エビと日本人 の商品レビュー
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1988年刊行。著者は上智大学外国語学部教授。現代日本で大衆食と化した海老を定点とし、第三世界と日本との関係性を問う著。鶴見良行著「バナナと日本人」の続編的位置づけ。という意味で、主題・内容は予想される範疇を超えるものではない。また、環境問題、特に生態系破壊という問題意識が希薄なのは刊行年次によるものか。ただ、海老の国内販売の中核が冷凍・加工食品である点で、他の水産物や農産物と流通の在り様が違うのは、全然異質の問題意識として興味を引く(日本の食品卸の問題点という意味)。
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今更だが読了(高校の課題図書だった記憶…20年前か)。エビ、関わる人々に思いを馳せて食べよう…。身近な一つの食材の背景を探ることで、社会や世界のつながりを知る、というのって、当時新しいフィールドワークの手法だったのかな。
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もともと輸入されているのエビの現状が とてつもなく悲しいものであるというのは 知ってはいました。 この本に書いてあるのはやはり 想像通りの内容でした。 いろいろと考えさせられるのは むやみな食というものが 自分たちの首を絞めてしまうということ。 そしてその後に思い知らされるとい...
もともと輸入されているのエビの現状が とてつもなく悲しいものであるというのは 知ってはいました。 この本に書いてあるのはやはり 想像通りの内容でした。 いろいろと考えさせられるのは むやみな食というものが 自分たちの首を絞めてしまうということ。 そしてその後に思い知らされるということ。 結局エビ好きは 踊らされている、ということなのかもしれません。
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エビ・日本人 =で結んでも問題ないほど強い絆で結ばれる両者を切り取って一冊にした視点が面白いと、思わず手に取り読む。 う~ん、なるほどっ!合点がいくとこや気づきはあったので面白くて読み進むも、 はてメインメッセージは? も少し強い著者の主張を感じたかったなぁと思う。
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これを読む前に「バナナと日本人」が先ですが、この本を先に呼んだので紹介。 エビの本ですがエビの本ではありません。 1970年代から資本主義によるグローバルな経済が行われていたと実感できます。 エビを獲る人々 エビという生き物 エビを育てる人々 エビを加工する人々 エビを売る人...
これを読む前に「バナナと日本人」が先ですが、この本を先に呼んだので紹介。 エビの本ですがエビの本ではありません。 1970年代から資本主義によるグローバルな経済が行われていたと実感できます。 エビを獲る人々 エビという生き物 エビを育てる人々 エビを加工する人々 エビを売る人、食べる人 1970年代からエビに関わるビジネスは、台湾、中国、東南アジア全域を含んだグローバルなビジネスになっています。 エビという商品一つとっても、これだけの国と、エビを商品として届けるまでにどれだけ多くの人が関わっているのか、読むことで理解できます。 予想以上のスケールの大きさに圧倒されます。 資本主義の露骨な貧富の差や、欧米の容赦ないアグリビジネスのやり方なども見たいならば、「バナナと日本人」がよいと思います。 大学1・2年生の間に読むべき本だと思います。
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目次(抜粋): プロローグ 1 エビを獲る人びと ――トロール漁の現場―― 2 エビという生き物 ――生態・種類・獲られ方―― 3 エビを育てる人びと ――養殖をインドネシア・台湾に見る―― 4 エビを加工する人びと ――調味料づくり・殻剥き・箱詰め―― 5 エビを売る人、食べる...
目次(抜粋): プロローグ 1 エビを獲る人びと ――トロール漁の現場―― 2 エビという生き物 ――生態・種類・獲られ方―― 3 エビを育てる人びと ――養殖をインドネシア・台湾に見る―― 4 エビを加工する人びと ――調味料づくり・殻剥き・箱詰め―― 5 エビを売る人、食べる人 ――この四半世紀に何が起きたか?―― エピローグ あとがき
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エビの種類やエビ業者の話など、その情報量の多さに感心した。著者は上智大教授であり、ジャーナリストではない。このあくなき好奇心と取材力は評価に値する。著者が述べる通り、エビは日本人にとって重要なモノになりつつある。なぜなら、輸入量世界1位であり、またエビが輸入占める割合が1位である...
