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バーボン・ストリート の商品レビュー

3.8

59件のお客様レビュー

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    11

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2011/12/23

かっこいい男といえば、沢木耕太郎である。切れのよい文章、渇いた感性、、、本当に素晴らしい。RPパーカーが好きだとは知らなかった。パーカーってけっこう古い人なんですね。

Posted byブクログ

2011/12/23

描かれているのは、著名人などとの個人的なやりとりなのに、見事にまとまって魅力的な文章になっている、斬新的なエッセイだ。

Posted byブクログ

2011/12/11

山の中で方向を知るにはどうしたらいいかという文章を読んだことがあった。星が出ていたら星で知る。星のないような夜だったらどうするか。木にさわってみればいい、肌のつるつるしている方が南で、苔が生えている方が北だから、というのだ。熊狩りをするアイヌの狩人の智恵であるらしく、同じく山で野...

山の中で方向を知るにはどうしたらいいかという文章を読んだことがあった。星が出ていたら星で知る。星のないような夜だったらどうするか。木にさわってみればいい、肌のつるつるしている方が南で、苔が生えている方が北だから、というのだ。熊狩りをするアイヌの狩人の智恵であるらしく、同じく山で野宿をする時の焚き火には枯れ木を使わないといったことも記されていた。ヤチダモとかアオダモとかの生木を使っておくと燃え終わっても灰にならう燠になっていて、夜中に目が覚めた時でも最初から火を起こさなくてもすむというのだ。 (P.183-184) 若者は常に退屈している。昭和三十年代の石原慎太郎の小説の登場人物も、常に何か面白いことはないかと叫んでいたような気がするし、四十年代の私だっていつもそう思っていた。退屈で退屈でたまらなかった。すべきことはいくらもあるのに、もっと面白いことはないかと思い続けていた。だから、私はよく街をうろついた。(中略) 「テレビは強制的に貴重な時間を奪う。貴重な、というのは、その時間にすばらしいことができるのに、というのではない。退屈で不安な時を奪うからこそ、テレビは敵なのだ。退屈で不安だから、人は何かを考え、作ろうとする。」 (中略) 退屈も捨てたものではないのだ。いや、それどころか、退屈はできる時に深く、徹底的に味わっておくべきなのかもしれないのだ。退屈こそ若者の特権だといえなくもない。 (P. 195-196)

Posted byブクログ

2011/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どのエッセイも秀逸なれど、中でも「角ずれの音が聞こえる」に出てくる≪彼≫が恰好いい。 ≪彼≫の正体は最後に明かされるが、その正体を知った上で再度読み直してみると、さらに≪彼≫の恰好良さが沁みてくる。 恰好良い男はどこまでもカッコいい。

Posted byブクログ

2011/03/17

『バーボン』に惹かれ、パラッとめくったページに『経堂』とあったので購入。 沢木耕太郎さん、初めて読みました。直接会って話を聞いてみたい、魅力的な人です。

Posted byブクログ

2013/12/16

「チェーン・スモーキング」がエンターテイメント重視とするならば、「バーボン・ストリート」は、比較的書きたいものを好きに書いたような印象。 印象に残ったマラソンの話。 物事に一心不乱になることは難しいことじゃない。 しかし、あるとき、風が見えたとき、周りの景色が見えたとき、一心不...

「チェーン・スモーキング」がエンターテイメント重視とするならば、「バーボン・ストリート」は、比較的書きたいものを好きに書いたような印象。 印象に残ったマラソンの話。 物事に一心不乱になることは難しいことじゃない。 しかし、あるとき、風が見えたとき、周りの景色が見えたとき、一心不乱には走れなくなる、と。 一心不乱になることすらすら少ない自分でも、風が見えたことはちょっとある。 そのあとは、確かに走るのを止めてしまった。

Posted byブクログ

2009/11/24

沢木耕太郎と言えば、真っ先に思い浮ぶのは【深夜特急】だろう。【深夜特急】シリーズはいまだにバックパッカーたちのバイブルであり続けているし、僕もいくつか読んだことがあるがその面白さは他の追随を許さないのではないだろうか。【深夜特急】を越える旅行記の登場に期待したいものである。 さ...

