1,800円以上の注文で送料無料

わが手に拳銃を の商品レビュー

4.1

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/03/03

シンジケートとか公安とか赤とか青とか、物語の背景がよく分からず、十割楽しめていません。リオウとカズアキに萌えるばっかりで。膝枕、、、(o_ _)o

Posted byブクログ

2012/09/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大陸の人間であるリ・オウと日本人の一彰の二人の長い年月をこえた絆の話です。日本で拳銃を削る一彰と、大陸で壮大な夢を抱くリ・オウ。 「心配するな。あんたが餓死する前に、俺が会いにいく。俺が右でも左でもない人間である証拠を、見せに行くさ」とか、リ・オウかっこよすぎだ…。おお、リ・オウ。このやろう。という感じです。全体的に名場面、名台詞だらけで読んでいて楽しいです。 『李歐』も好きですが、私はこちらのリ・オウと一彰の方が好きです。こちらの方が、二人の関係が男同士の対等な関係という感じがしました。終わり方もとても好き。

Posted byブクログ

2012/03/27

幼い頃に母親を銃事件で亡くした青年と 闇社会を暗躍する美貌の殺し屋リ・オウ 四十丁の密輸銃をきっかけに絡み出した 二つの人生についての物語 「李歐」の原型になった作品とあったので こっちを先に読んでみました マフィアだゲリラだ国家スパイだ人民軍だシンジケートだC...

幼い頃に母親を銃事件で亡くした青年と 闇社会を暗躍する美貌の殺し屋リ・オウ 四十丁の密輸銃をきっかけに絡み出した 二つの人生についての物語 「李歐」の原型になった作品とあったので こっちを先に読んでみました マフィアだゲリラだ国家スパイだ人民軍だシンジケートだCIAだ暴力団だ公安だ 大阪の街工場を舞台にして描かれるのは 赤い国と青い国を中心としたアジア全域のドス黒い闇社会についての話で もちろん高村さん特有の硬筆と胃もたれするような緻密な描写でもって物語はずしりと重く血生臭いのですが 合間合間に差し込まれる杜甫の中国詩や桜吹雪の美しさ 台詞回しのカラリとした晴朗さ そして何を置いてもリ・オウというキャラクターの突き抜けた存在感が他のどの作品にもない不思議な幸福感を全体に与えていて 難解と評される高村作品の中では読みやすい一冊だと思います 身に纏わりつく全てをこそぎ捨てて能動的に自分を破滅させようとする主人公 と 世渡り用の上等な皮を着込みながら世界に中指を立てている他者 決して混ざり合うことはないのにどこか根底では同じ闇を共有している そんな背中合わせのつがいのような独特の人間関係が高村さんの本には一貫して描かれているように感じます 初期の作品なので文章は若干生硬く体温が高めですが 題材ごとに専門家を驚かせるあの偏執的な取材力は変わらずです 黄金~が爆弾の手引き書だとしたら こちらはさながら銃改造の手引き書のようなマニアックさ また女性は刺身のツマ扱いが常な高村作品には珍しく女性キャラが魅力的に描かれていたのも印象的でした 目の奥に妖しい炎を抱え 美しい中国の舞いを踊り 仙人と芸術家と商人とギャングを全部足して割ったような飄々さで自由を求める男リ・オウ 「Hey」「純度は4ナインよ」「……十割にしろよ」 などなど 四方八方オッサン祭りが鉄則の高村ワールドでは 彼の挙動の全てが風のように軽やかで なんだか青年誌に一人ぶち込まれた少年漫画のキャラクターのような浮き世離れ感さえありました 海賊映画みたいなエピローグの美しさも酷く印象的だった一冊

Posted byブクログ

2012/03/06

 書くためには物すごく専門知識のいる小説だと思う。きっと沢山文献を読んだり、綿密な取材をしたんだと思う。髙村薫が寡作な理由は、こんな小説ばかり書いているからなんだろうな。すげえよ。  この小説には拳銃に絡んだ様々な組織が登場する。暴力団もいれば、政治的な組織もある。組織の論理は冷...

 書くためには物すごく専門知識のいる小説だと思う。きっと沢山文献を読んだり、綿密な取材をしたんだと思う。髙村薫が寡作な理由は、こんな小説ばかり書いているからなんだろうな。すげえよ。  この小説には拳銃に絡んだ様々な組織が登場する。暴力団もいれば、政治的な組織もある。組織の論理は冷酷に人間を握りつぶす。この小説の登場人物たちは、拳銃を手に、そんな組織の理論に精一杯、血を流しながら抵抗する。その姿が何とも美しい。

Posted byブクログ

2011/07/20

「李歐」は、この作品を下敷きに文庫版で書き下ろしにされた作品。「李歐」の方が、たしかに作品としては完成されているけれども、これはこれで、ひとつの読み応えのある作品になっている。 登場人物はもちろん、ストーリーの骨組みは「李歐」と同じ。ただ「李歐」に比べると、登場人物たちがより...

