千利休 の商品レビュー
お茶の湯は日本の大事…
お茶の湯は日本の大事な文化ですよね。結構難しそうです。
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前衛芸術と茶道の関係性を興味深く述べた本書。著者は映画「利休」のシナリオを担当した。 路上観察学会。ただ路上にあるちょっと変なものを見つけ、それを記録する学問。知り合いにそのようなものが得意な人がいるが、これに昔からきちんと取り組んでいる方がいるとは驚いた。なぜかおもしろい。何...
前衛芸術と茶道の関係性を興味深く述べた本書。著者は映画「利休」のシナリオを担当した。 路上観察学会。ただ路上にあるちょっと変なものを見つけ、それを記録する学問。知り合いにそのようなものが得意な人がいるが、これに昔からきちんと取り組んでいる方がいるとは驚いた。なぜかおもしろい。何気ない日常をなんとなく彩ってくれそうなもの。私自身、全然見つけられない。見つけようとすると見つけられない。なんとも魅力的なもの。 似たようなものは多くあり、例えば財布の中のお札。なぜか向きを揃え、千円、五千円、一万円と並べてしまう。たしかにお金を支払うとき取り出しやすくなるが、それによってすごく利益を被れるとかいうことはない。細かなところに何か美意識を持っていると感じた。日本人の侘び寂びという精神は現代にも根強く生きている。 成熟するものは縮小する。茶室にそのようなものがみられ、工業化によるICチップなも見られる。 「新しいものは、それが優れていればいるほど一般化する速度が早い。そして形式となり、それを破ってまた新しいものが生れる。そうやって前衛はいつも形式化を逃れながら先を急ぎ、形式の世界はまた貪欲にその後を追いかけていく。」226 素晴らしいものは広まる速度が早いため一般化する速度も早いというのは確かにそう。様々なトレーニング法や健康法も素晴らしければ広まる。広まる際に一般化されないと、大衆に受け入れられてもらえない。芸術もこの様式をとっていることはその芸術の本質を見ていないのではないか。そのジレンマも非常に面白い。 芸術というものはもっと身近に感じていいんだ。そして、それはこんなにも面白いんだと感じることができた。
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流し読み。映画「利休」のシナリオを書くことになった前衛芸術家によるエッセイ。映画自体を見ていないし、利休について詳しく何かが分かる訳でもないが、一つの側面として。
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野上弥生子の秀吉と利休を映画化するのに脚本を書いた人物の書。トマソン物件の命名者と思われる。お茶をやっているわけではない人というのがまた新鮮な見方に繋がっている気はする。 金嶽宗信によると今ある利休像は江戸時代の末期にに岡山藩の家老の屋敷にあった今日庵の像の写らしいので、だとした...
野上弥生子の秀吉と利休を映画化するのに脚本を書いた人物の書。トマソン物件の命名者と思われる。お茶をやっているわけではない人というのがまた新鮮な見方に繋がっている気はする。 金嶽宗信によると今ある利休像は江戸時代の末期にに岡山藩の家老の屋敷にあった今日庵の像の写らしいので、だとしたら利休の記憶が鮮明にある頃に作られたのではという推測は当たらないか。 気功の見えない玉に茶の力量を喩えるのは面白い。確かに互いに茶会を開いて当時の茶人は見えないものを膨らませていったのだな。 映画では使えなかった2つの焦点を持つ楕円形の茶室を作った想定、堺の港に捨てられた大量の石は露路のものだったのでは、両班村で見た躙口や腰張の原型と思うもの、茶を飲むことが儀式化したのは生きることの不安からでは、一連の型と間がある相撲と野球の共通点、利休の沈黙は言葉に託すごとに裏切られた結果としての沈黙、前衛としての利休などのようなマラソンの先頭集団ではなくて後方にいる人々は形式美に身を潜めることの快感がある、ただ前衛をみんなで何度もという弛緩した前衛の民主化という卑しい技術が蔓延しているとも、「侘びたるはよし、侘ばしたるは悪し(寂じゃなかったっけ?)」という考えは他力思想の反映で自分を自然に預けて自然大に拡大しながら人間を超えることでは。
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面白かった。赤瀬川さんは芸術の人でもあるけど、言葉の人だと思った。利休は語らず形にした人だと思う。その利休の代わりにあれこれと語ってくれたようである。
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芸術と前衛。路上観察という視点。茶の湯が前衛であるということに気がつく筆者。何よりも路上観察との対比で語る部分に自分は反応するのだなと思った。(そして路上観察も茶の湯も前衛性を失い形式化していくことも)
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赤瀬川原平の小気味いい文章に完全ノックアウト!パンチラインがてんこ盛り。 基本的に日本史には全く興味はないですが、日本の美意識としての「わび・さび」がどんなものかを知りたいと思ってこの本を手に取りました。 でも千利休といえば日本史の教科書の中の人といったイメージが強かったので、...
