高瀬舟 の商品レビュー
森鴎外の文章好きだなぁと思えた一冊。 文豪と呼ばれる人たちの作品をそれなりに読んできたけど、かなり好きな部類に入ると思う(谷崎には負ける) 学生時代に教科書で「最後の一句」と「舞姫」を読んだ記憶はあるけど、その時はそんなこと全然思わなかったのにな。 何より文章に無駄がないのでず...
森鴎外の文章好きだなぁと思えた一冊。 文豪と呼ばれる人たちの作品をそれなりに読んできたけど、かなり好きな部類に入ると思う(谷崎には負ける) 学生時代に教科書で「最後の一句」と「舞姫」を読んだ記憶はあるけど、その時はそんなこと全然思わなかったのにな。 何より文章に無駄がないのでずーっと楽に読んでいられる。食べ物に例えるならめちゃくちゃ美味しいお蕎麦。 無駄なものが一切入っていなくて、そのまま食べても美味しい(実際通の人は最初の一口をつゆにつけたりせず、そのまま頂いたりしますよね) それと同じで鴎外の文章は文章そのもので魅せられるんです。おつゆ(=話の内容や展開)はもちろん大事だけど、それがないことで逆に麺のおいしさが際立ったりもする。そういうことを考えたりしながら読みました。
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芦田愛菜ちゃんの、『まなの本棚』をきっかけに読んだ。難しそうと思ったけど、意外とすんなり読めた。読後は、なんだかスッキリしない。弟の苦しみを考えるとすぐにカミソリを抜かなければならなかった…。 島流しに合うその間、なぜ喜助は清々しい顔をしていたのだろう。色々考える余地があって面白...
芦田愛菜ちゃんの、『まなの本棚』をきっかけに読んだ。難しそうと思ったけど、意外とすんなり読めた。読後は、なんだかスッキリしない。弟の苦しみを考えるとすぐにカミソリを抜かなければならなかった…。 島流しに合うその間、なぜ喜助は清々しい顔をしていたのだろう。色々考える余地があって面白い。
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特に面白かったのは山椒大夫だった。読みやすかったし、安寿と厨子王のとてつもない勇気があったからこそ父の生死を知れて、身分を取り返すことができたからすごいと思った
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2022/03/06 読了 多分3回くらい読んでる() 何回読んでも面白い、引き込まれるし、物悲しいなぁって感情が沸き立つ。 ふたりとも実は似た立場にあり、けど根底は少し違っている、かつ喜助のひたむきさに切なさをひたすら感じられる。ページも多くないからすぐ読める、良い作品だァ
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森鴎外の短編名作をオーディオブックで聞く この小説はどちらかというと”安楽死を試みる弟を兄が助けた、これは殺人罪になるか”という課題を出している小説です。 しかし私には、羽田正兵衛がつぶやく人生観 「庄兵衛 は ただ 漠然と、 人 の 一生 という よう な 事 を 思っ て み た。 人 は 身 に 病 が ある と、 この 病 が なかっ たら と 思う。 その 日 その 日 の 食 が ない と、 食っ て ゆか れ たら と 思う。 万一 の 時 に 備える たくわえ が ない と、 少し でも たくわえ が あっ たら と 思う。 たくわえ が あっ ても、 また その たくわえ が もっと 多かっ たら と 思う。 かく の ごと くに 先 から 先 へと 考え て みれ ば、 人 は どこ まで 行っ て 踏み止まる こと が できる もの やら わから ない。 それ を 今 目 の 前 で 踏み止まっ て 見せ て くれる のが この 喜助 だ と、庄兵衛 は 気がつい た。 庄兵衛 は 今さら の よう に 驚異 の 目 を みはっ て 喜助 を 見 た。 この 時 庄 兵衛 は 空 を 仰い で いる 喜助 の 頭 から 毫光 が さす よう に 思っ た。」この部分、人は次からつぎへと欲望がでてくるが喜助はここで足りて笑顔でいること。この人生観が印象に残った。僕も今に不満はないが満ち足りてもいないという生き方ではなくこんな風に生きたい。 <参考>書評よりコピー 弟殺しの罪で島送りとなる喜助。彼を高瀬舟で護送する同心の羽田庄兵衛。同心は罪人である喜助の晴れやかな態度に疑問を持ち、理由を聞く。喜助は島送りに当たって二百文の銭をもらったと喜んでいる。また、弟殺しの経緯を聞くにおよんで、これが果たして殺人に当たるかどうか。同心、羽田は疑問を感じる。
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有名な森鴎外の作品ということで手に取りました。 時代背景もありますが、今にも通じるものがあり、考えさせられる話でした。 少し内容が難しいと思われる話もあるので、読書に慣れている人におすすめしたいです。
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弟の自殺を手伝ったということで罪にとわれる男の話。安楽死を社会に提起した画期的な文芸作品だと思う。森鴎外は能動的な<死>を受容しているとみた。乃木希典の殉死を「興津弥五右衛門の遺書」という作品で武士道的<死>だと描いている。 安楽死問題は<死生観>をどう持つかという問題でもある。
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安楽死させてあげたら殺人となるのか? 今でも通用する議論。 それを議論しようとせず、罪として受け入れる者。 人の命が軽すぎた時代の話・・・
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阿部一族の因習相関図は悩ましく、堺事件は想像たくましいひとや刃物が苦手なひとにはお勧めできない吐き戻しそう。むごい話をポンと突き放した目線で描くお話し群。
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退屈だと思うこともあったが、なんだかんだといって面白かった。切腹の描写などが細かくて読むのが辛かった。
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