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招かれざる客たちのビュッフェ の商品レビュー

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36件のお客様レビュー

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ブランドが描く、トリ…

ブランドが描く、トリック満載の短編集。必ずや後世に残ります。

文庫OFF

苦みばしった後味のわ…

苦みばしった後味のわるい事件ばかり。そんなブラックなミステリー短編集。人間描写に容赦がないところがすばらしい。

文庫OFF

2024/06/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

名作古典ミステリの一つ。 ずっと読みたい気持ちはあったけど、機会がなく今回初読。 第一部 コックリル・カクテル 第二部 アントレ 第三部 口なおしの一品 第四部 プチ・フール 第五部 ブラック・コーヒー と、フランス料理のコースに喩えた銘を打つ構成で読者に提供する16編の短編。 お腹一杯になります。 でも構成がうまいのだろうな、まずはブランドと言えばということでコックリル警部物で著者の力量をどんと示し、第二部以降はノン・シリーズものの短編が続く。 だんだんと飽きてくるような気もするのだが、終盤に行くにつれて1編の長さが短くなってきてすぐに読み終わるので、また次の1編に手を出す。 この辺りになってくると著者の作り出す作品の雰囲気や、物語の落とし方の妙がわかってきて、1編の長さによらずその詰め込まれたエッセンスに舌を巻く。 やはり、コックリル警部物が面白かった。 毎回登場の仕方、事件への関わり方が全然違うところに著者の引き出しの多さを感じたし、それでいて終始抜け目なく、キレ味鋭く真相を見抜く姿が最大の特徴。 数々の探偵さん、刑事さんとご対面してきたけど、この全能感は最強クラス。 全体を通してサスペンスフルな展開が多かったかな。 残りのページ数に比して、まだ全然物語が煮詰まっていない気がするけど、何とも言えない不穏さが潜んでいる。 そして急遽現れる変調と裏の裏をかく、苦みある結末。 解説、北村薫さんのミステリ論がいい。 ブランドを評する中で出てきた言葉だけど、究極のミステリ一般論。 「ミステリにも世間一般でいうリアリティが必要だなどと考えているわけではない。どう考えても不可能な状況で起こった事件が、どう考えてもやっぱり不可能な解決で終わるというのも、それなりに面白いのである。極論すれば、誰がチェスタトンの黄金のような小説に鉛のようなリアリティを要求するだろうか。要は、そのトリックなり論理が作品世界に適合していればよいのである。」 チェスタトンの小説を「黄金」と言い、リアリティを「鉛」という。 その両者が相交わることが面白いことではない。 ああ、なんて絶妙な喩え。

Posted byブクログ

2023/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

収載されている『ジェミニー・クリケット事件』を目当てに購入。青年と老人の会話で構成される、一見して安楽椅子探偵ものと思いきや、最後におぞましい真相が明らかになる。ほかの作品も、後味の悪いものばかり、”イヤミス”の宝庫のような短篇集です。

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2023/04/11

前世紀のミステリ黄金期に名を馳せた、英国の代表的ミステリ作家クリスチアナ・ブランド(1907-1988)の16篇の短編集。 各作品に共通するのは、重厚な筋運びと意外性、読者の意表を突く犯人像、そして何よりも秘めたる〝毒気〟の滴りに、酩酊させられる異彩を放つ豪華フルメニュ-。 お...

前世紀のミステリ黄金期に名を馳せた、英国の代表的ミステリ作家クリスチアナ・ブランド(1907-1988)の16篇の短編集。 各作品に共通するのは、重厚な筋運びと意外性、読者の意表を突く犯人像、そして何よりも秘めたる〝毒気〟の滴りに、酩酊させられる異彩を放つ豪華フルメニュ-。 お気に召すままに、どうぞご照覧、ご賞味あれ!

