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蝉しぐれ の商品レビュー

4.6

20件のお客様レビュー

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2025/04/11

https://opac.lib.hiroshima-u.ac.jp/webopac/BB01975390

Posted byブクログ

2022/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文四郎の真っ直ぐな性格が気持ち良い。彼の成長に沿ってエピソードが積み重なっていくが、例えば台風時の父の善行のエピソードなども、後半に回収されるというふうに、無駄がない構成となっている。 敵方の謀略に巻き込まれてから、横山派におふくを届けるまでの緊張のシーンも、各場面転換が早く、退屈することなく一気に読めた。 最後は20年後の文四郎とおふくが一度だけ結ばれる。ここでやらないと綺麗な小説すぎて興醒めなので、据え膳食ってくれて読後感が良い。 時代小説が面白いのは、現代と当時の日本人の生活や価値観の違いを知り、その差異の優劣を自分の中で内省できる点だと思っている。 例えば以下のような点: 養子縁組も多く、家長制だったため、親に逆らう反抗期などもなく、この文四郎のように15歳でも成熟している。 職業選択の自由もなく、お上から与えられた仕事ごとに、例えば「鍛冶屋町」などのように住む場所も藩命で決められる。 逆に、禄高も決められているという意味で、これ以上もこれ以下もないので、諦めとも安定感ともとれる不思議な感じで生活している。 不手際があれば切腹、禄高も減封や召し上げ、役職も降格、一家強制転居など、厳しい仕打ちがあるが、父が切腹した文四郎のように、武士のプライドでもって静かに受け入れる価値観。 剣道場や学問所で研鑽する。暴力によるいじめ、しごきがある。 少女ふくのように、召し抱えられた先で殿様の側女となり、貧しかった親がそれだけで出世する。 追記:この本も星5の面白さですが、後日読んだ「高瀬庄左衛門御留書」はさらに上ゆく面白さかもです。

Posted byブクログ

2017/09/23

幼い恋心が美しく描かれている。その想いが叶うことはなかったが、人生を進む中で、いつも心のどこかにあった。幼き日の思い出の映像が、ふとよぎってくる。心情がリアルに、美しく書かれていて心に迫った。目頭が熱くなった。

Posted byブクログ

2017/04/28

時代劇小説はそれぞれの作家に作風があり、好き嫌いがある。藤沢周平時代劇の本格長編は初めてだったけど、とても印象深い、良書。丁寧で配慮の行き届いた背景説明や人物描写、ストーリーの組み立て、展開、すべて、とても時間軸の長い小説だが最後まで飽きさせることがなかった。夢中になって読み終え...

時代劇小説はそれぞれの作家に作風があり、好き嫌いがある。藤沢周平時代劇の本格長編は初めてだったけど、とても印象深い、良書。丁寧で配慮の行き届いた背景説明や人物描写、ストーリーの組み立て、展開、すべて、とても時間軸の長い小説だが最後まで飽きさせることがなかった。夢中になって読み終えました。主人公も周辺の人もすべて、すがすがしく、さわやかで、それでいて人間味にあふれ、いきいきと描かれていて感情移入しやすかったし、主人公のまだ子供といってもいい時代から最後の壮年まで、時代の中で成長する姿に一喜一憂した。主人公ともう一人の重要人物、幼馴染の女性との関係が物語りに彩りを添えていて、その作者の意図は成功していると思いつつ、ただ、最後の展開は一読者として、ほんのちょっと照れくささを感じた。悪くはないんだけど。

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2016/09/19

『のぼうの城』で時代小説に入ったいくことができて、『超高速!参覲交代』で時代小説でも読みやすく面白いことを教わり、『影法師』で大いに感動した。そして『蝉しぐれ』。 なんという壮大な物語なんだろう。この時代の人物は戦国時代とまではいかなくとも、生と死が隣り合わせで、いつ死が訪...