沢木耕太郎と言えば、真っ先に思い浮ぶのは【深夜特急】だろう。【深夜特急】シリーズはいまだにバックパッカーたちのバイブルであり続けているし、僕もいくつか読んだことがあるがその面白さは他の追随を許さないのではないだろうか。【深夜特急】を越える旅行記の登場に期待したいものである。 さて、そんな沢木耕太郎が書いたバーボン・ストリートは講談社エッセイ賞を受賞したエッセイ集だ。 文章を書くということに興味大な僕にとっては「こんなエッセイが書けたら・・・」と思える素敵なエッセイの数々。 エッセイというよりは小説に近いのかもしれない。だから続きが気になってページをめくる手が止まらないのだろう。 巻末の解説で山口瞳が「困ったことに『バーボン・ストーリー』のほうが直木賞の候補作品よりも遥かに小説になっていたのである」と述べているように、この作品はエッセイの域を超えているのだ。 読み物として完成されている。エンターテイメントであり、文学である。それでありながら、この本はなにかと問われればエッセイだと答えるのが、この作品の凄いところなのかもしれない。 スポーツ新聞の文章作法や、ハードボイルド、テレビと映画や賭け事などに、沢木耕太郎自身が鋭い視点とお洒落な文体で思いのままを書き連ねる。 日本を代表するトップ・オブ・ノンフィクション・ライターのエッセイ集。 「事実は小説よりも奇なり」なんていう言葉にすなおに頷けるのも、こういう良質なエッセイがあるからこそなんだろうな。 バーボン・ストリートという題名は特に本文とは関係なくて、沢木耕太郎がバーボンが好きだからという理由で付けたらしいけど、この文章はバーボンが似合う。そう言い切って問題はないだろう。 つまり、男のロマンってやつだね。

Posted byブクログ

2009/10/07

7月27日読了。沢木耕太郎によるエッセイ15編を収録した本。ルポルタージュの体裁をとりながら著者の物思い・個性を強く感じさせるというこの人のスタイル、登場した当初は相当に衝撃を持って迎えられたのだろう。対象に密着してその本質を捉えようとする努力を放棄して、悪く言うと自分の思い込み...

7月27日読了。沢木耕太郎によるエッセイ15編を収録した本。ルポルタージュの体裁をとりながら著者の物思い・個性を強く感じさせるというこの人のスタイル、登場した当初は相当に衝撃を持って迎えられたのだろう。対象に密着してその本質を捉えようとする努力を放棄して、悪く言うと自分の思い込み・勘違いを書きなぐる文章だが、男臭いような青臭いような抑制されたトーンが全編を覆っていて、つまらなくはない・・・内容にさほど深みはないが。

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2009/10/07

ポケットに詰まっているもの。気の抜けたサイダーのような顔。一節一節が、あぁーそんな感じ、て妙な納得をもって受け入れられる。

Posted byブクログ

2009/10/07

-そう思った瞬間、私はその頃の「本物の退屈」からどれほど遠ざかってしまったかということに気がついた- 沢木耕太郎のエッセイは、起承転結がしっかりしている。特に、最後の落としどころが予想外、というか洒落ているというか・・・。読後に爽快感が残る。この落としどころのうまさは星新一のよ...

-そう思った瞬間、私はその頃の「本物の退屈」からどれほど遠ざかってしまったかということに気がついた- 沢木耕太郎のエッセイは、起承転結がしっかりしている。特に、最後の落としどころが予想外、というか洒落ているというか・・・。読後に爽快感が残る。この落としどころのうまさは星新一のよう。それに、自虐ネタを多用するのに、実際には自分の品位を落とさないあたりは林真理子的?タイトル通り、バーボン片手に読みたい。講談社エッセイ賞受賞作。

Posted byブクログ