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人はいかに学ぶか の商品レビュー

3.8

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

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2023/10/15
  • ネタバレ

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渡辺道治先生の紹介を聞いて手に取った。 人は怠け者ではなく、能動的で有能な学び手であるという立場に立った上で、論が展開されている。 「子どもを信じる」という、まさにこの一言に尽きる。教師の仕事は「教える」よりも「支援する」という側面を大切にすべきである。 私の好きな「AさせたいならBといえ」思考とも通ずるところがあり、環境を整えたり学習形態を工夫したりして、子どもたちが「やりたい」「知りたい」と思えるような環境を作り出すことが大切。 これは幼児教育でも大切にされている部分である。 エキスパートは類推力(転化力)が高い、親への教育は効果絶大、余裕があってこそ学びに能動的になれる(思考の整理学と通ずる)といった内容も印象的であったが、今現在の私に刺さったのが次の文である。 "教育行政が果たすべき最も重要な仕事は、教師がこのように能動的で有能な学び手でありつづけることを保証することである。教育の活動をさまざまな形で管理して、彼らを受動的で無能な存在におとしめることであってはならない。"

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2023/08/22

■■評価■■ ★★★☆☆ ■■概要・感想■■ ○研究論文を引用して、学びに関する説を客観的に評価している本。比較的好印象。 ○ただs,読み物としてすごい面白如何はなく、論文を読んでいる感覚があった。 ○本書は1989年に出版された本である。学校許育についての1989年時点の主張...

■■評価■■ ★★★☆☆ ■■概要・感想■■ ○研究論文を引用して、学びに関する説を客観的に評価している本。比較的好印象。 ○ただs,読み物としてすごい面白如何はなく、論文を読んでいる感覚があった。 ○本書は1989年に出版された本である。学校許育についての1989年時点の主張と、2023年での主張の方向性は、ほぼ一致する。 ■■心に残ったこと■■ ●「人間(子ども)は、怠けもの、かつ、無能であるので、学習にはよい教え手と、彼らによる信賞必罰(つまりテスト)が必要である」という概念は、非常に限定的な環境(人でない動物実験)で結果が取られたものなので、すべてのことがこれに当てはまるわけではない。 ○必要は発明の母。必要だから学ぶし、そこにはわからないことを確かめたい・明らかにしたいという、好奇心・探究心やハングリー精神のようなものがあるんだと思う。

Posted byブクログ

2023/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一文まとめ 人は決して、怠け者でも学習に対して消極的でもなく、本来は自発的に学ぶ優れた学習脳力を有しており、教育では受動的に教え込まれるのではなく、いかにその学習能力を引き出すかがとても大切。 以下感想 「人はいかに学ぶのか」 人は常に学習する生き物なのに、勉強になるとどうして主体性が失われるのだろう。この素朴な疑問に対してわかりやすく丁寧に書かれている。 まず、勉強と日常の違いは必要感・動機付けや知的好奇心を持ってそのことに取り組んでいるかだ。 このことから、教師などの教える立場にある人の大切な視点は「いかに効率良く教えるか」という教え手中心の視点から「いかに学び手の興味関心をひくなどをして、知的好奇心を刺激するか」という学び手中心の視点へと変わらなければいけないと感じた。 ただ、日常の学びのみでは、理解が浅かったり、不十分になったり、本当の面白さに気づけなかったりすることもあるので、学び手自身の知的好奇心を刺激し、主体的に学べるようにしながら教科の本質的な面白さに気づけるような授業デザインや環境設定こそが教師の仕事なのだろう。 他にも、 「対話は正解を求めるためではなく、知的好奇心を刺激するために行う」や 「道具を使うことは人間の優秀さを発揮しやすくする」 「日本の教育システムは物知りが評価されやすいシステム」 「知識があるからこそ学びやすい」 など、今の主体的・対話的で深い学びやICT活用・授業改善の考え方につながる文章も多かった。 その中でも一番印象に残ったのは、 「うまくできるという結果を重視しすぎると、深い理解を阻害してしまう可能性がある」ということだ。 学び手はどうしても結果や手っ取り早さに目が行きがちになる。ただ、その結果、手続き的な面での習熟に終始してしまったり、本来感じられるはずだった教科の本質的な面白さに気づけずに知的好奇心を刺激できない可能性があるということだ。 だからこそ、教え手がいかに、学び方や、学習の過程、そして失敗や試行錯誤の価値を信じ、伝え続けていくかが大切だなと思った。 これからも、「教え込む」ではなく、「学び手の優秀さを引き出す」という価値観で教師として子どもたちと向き合っていきたい。

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2021/08/14

教育をポジティブに捉え直すことができる一冊。 子供の潜在的な能力・興味関心を引き出せるような対話的な授業ができる教員になりたいと思った。 子どもたちの能力に期待する姿勢を忘れないようにしたい

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2021/02/03

会社の研修部門時代の参考書。学びについて心理学的に考察した本。 課題をやり遂げ成功体験を積むことが必要。基本を時間を掛けて学べば、その後の理解度は急速に上がる等々、自分の仕事を進めるうえでも参考になった。 学習、講習、研修を受ける前にこういう基本の基本的な事を知っておきたかった。

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2016/11/13

人は本来知的好奇心が強く、日常(学校教育の外)において自ら環境に働きかけ能動的に学習し能力を磨いていく、ということが実際の研究成果に基づいて示されている。真新しいことが述べられているわけではない。述べられているのは誰もが感覚的には知っている事柄であるが、それが実験結果によって裏付...