『のぼうの城』で時代小説に入ったいくことができて、『超高速!参覲交代』で時代小説でも読みやすく面白いことを教わり、『影法師』で大いに感動した。そして『蝉しぐれ』。 なんという壮大な物語なんだろう。この時代の人物は戦国時代とまではいかなくとも、生と死が隣り合わせで、いつ死が訪れるかもわからない時代だから、生き方が本当に熱く、心が大いに揺さぶられる。しかし、恋に関してはなんて不器用なんだろう。 最後、お福と一度だけ結ばれたのは良かったが、なんでもっと早くこうすることができなかったのか。また、その未来は変えることができなかったのかと本当に切ない。この文四郎とお福は、この一度だけの交わりを大切な思い出に生きていくのだろうと思うと苦しくなる。

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2016/05/23

今は少なくなった、清流と木立にかこまれた城下組屋敷。淡い恋、友情、そして忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士をえがく 降り注ぐ蝉しぐれの中、聴衆の目の中、父の亡骸の載った荷車を引きながら帰る文四郎の心情を思うと泣きそうになる。元服前の少年が背負った苛酷な運命にも青竹...

今は少なくなった、清流と木立にかこまれた城下組屋敷。淡い恋、友情、そして忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士をえがく 降り注ぐ蝉しぐれの中、聴衆の目の中、父の亡骸の載った荷車を引きながら帰る文四郎の心情を思うと泣きそうになる。元服前の少年が背負った苛酷な運命にも青竹が伸びるかの様に剣術に打ち込み真直に育つ。“秘剣村雨”を動きの描写だけでなく心理・知覚描写で匠に読者を惹きつけるのは藤沢周平ならではである。

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2014/10/21

清流とゆたかな木立にかこまれた城下組屋敷。普請組跡とり牧文四郎は剣の修業に余念ない。淡い恋、友情、そして非運と忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を、精気溢れる文章で描きだす長篇!

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2013/09/13

これほど世界に紹介すべき日本文学もないでしょう。As well as 息子ができたら紹介するべき作品も。

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2013/01/09

読み終えた後も、しっとりとした余韻に浸れる作品。 同じタイトルの映画を二本 市川染五郎と木村佳乃、原田美枝子、内野聖陽と水野真紀 個人的には前者の方が良かった気がする。原田美枝子、存在感があって好きだな。 観終わって、原作を読みなおすと、細かな描写が読み取れて、もっと藤沢...

読み終えた後も、しっとりとした余韻に浸れる作品。 同じタイトルの映画を二本 市川染五郎と木村佳乃、原田美枝子、内野聖陽と水野真紀 個人的には前者の方が良かった気がする。原田美枝子、存在感があって好きだな。 観終わって、原作を読みなおすと、細かな描写が読み取れて、もっと藤沢周平作品に触れてみたくなった。

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2012/10/16

時代小説。江戸時代。長編です。 こちらの本の分厚さにちょっと読む前に圧迫感があったのですが、すいすい読めます。青春小説とも言えるでしょうか。 牧文四郎と逸平、与之助は同じ道場と塾に通う仲間である。文四郎は剣に、与之助は学問に秀で、逸平は人物である(少々悪ぶっているが)。 文四郎...

時代小説。江戸時代。長編です。 こちらの本の分厚さにちょっと読む前に圧迫感があったのですが、すいすい読めます。青春小説とも言えるでしょうか。 牧文四郎と逸平、与之助は同じ道場と塾に通う仲間である。文四郎は剣に、与之助は学問に秀で、逸平は人物である(少々悪ぶっているが)。 文四郎は牧家の養子で、あるとき父の助左衛門は藩の抗争に巻き込まれ切腹、牧家は家こそ潰されなかったが大幅な減禄と住居の移転を余儀なくされる・・。 文四郎等3人の友情とかつて隣家の娘だったふくの行く末。 勢力争いに立ち回りと読み手を飽かせない。 作者の作品は3冊目だが、これが一番よかった。 私の時代小説観を変えてくれる爽やかな小説である。

Posted byブクログ