エビの種類やエビ業者の話など、その情報量の多さに感心した。著者は上智大教授であり、ジャーナリストではない。このあくなき好奇心と取材力は評価に値する。著者が述べる通り、エビは日本人にとって重要なモノになりつつある。なぜなら、輸入量世界1位であり、またエビが輸入占める割合が1位である(った)からだ。また、私たち日本人にとってシーフードという言葉から想起される魚介類は、エビであることが多いのではないだろうか。エビの種類などから、エビ産業についての分析まで、この本の射程は広い一方で、著者が上智大の外国語専門であることも重なり、その分析はやや浅いものであることは否めない。例えば、「日本人がエビを輸入することは現地にとって、損にはならない」という商社マンの言葉に対して、慎重な態度をとっていたり、エビ産業における搾取を国内政治の問題あるいはグローバル経済の問題と捉えたりしているが、分析上の物足りなさを感じる。ただ、一介のジャーナリストでもこれほどの情報を調べることが珍しいという意味でも、またエビの問題を考えるきっかけになりえるという意味で、この本は優れている。先程の商社マンの言葉を見て、城山三郎の小説にあった「一流の商社マンは法を破る」という言葉を思い出した。
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地産地消とかフードマイレージという言葉が気になったので、古いけど何も読まないよりは。 と思って手にとった一冊。 日本人が大好きなエビ。ではそのエビはどうやって私たちのお皿の上にくるのか? 昔はめったに食べられなかったのに、今はなぜこんなにも簡単に手に入るのか? どういう人が働いていて、どんな形で獲られていて、どんな形で運ばれてくるのか? を生産者や中間業者に直接コンタクトを取り、生の声でその全貌がまとめられています。 読んだあとは、お皿の上のエビについて深く考えてしまいました。 このまま輸入し続けていいのか?って。 30年前にこの事に危機感をもって調べた著者がスゲーです。
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30年前の本なのでデータはやや古かったですが。 マングローブの根元で、プランクトンを索餌するエビを想う。 そのエビを三角網で漁獲する漁師たちの伝統的漁業を想う。 国際市場で需要と供給が結びつくことを、多面的に考える。 漁業は特に蛋白源供給以上の意味を 地域にもたらしていることが多いので、 国際商品としての魚介類を見るとき、その視点は忘れてはいけないのだなと 当たり前のことですが、思いました。 中身を知って、買う。
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インフルエンザと言えば副作用が話題のタミフルですが我が家でも僕を始め何人かが飲みました。 タミフルは厳密にはインフルエンザを治さない(活動を鈍らせるだけ)上に異常行動等の副作用があると報道されていましたね。そして新型インフルエンザにも有効だと言うので国家を挙げての備蓄計画まである...
インフルエンザと言えば副作用が話題のタミフルですが我が家でも僕を始め何人かが飲みました。 タミフルは厳密にはインフルエンザを治さない(活動を鈍らせるだけ)上に異常行動等の副作用があると報道されていましたね。そして新型インフルエンザにも有効だと言うので国家を挙げての備蓄計画まであるとか。 そのタミフルは特許の関係で、スイスの製薬大手ロシュが一社独占で作っているんですと。そして世界規模で見ると生産量の約8割を日本が消費しているとか なぜか? ほとんどの国ではインフルエンザは薬であわてて治さなければいけないほどの病気だとは認識されていない。2,3日熱は出るものの安静にしていれば治るもの、あくまで風邪の一種。との認識が一般的らしいです。 そこで連想したのが「エビ」です。 エビ!? そうエビです。エビちゃんじゃありませんよ、海老です(笑)。 みなさんやみんさんの回りにもエビ好きな人って多いでしょ? 日本は世界に冠たるエビ好き民族です。ですが沿岸からの漁獲量だけではその胃袋を満たせず、日本でのエビの消費の9割は外国からの輸入なんですと。 この本を読むとそんな事が書いてあります。 http://chatarow.seesaa.net/article/123746593.html
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