「李歐」は、この作品を下敷きに文庫版で書き下ろしにされた作品。「李歐」の方が、たしかに作品としては完成されているけれども、これはこれで、ひとつの読み応えのある作品になっている。 登場人物はもちろん、ストーリーの骨組みは「李歐」と同じ。ただ「李歐」に比べると、登場人物たちがより感情的で、その分、より浅はか。ストーリーのつながりが苦しいところもある。作者にしてみれば、ちょっと作品を書き直したくなるのが、なんとなくわかるような感じだ。でもそういう部分が逆にこの作品を、裏切りや陰謀が横行しても明るく、華やかな「青春小説」といったような趣きにしている気がする。 しかし高村薫、やっぱり女性の描き方は下手なのかもしれない。主人公の吉田一彰が、敦子という女性に長年惹かれる意味なり背景なりがよく理解できない。だからこそ、「李歐」では、敦子の露出は格段に減ったのかもしれない。まあもしかしたら、この作品を書いた頃が下手で、今では上手なのかもしれないが。

Posted byブクログ

2010/05/24

高村作品を全部読んだわけではないけれど、個人的には最初に読んだこの作品を超えるお気に入り作品は現れていません。 一言で言うと、ハードボイルドとして秀逸。ロマンチック感も。

Posted byブクログ

2010/05/07

ハードボイルドのお約束・ツボをしっかりと押さえた、 非常に勢いとスピード感のある小説。 「シミタツ」の一連の作品を彷彿とさせる。 本作と同登場人物・同設定の大幅改定版が、 「李歐」として文庫化されているらしい。 非常に興味深い。

Posted byブクログ

2010/04/25

『李歐』の元になっている話です。 でも全然違う話ですよ。どっちにもちょっと無理なところがあって、どっちにも好きなとこがあります。 無理なところはですね、高村作品に共通してるんですけど、人間関係ですね。 男同士の、恋愛感情か?と思ってしまうようなものを匂わせるかのような濃ーーい友情...

『李歐』の元になっている話です。 でも全然違う話ですよ。どっちにもちょっと無理なところがあって、どっちにも好きなとこがあります。 無理なところはですね、高村作品に共通してるんですけど、人間関係ですね。 男同士の、恋愛感情か?と思ってしまうようなものを匂わせるかのような濃ーーい友情とか、そこに絡んでくる女の人の、男同士のものと比べて薄ーーく見える関係とか、そういうのがどの作品読んでてもわかりにくかったり、ちょっと違うなあと思ったりするのです。 『李歐』に比べたら一彰の考えてることが分かりやすいです。何より年相応に若い(笑)。 で、リ・オウは逆に『李歐』の方が分かりやすかったです。欲しいものとそれを手に入れるまでの道筋をどこまでも冷静に見極めてる感じがよく出てて、ちょっと超人的過ぎって気もするんですけど、だから余計にイヤでも巻き込まれていく周囲も理解できます。 ようするにこっちのリ・オウも若いんですよね。これは単に高村さんが若かったからかなあ(笑)。 ラストの雄大な景色がそのまま李歐の自由さを表してるようで、終わり方は『李歐』の方が好き。 でもこっちは勢いがあります。若さの勢い!多少の不具合なんか別にいいか、と思ってしまいますので、どっちも読んでよかったかな。 とはいうものの、実は通勤時に読むように文庫と思って予約したのに、届いたのがバカでかい本でそのまま突き返したいくらい落胆したのですけども(笑)。

Posted byブクログ

2010/01/08

高校生時代に「ぱふ」の読者ページで知って興味を持ち、読み始めたもの。 これが私の高村作品一作目。 拳銃のくだりが長くて意味がわからなかったんだけれど、若いなりに頑張って夢中で読みました。 内容はもうあまり覚えてないけど、リオウがかっこよかったことだけは覚えている。 札束のベッドで...

高校生時代に「ぱふ」の読者ページで知って興味を持ち、読み始めたもの。 これが私の高村作品一作目。 拳銃のくだりが長くて意味がわからなかったんだけれど、若いなりに頑張って夢中で読みました。 内容はもうあまり覚えてないけど、リオウがかっこよかったことだけは覚えている。 札束のベッドで寝て、そうしてお前は俺のものみたいな台詞(うろ覚え)にくらくらしました(笑)今読んだら印象変わりそうだな~。

Posted byブクログ

2009/12/31

【ネタバレあり】 「神の火」以来の高村作品。これで6作品目。久々の上下2段組の単行本で高村作品となれば、当然、読書スピードも遅くなるかと思いきや、高村作品の読み方をだいぶ分かってきたのか意外とすんなり読めました(図書館で借りてきた本を優先したため。途中読書を中断しましたが)。 ...

【ネタバレあり】 「神の火」以来の高村作品。これで6作品目。久々の上下2段組の単行本で高村作品となれば、当然、読書スピードも遅くなるかと思いきや、高村作品の読み方をだいぶ分かってきたのか意外とすんなり読めました(図書館で借りてきた本を優先したため。途中読書を中断しましたが)。 肝心の内容については、またもや男同士の友情がテーマ。ただ、今回はいわゆる”あちら”の路線はあまり感じられず、真の男同士の友情が描かれていたと思います。 文庫化にあたり、「リオウ」と改題されたこともあり、てっきり、リオウが主人公だと思っていたのですが、違っていたのですね。 それにしても、相変わらずのリアリティのある文には敬服するしかありませぬ。全ての登場人物の息遣いが聞こえてくるような錯覚に陥ります。今回は、特に工場での作業にお得意の”まるで見て来たかのような”リアリティを追求した文章表現が随所に見られます。でも、読み方をだいぶ分かってきたので、適当に受け流しながら読めました。それと、今回は露出は少なかったですが、警察組織の描き方も秀逸ですね。高村作品を読むと、他の警察小説が読めなくなりますね、ほんと(加賀恭一郎みたいなデカいねえよ!!と思ってしまうのは私だけでしょうか・・・)。 なかなか良かったです。 さて、全面改稿されたという「リオウ」を読むかどうか迷うところです。 高村薫作品: 6作品目読破 読書期間 : 2009年11月下旬~12月中旬

Posted byブクログ