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2021/10/21

16話も収録されてるのに、すべてがおもしろいというのは奇跡ではなかろうか。どの話も完成度が非常に高い。本格ミステリや、サスペンス、倒叙などジャンルも豊富で、全く飽きない。 個人的には、「囁き」が印象的だった。甘やかされて育ったお嬢様が、いかがわしい場所に出入りしてラリった男に襲わ...

16話も収録されてるのに、すべてがおもしろいというのは奇跡ではなかろうか。どの話も完成度が非常に高い。本格ミステリや、サスペンス、倒叙などジャンルも豊富で、全く飽きない。 個人的には、「囁き」が印象的だった。甘やかされて育ったお嬢様が、いかがわしい場所に出入りしてラリった男に襲われる。そのような場所にいたことを両親に言えず、従兄弟に襲われたと嘘をつくが…嘘を重ねることで事態は悪い方へ転がっていく。読み終えた後は、胸の中に鉛を残されたような感覚になる。 ミステリ短編集では、デュモーリアの「鳥」を超える作品はないと思っていたが、本作も決して負けてはいない。 ますますクリスチアナブランドが好きになった。 

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2021/10/01

バラエティに富んだ質の良い作品が16編も収められた非常にお得な短編集。 どれもキレが鋭く、無駄が一切ない。 以下、好きな作品(若干ネタバレ) 『事件のあとに』 話者となる刑事vs.コックリル警部という面白い構図の作品。役者たちが衣装を着てメイクもし直した理由に思わず膝を打ちた...

バラエティに富んだ質の良い作品が16編も収められた非常にお得な短編集。 どれもキレが鋭く、無駄が一切ない。 以下、好きな作品(若干ネタバレ) 『事件のあとに』 話者となる刑事vs.コックリル警部という面白い構図の作品。役者たちが衣装を着てメイクもし直した理由に思わず膝を打ちたくなる。伏線回収も見事。 『血兄弟』 個人的にはかなり好き。引き続き伏線回収も見事だし、終わり方が秀逸。本当に無駄がない。 『婚姻飛翔』 まさか1行目で殺されてるとは... 盲点を突くトリック。見事な本格ミステリ。 『カップの中の毒』 倒叙ミステリのお手本。女の心の揺れ動き、そして最後の一行。 『ジェミニー・クリケット事件』 本書の中で、本格ミステリとしてはこれが一番。多重解決モノのようにいくつかの説を唱えた後、炸裂するトリック。ラストに明かされる真実も驚愕。 『スコットランドの姪』 軽快なタッチで描かれた、群像劇のような作品。コロコロと変わる、読者の予想を裏切る展開には、いちいち驚かされる。 『メリーゴウランド』 「どっちもどっち、ぐるぐるまわる  噛まれりゃ相手を噛み返す  追われたキツネがイヌを追う  なんてすてきなメリーゴウランド!」 真相の明かされ方がなんとも言えない余韻を残す。 繰り返される、という作品は好み。

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2021/08/03

ブラックユーモアミステリー。人間心理のいやらしさがじわーっと滲み出ている。 訳との相性が悪く、物語のキレが悪く、満足感は今ひとつ。

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2021/07/14

短編集16編 コース料理仕立てに散りばめられておしゃれな作品になっている。 どれも短いながらトリックや動機など面白い。「もう山査子摘みもおしまい」がゾッとしつつも良かった。

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2021/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

翻訳だから仕方ないけど、文章が読みづらく、慣れるのに苦労した。 「事件のあとに」というのが最初に入っている話だけど、演劇のことを知らないとわかりづらいので、せめて話の順番が違うともう少し読みやすいのでは・・? ストーリーはそれぞれ違うけど"実は◯◯が××だった"みたいなオチが多いように感じた。 個人的に面白いと思ったのは「もう山査子摘みもおしまい」と「メリーゴーラウンド」 「バルコニーからの眺め」も面白かったな。 「カップの中の毒」は中年女性の心理がよく書かれていていた。

Posted byブクログ