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イスラーム文化 の商品レビュー

4.4

90件のお客様レビュー

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2010/05/05

昔読んだ本で、イスラム教についての理解を深めることは出来たと思う。しかし、実際にイスラム教徒に会った時に本書の内容を思い出せるかどうかは別問題。

Posted byブクログ

2013/11/15

(2006.10.25読了)(2000.10.27購入) 副題「その根柢にあるもの」 「コーラン(上)」、「コーランの世界」、「コーラン(中)」と読んできたので、「コーラン(下)」を読む前にもう一休みで、訳者の本「イスラーム文化」が積読の中に見つかったので読むことにしました。 こ...

(2006.10.25読了)(2000.10.27購入) 副題「その根柢にあるもの」 「コーラン(上)」、「コーランの世界」、「コーラン(中)」と読んできたので、「コーラン(下)」を読む前にもう一休みで、訳者の本「イスラーム文化」が積読の中に見つかったので読むことにしました。 この本は、1981年に行った三つの講演を活字にしたものということです。講演全体を通しての主題は「イスラーム文化の根底にあるもの」で、各回の講演のテーマは、第一回「宗教的根底」、第二回「法と倫理」、第三回「内面への道」です。 講演の記録ですので、読みやすくなっています。分かりやすいともいえます。コーランを読むだけではわからいことが色々書いてありますので、お勧めです。 ●イスラームは商売人の宗教(29頁) 商業取引における契約の重要性をはっきり意識して、何よりも相互の信義、誠、絶対に嘘をつかない、約束した事は必ずこれを守って履行するということを、何にも増して重んじる商人の道義を反映した宗教だったのであります。 ●言葉の解釈の自由性(42頁) 言葉の解釈というものには以外に大きな自由があるものでして、与えられた一つの語、あるいは文が、それを解釈する人の性向や、思想や、感情によって驚くほどいろいろな意味に解釈されます。時にはまるで正反対の意味にもなる。 神の言葉の解釈の仕方がもとで、イスラームは自分の死後、次第に四分五裂していくだろうと、預言者ムハンマド自身が信じておりました。 ●復活(136頁) 輪廻転生の場合のように、死んだ人の魂が幽冥界に生き続けていて、それが次々に全く別の肉体に宿るのではなくて、死に絶えていたその人のその同じ肉体が復活の日に生前の形に戻って、それにその魂が再び結合されて生き返る、つまり元の人が元のまま生き返るのですから、この世の生が重要になるのです。 ●聖俗不分(144頁) イスラームは「神の国」と「地の国」の分離は絶対に認めません。「神のものは神へ、カエサルのものはカエサルへ」というキリスト教的理念が全然通用しない世界なのです。勿論、人間が普通の日常生活を生きている以上、世俗世界は事実上存在しています。しかし、イスラームの立場から申しますと、これは世俗世界とは申しましても「聖なるもの」が底の底までしみ込んだ世俗世界でなければならない。 人間生活の全体が、毎日毎日の生活、その一瞬一瞬が、神の臨在の感覚で満たされなければならない。そういう生活様式に人生を作り上げていくことによって、人は神に真の意味で仕えることができるのだ。 ●善悪は神が決める(151頁) イスラームでは事物の本性が善悪を決めるのではない。人間の理性が善悪を判断するのではない。神の意思で善悪が決まるのです。例えば、人の持ち物を盗む。盗みということがそれ自体として本姓的に、あるいは理性的に、悪いことだから悪いというのではありません。神がそれを悪いと決定したから悪いのです。 ムハンマドが世にあるあいだは、どんな問題が起こっても、ムハンマドにお伺いを立てさえすれば、その答えが直ちに神の意思だったのであります。彼の死後は、神の意志の間接的表現として「ハディース」が非常に重要になってまいります。 ●イスラーム法(156頁) 「コーラン」と「ハディース」を基にイスラーム法が作られた。イスラーム法には、四つの学派があり、現在も存続している。イスラーム法では、宗教的儀礼の規則、民法、商法、刑法、食物や飲み物、衣服、挨拶の仕方、等、社会生活から家庭生活の細部に及んで詳細に規定されている。聖典解釈の自由は西暦9世紀中ごろに禁止されました。 このことが、近世におけるイスラーム文化の凋落の大きな原因の一つでした。 ☆井筒 俊彦の本(既読) 「イスラーム生誕」井筒俊彦著、中公文庫、1990.08.10 「コーラン(上)」井筒俊彦訳、岩波文庫、1957.11.25 「コーラン(中)」井筒俊彦訳、岩波文庫、1958.02.25 (「BOOK」データベースより)amazon イスラーム文化を真にイスラーム的ならしめているものは何か。―著者はイスラームの宗教について説くことからはじめ、その実現としての法と倫理におよび、さらにそれらを支える基盤の中にいわば顕教的なものと密教的なものとの激しいせめぎ合いを認め、イスラーム文化の根元に迫ろうとする。世界的な権威による第一級の啓豪書。

