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贅沢貧乏 の商品レビュー

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39件のお客様レビュー

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2012/11/18

独自の世界観・価値観・美意識を持って時には皮肉まじりに俗世を生きる。気に入ったものだけに囲まれた自分基準の贅沢な暮らしを送った著者は、永遠の少女とでも言えるんじゃないだろうかと思うくらい浮世離れした印象。著者のことを何も知らず、ふと手にとって読み始めたら、独特の語り口に魅了されて...

独自の世界観・価値観・美意識を持って時には皮肉まじりに俗世を生きる。気に入ったものだけに囲まれた自分基準の贅沢な暮らしを送った著者は、永遠の少女とでも言えるんじゃないだろうかと思うくらい浮世離れした印象。著者のことを何も知らず、ふと手にとって読み始めたら、独特の語り口に魅了されて一気に読みきってしまった。気になって関連書籍も読んでみたけれど、この一冊で十分だったかもしれない。

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2012/06/12

ほんと最近、こういうの読めない。これはエッセイだけど、日本人作家の私小説風や、作家の私生活なんてのは本当にこれでもかってくらいどうでもいい。 それでも話に聞いていて、どんなにぶっとんだ私生活なのだろうと少しく興味はあったが、うーん……そうでも。 後から三作、「三つの嗜好品」「...

ほんと最近、こういうの読めない。これはエッセイだけど、日本人作家の私小説風や、作家の私生活なんてのは本当にこれでもかってくらいどうでもいい。 それでも話に聞いていて、どんなにぶっとんだ私生活なのだろうと少しく興味はあったが、うーん……そうでも。 後から三作、「三つの嗜好品」「道徳の栄え」「ほんものの贅沢」といった小品のほうが読みやすくおもしろかったな。

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2012/01/23

文章が豪華で以外にも読みやすかったです。 昔の作家の文章は豪華でいいですね。 室生犀星についての所がとくに良かった。

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2012/01/23

こんな言葉を思いだしました。 『襤褸を纏えど心は錦』 ガラクタを宝石に変えちゃう希有な人

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2011/12/06

この作家の著書には高校の頃から親しんでおり、このエッセイのことも知っていましたが、独特の世界を築き上げた彼女の小説の、現実離れした硬質デカダンなイメージを、作者の現実を知ることで壊したくなかったため、読まないままに今まできました。 主人公である自分を客観的視線から善も悪もなく描...

この作家の著書には高校の頃から親しんでおり、このエッセイのことも知っていましたが、独特の世界を築き上げた彼女の小説の、現実離れした硬質デカダンなイメージを、作者の現実を知ることで壊したくなかったため、読まないままに今まできました。 主人公である自分を客観的視線から善も悪もなく描いており、かなり小説的コーティングがされていると感じつつも、その質素な生活ぶりは凄味を感じるほどに徹底しているため、現実ベースに描いているということがじかに伝わってきます。 年に1冊小説を書き、その原稿料でつましく生きているという、昭和30年代の著者。 森鷗外の娘であり、かなりの耽溺文学の著者であるため、お金持ちの道楽趣味として、てなぐさみに物語を書いているかと思っていましたが、実際には生活のためにイヤイヤ小説を執筆していると知って驚きました。 どんなに困窮していても、生まれついての裕福な生活スタイルを崩しきることはできないようで、貧しい中にも惨めさにどっぷりとつかりきらない、良家の子女の凛とした矜持のようなものが、常に彼女の中に存在しています。 1日300円の食費の中で、100円を舶来のチョコレエトに使っているというところが、やはり見事に現実離れしたお嬢様。 想像と妄想のつたが深く絡まった深い森の中のお城で暮らす永遠の姫だなあと思うことしきりです。 夢見がちの少女が、そのままのピュアな心で、ハードボイルドな現実を生き抜いていく方法が記されているような一冊。 彼女のような夢見ながらも腹を据えた生き方は到底無理ですが、ぼんやりと物思いに耽って過ごすところなど、私もそれなりに彼女に近い面があるため、完全に他人ごとに思えないまま、はらはらしながら読みました。 とても貧しい生活様子を書き連ねてありながら、その徹底ぶりと妄想の素晴らしさ、揺るぎない誇りの高さに、哀れさや嫌悪感は抱きません。 他人の目を気にしない強さと妄想力の完璧さが、彼女の生活と小説を作り上げ、まさに『贅沢貧乏』を生み出しているというわけですね。 『桜の園』を追われた『斜陽』族の彼女が、その妄想力を一本刀として、世間の荒波をやりすごしていく様子に、誰も真似のできない非力の強さを見ることができる、独特の牽引力のあるエッセイとなっています。

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2011/11/28

予備知識なしに読み始めたので、小説なのかエッセイなのか不思議な感じがした。三島由紀夫も登場するし、この人はいったいどういう人なの・・と思っていたら、父親は森鴎外。 そう思って読むと、昭和30年代という時代も随所に感じられて、興味がわいてくる。

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2011/08/16

ふわふわして見えて意外とシビアな、森茉莉のエッセイ。永遠の乙女のような老女の様子が眼前に浮かんでくる。

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2010/07/17

想いは熱く冷静に、あっちへ飛び、こっちへ飛び、句点はくまなく打たれ、笑えるほどのこだわりをもって、ちりばめられているので、あった。 ただのファザコン&オリーブ少女かと思ったら、 やるなおぬし。

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2011/07/28

マリアに憧れるか否か。答えはイエスです。自身の美的感覚で構築された部屋と生活。醸造された子供時代の記憶と父の存在、尊敬する文壇紳士たち、愉快な女友達・・・。とてもとても憧れるけど、彼女を孤高の存在と言ってしまうと失礼だと思う。マリアはきょときょとした滑稽なお婆さんで、抜け作で、子...

マリアに憧れるか否か。答えはイエスです。自身の美的感覚で構築された部屋と生活。醸造された子供時代の記憶と父の存在、尊敬する文壇紳士たち、愉快な女友達・・・。とてもとても憧れるけど、彼女を孤高の存在と言ってしまうと失礼だと思う。マリアはきょときょとした滑稽なお婆さんで、抜け作で、子供時代の豪奢な生活とは真反対の貧乏で、その変化を切り捨てずに自分の一部として常に持ち続け、度々取り出して観察することを厭わない。老いていくこと、生きていく事の哀しい寂しさを燻らせている。自分の感性への自信と社会や自分自身を可笑しみを持って冷静に分析するその絶妙な距離感に、森茉莉の凄さを感じた。マリアに感情移入し、憧れ笑い、しかし森茉莉とマリアのズレにときたま思い出し驚く。前に枯葉の寝床をつまみ食いして挫折したけど、他も是非読みたい。

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2010/01/27

貧乏なのに贅沢とは? 幸田露伴の娘といえば、幸田文。 阿川弘之の娘といえば、阿川佐和子。 森鴎外の娘といえば、森茉莉。 森茉莉といえば、永遠の乙女のアイドル。 お金は天下のまわりものといいます。 贅沢に暮すとはお金があるとかないとか、 そういうことではありません。 では、どう...

貧乏なのに贅沢とは? 幸田露伴の娘といえば、幸田文。 阿川弘之の娘といえば、阿川佐和子。 森鴎外の娘といえば、森茉莉。 森茉莉といえば、永遠の乙女のアイドル。 お金は天下のまわりものといいます。 贅沢に暮すとはお金があるとかないとか、 そういうことではありません。 では、どういうこと? 答えは本のなかにあります。

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