きな動きがあったこと (報道に接していたはずなのにまったく理解していなかった!) いや本当に勉強になった。今だからこそ、読んでおいた方がいいと思うよ。 1993年までの状況なので、それ以降の動きも含めて他の本を探してみようと思う。

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