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2009/11/18

大変読みやすいイスラーム文化の入門書。 日本だとイスラームに無知な人が多く、 イスラームだというとテロだのなんだの物騒なイメージをしか 持っていない人も散見せられるが本当にそんな単純なものなら 世界三大宗教の一つにまでならない。 仏教、キリスト教と抑えたらまずこの一冊を手にと...

大変読みやすいイスラーム文化の入門書。 日本だとイスラームに無知な人が多く、 イスラームだというとテロだのなんだの物騒なイメージをしか 持っていない人も散見せられるが本当にそんな単純なものなら 世界三大宗教の一つにまでならない。 仏教、キリスト教と抑えたらまずこの一冊を手にとってイスラームの文化に触れてほしい。 基礎の基礎ではあるけれどイスラームの深淵がちょっとだけ見えてきます。 ここをとっかかりにして是非井筒俊彦さんの他の著作や 他のイスラーム関係の本に入っていけばきっと自分の世界が大きく広がるでしょう。 国際人としての最低限の教養としても理解しておきたいところ、 恥をかかないためにも外国へ出る前、外国人に接する前に読んでおきましょう。

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2009/11/01

講義のレポートを書くために読んだ。 副題の通り、一からイスラームについて理解できる、最適の入門書である。 井筒氏の講演を収録したものだから、読みやすい。 イスラームでは政治=宗教である。さらに、イスラーム法が日常の細かいことまで規定しているために、ムスリムにとって、法...

講義のレポートを書くために読んだ。 副題の通り、一からイスラームについて理解できる、最適の入門書である。 井筒氏の講演を収録したものだから、読みやすい。 イスラームでは政治=宗教である。さらに、イスラーム法が日常の細かいことまで規定しているために、ムスリムにとって、法を無視することは宗教的背信行為なのである。 その他、スンニ派とシーア派の対立の要因(すなわち、イスラームが抱える内的矛盾)についても解説されている。 教養として読むことを勧めます。

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2009/10/04

これだけは、誰もが一度は読んだ方がいい、と強く勧められる一冊。 イスラームについて、何も知らない状態から入って、その根源的な部分にまで触れることができる。 もっとイスラームについて学びたくなる。 イスラム教徒の「すべては神が決めてくれる」的なあの楽観は何なのか。 スンニ派とシー...

これだけは、誰もが一度は読んだ方がいい、と強く勧められる一冊。 イスラームについて、何も知らない状態から入って、その根源的な部分にまで触れることができる。 もっとイスラームについて学びたくなる。 イスラム教徒の「すべては神が決めてくれる」的なあの楽観は何なのか。 スンニ派とシーア派はなぜあんなにも仲が悪いのか。 ようやく分かりました。 本来、小学校中学校で教えるべきは、こうした文化や歴史の話なのだろう。

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2009/10/04

------------------- 2回目読破。 何度読んでも分かりやすいが、シーア派のところとかはいろいろと名前を覚える必要がある。なんとなくイスラムと言うと、苛烈なイメージを持ちがちだけれども、宗教の血塗られた歴史というのは、おそらく、どんな宗教でも似たようなもんなん...