赤瀬川原平の小気味いい文章に完全ノックアウト!パンチラインがてんこ盛り。 基本的に日本史には全く興味はないですが、日本の美意識としての「わび・さび」がどんなものかを知りたいと思ってこの本を手に取りました。 でも千利休といえば日本史の教科書の中の人といったイメージが強かったので、もし千利休ヒストリーが長々と続いたなら、日本史に興味ゼロの私は飽きてしまうのではという不安がありました。または茶道の歴史や御作法など、これまた同様にお勉強チックであったとしても挫折するだろうと思っていました。しかしこの懸念は、読み始めからそれはもう気持ち良いくらいに一掃されます。 序盤にある、赤瀬川原平目線の前衛芸術論がシンプルかつ的を射ていて、読み進めるたびに嬉しさすら感じるのです。全文パンチラインと言ってもいいほど。最初の数十ページでもう幸福感でグロッキー。読み進めるワクワク感がありがた迷惑なことに流し読みを許さない。読んでいて楽しいのに全部逃さず平らげようとするから数ページ読んで満腹になり、胃もたれならぬ脳もたれ、食べ疲れがおきてしまったので少しずつ小分けに読んだ程でした。気に入った文の上にフセンを貼っていたら、おびただしい数になって本の上端だけ厚みが2倍くらいになってるかもしれないです。 もちろん利休と秀吉の関係などにも触れますが、歴史の勉強然としてでなく、いち人間関係の妙であったり、両人の価値観・美意識がぶつかり合う空中戦を見ているようで、とてもスリリングです。 古代より今日まで続いている芸術というムーブメント、それは人間にとってどういう作用があるのか。そういった動きが、実生活にどう現れているのかをあらためて知ることができます。 この本を読んだ後では、何万回と繰り返し歩いている帰り道ですら、何か新しい変化を感じ取ってやろうとするような気持ちのハリが生まれます。流行り廃りや常識、偏見など、うずたかく積み上がった情報の山に埋もれている「新しい価値」を発見したい気持ち、そして自分オリジナルの感性を身につけたい気持ちでいっぱいです。それは一種の挑戦ではあるけれども、今ワクワクしています。
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下鴨神社の古本まつりで購入。赤瀬川原平さんの千利休像は、一般的な解釈からは離れた独特な解釈なのかもしれないけど、なんだか一理…どころか二理も三理もあるような、妙な説得力があった。お茶の中にある前衛的な世界観がトマソンに結びつくのは面白かった。とても楽しく読めた本だった。
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お茶人が書いたものではないので、内容がわかりやすくニュートラルな感じがしました。サクッと読めます。利休さんかっこいい!と思いました。
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映画の脚本の舞台裏という感じでその点ではたのしく読めます。 利休についてはトマソン物件との対比で語られていて著書独特の視点があり新鮮でたのしく読めます。 もうすこし映画の話があっってもよかったなとは思います。 『千利休―無言の前衛 (岩波新書)』赤瀬川原平
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