高い窓 の商品レビュー
大家チャンドラーが描…
大家チャンドラーが描くハードボイルド小説。独特の文体、ストーリー展開の妙にはまりましょう。
文庫OFF
結局あの紛失したコインはなぜ戻ってきたのだろう? 最後の謎の解き明かしでもクリアに納得はできなかった。 難しい。 これで、チャンドラーの長編6作を読み終えたが、ほとんどが消化不良。 すべて再読しないとだめだろう。
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『大いなる眠り』、『さらば愛しき女よ』と続いたフィリップ・マーロウ3作目の本書は一転して地味で素っ気無い題名。題名というのは読書意欲を喚起させるファクターとして私は非常に大事だと思っているのだが、文豪チャンドラーの作品とは思えないほど、飾り気のない題名はちょっと残念。 マーロウ...
『大いなる眠り』、『さらば愛しき女よ』と続いたフィリップ・マーロウ3作目の本書は一転して地味で素っ気無い題名。題名というのは読書意欲を喚起させるファクターとして私は非常に大事だと思っているのだが、文豪チャンドラーの作品とは思えないほど、飾り気のない題名はちょっと残念。 マーロウは盗まれた時価1万ドルと云われる初期アメリカの古銭を探してほしいという依頼を受ける。それはマードック夫人の亡き夫の遺品であり、夫人は息子の嫁で歌手のリンダが盗んだと疑っていた。 事務所に戻ると夫人の息子レズリーがいた。レズリーは妻のリンダのかつての勤め先のナイトクラブのオーナーに借金があり、金に困っていたと話す。マーロウはリンダを探しにそのクラブに行くが、オーナーはおらず、リンダの友達だったその妻と逢う。 さらにマーロウは自分を尾行している探偵フィリップスに気づく。彼はコイン商に雇われていた。彼の話では件のコイン商が所有しているとの事で、マーロウはコイン商に逢い、1万ドルで買い戻す取引をする。 マーロウが金を取りに行く途中でフィリップスのアパートに立ち寄るとそこには彼の死体が転がっていた と、この話は抜き出してみても非常に人が入れ替わり立ち替わりして、訳が解らなくなる。一体この小説のメインプロットは何だったかと、読者は困惑することだろう。要約すれば盗まれたコインを探すうちに、容疑者であるリンダを捜索を端緒に調査を始めると、件のコインに関係する人々が次々に殺され、依頼人に纏わる秘密が浮き彫りになるという内容だ。 しかしチャンドラーは雰囲気で読む作品だ。例えばこんな文章にハッとさせられる。 「家が視界から消えるにつれて、私は奇妙な感じにとらわれた。自分が詩を書き、とてもよく書けたのにそれをなくして、二度とそれを思い出せないような感じだった」 こんな経験は誰でもあるのではないだろうか?こういう言葉にしたいがどういう風に言い表したらいいのだろうかともどかしい思いをチャンドラーは実に的確に表現する。 詩的なのに、直情的。正に文の名手だ。 本作では依頼人の秘書のマールと運転手のキャラクターが鮮烈な印象を残す。 特にマールの存在については現在にも繋がる問題として、読後しばらく考えさせられてしまった。金満家の未亡人の世間知らずな側面が招いた悲劇を描いたこの作品はロスマクにも影響を与えているのではないだろうか。
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私立探偵フィリップ・マーロウの三作目。 裕福な未亡人に盗まれた金貨探しを依頼される。 今回は際立った個性の脇役がいなかったせいか、今一つ。 ハードボイルドの生みの親とされているが、 暴力シーンは思いのほか少ない。 死人はでるが、酷くはない。 物足りないという訳ではないが、肩透...
私立探偵フィリップ・マーロウの三作目。 裕福な未亡人に盗まれた金貨探しを依頼される。 今回は際立った個性の脇役がいなかったせいか、今一つ。 ハードボイルドの生みの親とされているが、 暴力シーンは思いのほか少ない。 死人はでるが、酷くはない。 物足りないという訳ではないが、肩透かしなのかも。
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ロンググッドバイからの流れでチャンドラーのマーロウ7長編リレーを敢行したが、ちょいとこれは話の流れで複雑でいろんな要素が絡み合ってるせいか、読んでてロンググッドバイほどの謎解きの爽快感はあんまり感じないかな。でもやっぱりブレない男マーロウのセリフまわしは抜群にしびれます。
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謎解きの部分が後付っぽく感じてしまったところはあったんだけども、フィリップ・マーロウが人に優しいところが好きだったなぁ・・・。気取ってんだろうけども嫌味ない感じした!
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フィリップ・マーロウものの長編はこれで全部読み終わったことに… 7編しか書かれていないことが悔やまれてならない。
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皮肉と諧謔の応酬の激しいこと激しいこと。途中でついていけなくなって、言葉通り受け取っていいのかわからなくなることも。でもその位振り回されるくらいが掛け合いのノリを楽しめて自分にはちょうど良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
マールのキチガイっぷりがたまらない。マーロウの「どうにかしてくれ」感がひしひしと伝わってくる。誰も得をせず、誰も幸せにならない。かろうじてマールが救われたような気がするが、本人はそうは思わないだろう。少なくとも当面は。徒労感に襲われる。面白かったけどね。
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『長いお別れ』よりもこっちが好き。ミステリとしての謎はすぐ割れちゃうけど、なによりチャンドラーは文章がいい。
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