冥途・旅順入城式 の商品レビュー
夢という形式の中で美…
夢という形式の中で美的な幻想を紡いだ漱石に比し、百間は夢の中に埋め込まれた己の形而上的欲望を隠そうともしないのである。
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話の筋で怖いと思わせ…
話の筋で怖いと思わせるのではなくて、一文一文からなにか怪しげなオーラが立ちのぼっているような文章です。まさに「百けんワールド」です!
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漱石の「夢十夜」に似…
漱石の「夢十夜」に似ているといわれる幻想小説集。漱石よりずっと無邪気なのだがそこがかえって怖い、大変読み応えのある作品である。繰り返される天気や自然の描写が話の内容以上に不気味。
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漱石の『夢十夜』の影…
漱石の『夢十夜』の影響を受けています。不思議で恐ろしい作品集。
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掌編が多数収録されて…
掌編が多数収録されています。どれも淡々としていて、悪夢のような不思議な恐ろしさがある作品です。
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有名な阿房列車やノラやにも触れたことがなく、内田百閒初体験だったが、いい意味で期待を裏切られた。解説では夏目漱石の夢十夜にもたとえられていたが、本当に夢、しかも悪夢の中にいるような不気味な質感、そして脈絡のなさだが、きちんと小説として成り立ってもいるのがすごい。ときには筒井康隆の...
有名な阿房列車やノラやにも触れたことがなく、内田百閒初体験だったが、いい意味で期待を裏切られた。解説では夏目漱石の夢十夜にもたとえられていたが、本当に夢、しかも悪夢の中にいるような不気味な質感、そして脈絡のなさだが、きちんと小説として成り立ってもいるのがすごい。ときには筒井康隆の小説を思い起こさせられたりもして、こんな小説がこの時代にあったなんて、と思わされた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
倉橋由美子おすすめの本を読むシリーズ。内田百閒、初めて読みました。ずっとホラーというか怖い話の詰め合わせで、オチがあるわけでもなく、なんか面白かったです。 言葉の使い方・選び方に時々ぐっとくる感じで、これ旧仮名遣いで読みたかつたと思ひます…。 「件」「豹」などの動物ものが好きだった。女と借金の話ばかりで、百閒…ってなった笑。自分が疫病神となって周りに不幸が訪れるのも、新しい(?)タイプの怪談でした。 「山高帽子」の「長長ご無沙汰しましたと申し度いところ長ら、今日ひるお目にかかった計りでは、いくら光陰が矢の如く長れてもへんですね。長長しい前置きは止めて、用件に移りたいのですけれど、生憎何にも用事長(上下逆さまで「がな」)いのです。…」という長を使った文章が粋すぎて、これぞ言葉を扱う態度だよなあと。
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これは夢だと分かっているのに 逃れられない薄気味悪さ 夢の中の事なのに 目覚めてからもその感情を 引きずり続けたり 現実と曖昧になったり そんな短編集 なんとなく内田百閒は 不思議の国のアリス症候 群だったのかなと思った ブックオフ一宮妙興寺店にて取り寄せ
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『贋作吾輩は猫である』の解説で「冥途」の記述があり、積読だった本書に着手。本書の解説でも書かれているが、漱石『夢十夜』が思い出される。『冥途』は大正関東大震災が起こり、原稿の散逸もあったとのこと。その後10年を経て『旅順入城式』の作品群を上梓し、両作品群とも夢うつつの境界域の短編...
『贋作吾輩は猫である』の解説で「冥途」の記述があり、積読だった本書に着手。本書の解説でも書かれているが、漱石『夢十夜』が思い出される。『冥途』は大正関東大震災が起こり、原稿の散逸もあったとのこと。その後10年を経て『旅順入城式』の作品群を上梓し、両作品群とも夢うつつの境界域の短編48編となった。百閒先生版の百物語と言えそうな、じっとり濡れたような怪異であった。
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意味の分からない話です。ですが、そのめちゃくちゃさが面白いですね。本当に夢を見ているような話でした。大概の話はバッドエンドだったような気がしますが。
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