------------------- 2回目読破。 何度読んでも分かりやすいが、シーア派のところとかはいろいろと名前を覚える必要がある。なんとなくイスラムと言うと、苛烈なイメージを持ちがちだけれども、宗教の血塗られた歴史というのは、おそらく、どんな宗教でも似たようなもんなんだろうな。もっと言えば、最近は殺し合いの責任を宗教ばかりに投げつけるのも、なんだかおかしいような気がしている。

Posted byブクログ

2009/10/04

上辺だけでなく、文化の根源に迫る1冊でした。 コーランとハーディスについて、そしてイスラム教徒の中でのその解釈や 思想の違いについて、言葉は分かりやすくもそれなりに深いところまで書 かれています。

Posted byブクログ

2009/10/04

イスラムに関する著書も多い井筒 俊彦氏が市民に対して3回イスラム文化的な、イスラムに共通してある考え方について講演した内容。 今後はイスラムが熱いと豪語するI垣君に刺激されて、手始めに読んでみました。 イラク戦争の泥沼化から脱却できない状況が続いていますが、イスラムの成り...

イスラムに関する著書も多い井筒 俊彦氏が市民に対して3回イスラム文化的な、イスラムに共通してある考え方について講演した内容。 今後はイスラムが熱いと豪語するI垣君に刺激されて、手始めに読んでみました。 イラク戦争の泥沼化から脱却できない状況が続いていますが、イスラムの成り立ち、考え方などが非常に明快に書かれている。 イスラムは一言で言うならばコーランの解釈につきる。←ちょっと言いすぎかもしれない。 この解釈の違いから 正統派と呼ばれてるスンニー派とシーア派が分かれている。 コーランはアッラーによる命令と禁止から成り立つことから、イスラム社会では論理学の中でも命令法が非常に発達してるなど、イスラム社会の根底にある特徴などが少し見えました。 キリスト教、ユダヤ教と並ぶ一神教宗教を理解することはグローバル化が進む現代では大事ではないでしょうか。

Posted byブクログ

2009/10/04

イスラム文化についての講演を、幾らか編集したもの。 したがって予備知識が無い人でも問題なく、順を追えば理解しやすい内容になっている。 ムスリムの宗教概念やどういう法的意識を持っているか、「スンニ」「シーア」の宗教的違い、という段階から理解する為の手引書としては最適。 日本のイスラ...

イスラム文化についての講演を、幾らか編集したもの。 したがって予備知識が無い人でも問題なく、順を追えば理解しやすい内容になっている。 ムスリムの宗教概念やどういう法的意識を持っているか、「スンニ」「シーア」の宗教的違い、という段階から理解する為の手引書としては最適。 日本のイスラム観は、井筒の認識を乗り越えていないばかりか、退潮しているきらいもあり、そういう意味では、いまだ「古典」ではない存在。

Posted byブクログ

2009/10/04

世界的に有名な碩学によるイスラームの入門書。講演を起こしたものなので読みやすい。スーフィズムやシーア派の思想にも触れ、精神性の高い哲学を有する宗教としてのイスラームの一面を詳しく論じているので、イスラームに対し「戒律の厳しい砂漠的宗教」といったイメージしか持っていない人にぜひ読ん...

世界的に有名な碩学によるイスラームの入門書。講演を起こしたものなので読みやすい。スーフィズムやシーア派の思想にも触れ、精神性の高い哲学を有する宗教としてのイスラームの一面を詳しく論じているので、イスラームに対し「戒律の厳しい砂漠的宗教」といったイメージしか持っていない人にぜひ読んで欲しい一冊。

Posted byブクログ