人は本来知的好奇心が強く、日常(学校教育の外)において自ら環境に働きかけ能動的に学習し能力を磨いていく、ということが実際の研究成果に基づいて示されている。真新しいことが述べられているわけではない。述べられているのは誰もが感覚的には知っている事柄であるが、それが実験結果によって裏付けられているため説得力がある。個人的には本書で指摘されるまで気づかなかったことや、より的確に言語化されていることがあり、ためになった。自然な形で行われる「学習」についての基本的な事柄を、より正確に理解することができる本と言えると思う。 本書は学校教育の改革を念頭に置いて書かれているが、むしろ家庭での子供の教育において活用できることが多いと思った。この本の最後では、要するに人間に本来的に備わる知的好奇心を活用し、能動的な知識の習得がなされるように教育を見直すべきだと提言されている。それはその通りだと思うが、実際問題として実現は困難な道だとも思う。それよりも、個々の親が本書のような本を読んで、子供の能動性や知的好奇心を損なわないような接し方を心掛ける方が早道ではないかと思った。最近検討されているアクティブラーニングの具体的な導入の仕方などを考える上で読むのにもよいかもしれない。

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2016/08/27

人間は本当は賢いし自ら学ぶ生き物です。その環境要因の1つとしてガスバーナーとスイッチの組み合わせの事例が、学習しやすい環境の例としてあがっている。このエピソードはユーザビリティ目線でしかしらなかったのでちょっと新鮮だった。ここでノーマンの名前も出てきています。仕組みが徐々に理解で...

人間は本当は賢いし自ら学ぶ生き物です。その環境要因の1つとしてガスバーナーとスイッチの組み合わせの事例が、学習しやすい環境の例としてあがっている。このエピソードはユーザビリティ目線でしかしらなかったのでちょっと新鮮だった。ここでノーマンの名前も出てきています。仕組みが徐々に理解できるようになると、もともと好奇心の強い人間はさらに知りたくなり、どんどん覚えて、修理までできるようになるかも=学びやすく覚えやすくするためにコンテクストに沿って設計することが大事とか、共に学ぶことにより理解度が深まる例とか、こどもへの教育ではなくその親への教育が大事、とか、まさに最近も話題になる話ばかりですね。「メリケン粉」という表現が出てきて初めて、初版(1989年)を確認しました。ただちょっと事例が少ないかなと思ったので、、、。

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2016/06/27

知的好奇心に満ちたヒトは、もともとわからないことを確かめたい、明らかにしたいという探求心を持っている。 幼児や学生の様々な事例からこれを証明している。 ただ、その事例が料理や計算、語学など、生活に必要なものに限られていて、それ以上の学びについては否定的なように読めた。 日本の詰め...

知的好奇心に満ちたヒトは、もともとわからないことを確かめたい、明らかにしたいという探求心を持っている。 幼児や学生の様々な事例からこれを証明している。 ただ、その事例が料理や計算、語学など、生活に必要なものに限られていて、それ以上の学びについては否定的なように読めた。 日本の詰め込み型の教育を批判し、必要の無いものまで記憶するよう強制する今の教育では、ヒトの自発的な意欲からの学習は望めないのではないか。 同じ著者の別の本も読んでみたい。

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2015/05/16

7、8、9、10章あたりがいい だいぶ前に出された本だが、今必要とされてることと同じことを言ってるよう それだけ筆者に先見の明があると言えるが、教育界がそれだけ進歩してないとも言える 10章の最後で述べている行政のすべき仕事。大学からプログラムが下りてきてそれを実行するに過...

7、8、9、10章あたりがいい だいぶ前に出された本だが、今必要とされてることと同じことを言ってるよう それだけ筆者に先見の明があると言えるが、教育界がそれだけ進歩してないとも言える 10章の最後で述べている行政のすべき仕事。大学からプログラムが下りてきてそれを実行するに過ぎないアメリカとちがって、個人が創意工夫できる日本の良さ。 そんなことを述べていたのに、現在の日本教育界はまったく逆のほうに行っている。 言語活動、アクティブラーニング、すべていいことにはちがいないのだろうけど、この本で主張しているような、応用の効く知識に向かわなければ意味がないことは、わかっているのだろうか 必然性があってこそ、子供達は能動的に学ぶことなどは、算数の教科書の導入を見ていても簡単にわかるが、その構成の意味をどれだけの先生が理解して授業しているか クラスの実態に合わせて教科書の使い方を変えているか 認知心理学を学んだうえで授業をつくるとつくらないとでは大違い、と感じさせるに十分な一冊

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2015/02/24

様々な事例をもとに、学びかたを知ることができる一冊。日常に潜む学び、好奇心が導く学び、他人を見て気づく学び、子供の遊び歌の意外な効果、などなど。学習法を知ることは、有能な学び手になれる近道だね。

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