ヨーロッパ「近代」の終焉 の商品レビュー
合理主義は一見すると良いように聞こえるかもしれないが、その内容は理性を絶対視し、それ以外の「無駄」なものを排除するといったものである。 近代ヨーロッパは合理主義を異常な程に重用したため、理性が狂気に変わっていってしまったのだ。
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ヨーロッパに起こった「近代」という時代の性格を、歴史像、社会像、人間像、世界像という四つの側面に分けて、包括的に論じている本です。 「近代」という時代は、なによりも暗黒の「中世」からの解放の時代と考えられてきました。そこには、近代は中世より優れた時代であり、人類がより進歩したと...
ヨーロッパに起こった「近代」という時代の性格を、歴史像、社会像、人間像、世界像という四つの側面に分けて、包括的に論じている本です。 「近代」という時代は、なによりも暗黒の「中世」からの解放の時代と考えられてきました。そこには、近代は中世より優れた時代であり、人類がより進歩したという価値観が含まれています。そうした価値観のなかには、「近代」という時代に特有の、歴史や社会、さらに人間と世界についての見方が含まれています。たとえば、近代的市民や近代的合理性といったものがそれにあたります。本書では、そうした近代特有の価値観の形成過程を紹介し、さらにそれらがもつかたよりについて考察をおこなっています。 ところで、"Children should be seen, but not heard."という英語のことわざについて、本書では「子供は見るものであって、その言葉に耳をかすものではない」(135頁)と書かれていますが、これは「子どもは人前で話してはならず、おとなしくしているべきだ」というのが正しい意味だったように思うのですが、どうなのでしょうか。
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「近代」とはなにか?という定義づけから始まり、その終焉という「限界」について歴史の事実から紐解く内容。 ヨーロッパを西欧と定義づけて進める記載もある点から、ありがちなステレオタイプな内容ではなく、しっかりした内容で安心して読み進めることができた。 1992年という東欧の社会主...
「近代」とはなにか?という定義づけから始まり、その終焉という「限界」について歴史の事実から紐解く内容。 ヨーロッパを西欧と定義づけて進める記載もある点から、ありがちなステレオタイプな内容ではなく、しっかりした内容で安心して読み進めることができた。 1992年という東欧の社会主義国の敗北が明らかになって行き、かつ西欧の限界も見えてきた中で書かれた本で、「当時なにが見えてきていたのか」といった感じか。 イギリスと大陸諸国との関係、移民問題から旧植民地との関係や白人優位主義まで、かなり盛り沢山な問題を取り上げているので、俯瞰するにはよい一冊だった。
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やや物足りない。ヨーロッパ近代史の成り立ちと諸外国に与えたその影響を、背景の説明を中心になぞった様な本。 最も印象に残ったくだりを記載する。 「…本来自由であるはずの自己を拘束している正常者のほうが、むしろ異常なのではないかということになってくる。かえって、自己の自由に忠実で、...
やや物足りない。ヨーロッパ近代史の成り立ちと諸外国に与えたその影響を、背景の説明を中心になぞった様な本。 最も印象に残ったくだりを記載する。 「…本来自由であるはずの自己を拘束している正常者のほうが、むしろ異常なのではないかということになってくる。かえって、自己の自由に忠実で、約束事から解放されている異常者とされている人間のほうが、人間の本来の姿を現しているのでないかとも考えられる。正常と異常という区分けが役に立たなくなるのだ。 〜中略〜 異常者と考えられていた人々の無拘束な精神状態の中にかえって自然な精神の状態を見るという逆説」 納得!
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学問、研究というのは純粋に理論的なものであるから研究者の自由な個性によって無拘束になされるものだと思われがちだが、実はそうではない。とりわけ学問体系が分割、整備され研究機関などの公認組織が制度として確立する近代になってからは、学問、研究が社会的な高速を受けることが多くなった。
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ヨーロッパ近代を歴史、社会、人間、世界と様々な角度から見つめ、いわゆる近代という時代にヨーロッパの与えた影響が多いことがわかる。理論や歴史に触れているのでかなり高度であり本のタイトルである終焉について少し理解しがたかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ヨーロッパにおける「近代」とはどういう時代か、という問いに歴史、社会、人間、世界像という幅広い視点から回答した本。 近代は古代ギリシア、ローマへの回帰、原典(聖書)主義という性格を帯びたルネサンスと宗教改革に端を発し、人々が個別的に神と向き合うこと(近代個人主義)を志向してきた。 その結果生まれたのが、神の下の平等という観念で、これが17~18世紀の市民革命で唱えられた「法の下の平等」へと発展する。著者はこれを、合理主義、理性が中世において絶対視されていた神に取って代わったのだと表現したが、これには納得。 市民革命を経て成立した「国民国家」は、国家を構成する国民が歴史や言語、文化を昔から共有していたという虚構のもとに成り立っていた。国民国家自体も虚構だからこそ裏付けを渇望したのである。 それでも、ヨーロッパで国境線と言語の境界線が一致することが少ないにもかかわらず、国家が存続しているのは、民族としての自覚が多様性を支えているのだと著者は説明する。国境線と言語の境界線がほぼ一致する島国の浅学菲才な国民としては新鮮な内容だった。 ヨーロッパ近代の教養は、現代の人文科学、社会科学を学ぶ上で必要不可欠なのだということを改めて思い知らされた気分である。
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石原千秋氏推薦(『教養としての大学受験国語』)。「近代」をヨーロッパという一地域のローカルな文化として捉えるところから、その光と影の部分がよく見えてくると言う。
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「近代」っていうものについて一から教えてくれる本。じっくり読み込めば相当量の知識が得られると思います、よ、
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近代化について。 最初は中世と近世から説明がされていて、ローマ帝国だとかキリスト教だとか。 後半は近代社会や民主主義などの解説や問題点があって、参考になりました。
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