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高瀬舟 の商品レビュー

3.8

44件のお客様レビュー

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2010/09/28

民話・説話風の話が中心にまとめられた短編集。 表題作がやはり秀逸。 助かる見込みがなく、死にたがっていた弟にしかたなく引導を渡した兄。同情を誘うけれどやったことは「人殺し」。 人情vs現実という「罪と罰」とは逆のモラルジレンマですね。

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2010/09/13

本当は青空文庫だけど。 端正な文章。 罪とは、人生とは、考えさせる名作。 なんら答えは示されない、その事自体が深い余韻を残す。 これは殺人なのか… 弟を救っただけなのに。 また、罪人の言葉に耳を傾け、自らの人生を思う同心庄兵衛。 この想像力は素晴らしい。 わかったつもり...

本当は青空文庫だけど。 端正な文章。 罪とは、人生とは、考えさせる名作。 なんら答えは示されない、その事自体が深い余韻を残す。 これは殺人なのか… 弟を救っただけなのに。 また、罪人の言葉に耳を傾け、自らの人生を思う同心庄兵衛。 この想像力は素晴らしい。 わかったつもり 読解力がつかない本当の原因を読んで、引用されていたので再読。 iPhoneで青空文庫で即。 すごい時代になったなあ。

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2010/07/03

ぜんたい世の中の人の、道とか宗教とかいうものに対する態度に三通りある。自分の職業に気を取られて、ただ営々役々と年月を送っている人は、道というものを鑑みない。これは読書人でも同じである。もちろん書を読んで深く考えたら、道に到達せずにはいられまい。しかしそうまで考えないでも、日々の務...

ぜんたい世の中の人の、道とか宗教とかいうものに対する態度に三通りある。自分の職業に気を取られて、ただ営々役々と年月を送っている人は、道というものを鑑みない。これは読書人でも同じである。もちろん書を読んで深く考えたら、道に到達せずにはいられまい。しかしそうまで考えないでも、日々の務だけでは弁じてゆかれよう。これは全く無頓着な人である。 次に着意して道を求める人がある。専念に道を求めて、万事を擲つこともあれば、日々の努は怠らずに絶えず道に志していることもある。

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2010/03/17

「何が正解かよくわからないから、この事実が正解なんだと思い込もう」 っていう事が既にこの本の終わりに書いてあるからそれでいいんだと私も思い込もう。喜助が幸せだと言っているんだし。本当に、幸せの形なんて人それぞれですしね! この時代ゆえの重みがあってこその作品なのに、それが今この...

「何が正解かよくわからないから、この事実が正解なんだと思い込もう」 っていう事が既にこの本の終わりに書いてあるからそれでいいんだと私も思い込もう。喜助が幸せだと言っているんだし。本当に、幸せの形なんて人それぞれですしね! この時代ゆえの重みがあってこその作品なのに、それが今この時代の私にも伝わるなんて鴎外すごいよ、すきよ。 悲しいお話なのかもしれないけど、それ以上に優しくて穏やかでなんだかあんまり読んだ後に落ち込んだりはしなかった。もやもやっとは多少したけど。 最初になんの情報も無く物語が始まって、すっごく不気味な居心地の悪い状態からお話が展開してゆくかんじとかすごく好み。島送りになる舟の中で訥々と話し始めるその雰囲気には、なんとも情緒があります。自分から語りだすんじゃなくて、聞かれてなんでもないことのように告白し始めるって言うのがこの小説のすばらしいところ。

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2010/02/05

現代語で言うと「安楽死」がテーマで、現代にも通じる問題を扱っている。苦しみから解放してあげたいという優しさ故に殺人の罪を犯してしまう、その是非を感情的に描いた名作だ。

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2009/10/26

命について、家族愛について本当に考えさせられる作品。 ある男が島送りにされた。 罪名は「身内殺し」 島に渡る舟で罪人が舟人に話す事件の内容・・・。 何故弟を殺さなければいけなかったのか・・・。 罪人は病気がちな弟をとても大事にしていた・・・。 なのに何故・・・。 とても深く考...

命について、家族愛について本当に考えさせられる作品。 ある男が島送りにされた。 罪名は「身内殺し」 島に渡る舟で罪人が舟人に話す事件の内容・・・。 何故弟を殺さなければいけなかったのか・・・。 罪人は病気がちな弟をとても大事にしていた・・・。 なのに何故・・・。 とても深く考えさせられる作品。

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2009/10/07

高校時代に初めて読んで 衝撃を受けた本です。 1文字1文字に1点の曇りもなく、 全てがつながっています。 この場面の描写、台詞を書くと 次の台詞や行動はこれしかありえない という完璧な論理構成。 今まで読んできた中で これ以上の本と出会った事はありません。 (ただ気づいてな...

高校時代に初めて読んで 衝撃を受けた本です。 1文字1文字に1点の曇りもなく、 全てがつながっています。 この場面の描写、台詞を書くと 次の台詞や行動はこれしかありえない という完璧な論理構成。 今まで読んできた中で これ以上の本と出会った事はありません。 (ただ気づいてないだけだろう) 舞台は京都の高瀬川。 有名な鴨川の支流です。 いつも、地元でこの川を見るたびに この本を思い出します。 *** 2人の会話で流れる形式 兄弟殺しの罪で流される弟と その船の船頭 兄をなぜ殺したのか 何があったのか 人を殺した側の言い分と それを発見した側の言い分は違う。 なぜか それを考えさせられる作品

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2009/10/04

人間の死や財産についての常識に対して、主人公の告白という形をとって疑問を投げかけた小説。当時、日本には安楽死という発想はなかったが、切腹をする人間を介錯する慣習はあった。しかし、死にきれない人間をあえて安楽に死なしめるという考え是非は、現在も続く大きな問題である。

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2009/10/04

短く、非常に読みやすい。 一見安楽死のテーマにも見えるが、 喜助と弟の関係も考えさせられる。 「欲」についても考えさせられる小説。

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2009/10/04

「早く死んで兄貴にらくがさせたいと思ったのだ。」 高瀬舟は京都の高瀬川を上下する小舟である。 京都の罪人が遠島を申しわたされると、罪人は舟に乗せられて大阪へ回される。 ・・・いつのころだったか。 知恩院の桜が入相の鐘に散る春の夕べに、これまで類のない、珍しい罪人が高瀬舟に乗せ...

「早く死んで兄貴にらくがさせたいと思ったのだ。」 高瀬舟は京都の高瀬川を上下する小舟である。 京都の罪人が遠島を申しわたされると、罪人は舟に乗せられて大阪へ回される。 ・・・いつのころだったか。 知恩院の桜が入相の鐘に散る春の夕べに、これまで類のない、珍しい罪人が高瀬舟に乗せられた。

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