クレヨン王国の赤トンボ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
先生のユニコーンの童話が素敵だった。 どの童話もユーモアがあって面白い。 そもそも、オーブンで童話集を焼くと赤とんぼが登場するというのが奇天烈。 さらに童話の作者とリンクしているという。 手紙のやりとりからは先が気になり、感動的だった。
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児童文学作家さんの五感は子どもの頃で止まっているんだろうか。読んでいると小学生の頃の世界の見え方が想起され、タイムトラベルをした感覚に陥る。 物語は間違って童話集をオーブンで焼いてしまい、そこから1匹の赤トンボ“ふじみ”が飛び出した所から始まる。童話をオーブンで焼くという発想...
児童文学作家さんの五感は子どもの頃で止まっているんだろうか。読んでいると小学生の頃の世界の見え方が想起され、タイムトラベルをした感覚に陥る。 物語は間違って童話集をオーブンで焼いてしまい、そこから1匹の赤トンボ“ふじみ”が飛び出した所から始まる。童話をオーブンで焼くという発想!そして死なない赤トンボが浮き彫りにする少女の生について。正直クレヨン王国シリーズの詩はむず痒くなってあまり好みではないのだが、本書の詩は琴線に触れた。心が澄み渡る1冊。
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子供の頃にはあまり理解出来なくて、冒頭の魔法使いを探す遊びしか覚えていなかった。 何度も読んだはずなのに、断片は覚えていても全体のストーリーが頭に入らなかったのだ。 肝心の赤とんぼの名前も「よしえ」だと勘違いしていた。(ここが一番のテーマでもあるのに!) 今改めて読んでみると、...
子供の頃にはあまり理解出来なくて、冒頭の魔法使いを探す遊びしか覚えていなかった。 何度も読んだはずなのに、断片は覚えていても全体のストーリーが頭に入らなかったのだ。 肝心の赤とんぼの名前も「よしえ」だと勘違いしていた。(ここが一番のテーマでもあるのに!) 今改めて読んでみると、経済や教育、人々の生活の変化などいろんなものが揺り動いた昭和の時代を切り取っていたことに驚く。 例えば各家庭の教育方針の違いだとか、美奈代たちのお母さんがシングルマザーでバリバリ働いて他の母親から奇異の目で見られているところなども、まだこの時代には新しかったとも思うし、今の時代に通じているとも思う。 そういえば田舎であった実家の周りでも、この頃から教育ママとか塾とか、激しくなってきていたなあ。 最後に、全体的に良い話ではあるのだけど、美奈代のお母さんの「子供をもうけて命を繋ぐことが生きること」という持論は、今の時代には受け入れられるものではないだろう。 美奈代、菊菜たちも当時小六なら現在は四十六歳くらいか。 今の四十代は必ずしも子供がいるとは限らない。 命を繋がないが自分のためだけに生きているわけでもない、第三の選択をした女性たちも増えてきた世代なのだ。
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心臓の病気やって言ってるのになんでそんなこと書いた手紙送りますか。 ニューヨークを歩けるから入れ替わりたいとか、言われた方、今苦しんでいる当人からすれば、変われるものなら変わりたいよと思うでしょう。 お母さんまで、夢にも思いませんでしたとか、気楽すぎます。 ふじみにトンボらしく生...
心臓の病気やって言ってるのになんでそんなこと書いた手紙送りますか。 ニューヨークを歩けるから入れ替わりたいとか、言われた方、今苦しんでいる当人からすれば、変われるものなら変わりたいよと思うでしょう。 お母さんまで、夢にも思いませんでしたとか、気楽すぎます。 ふじみにトンボらしく生きろなんて、誰がそんなこと言えるのですか、それぞれが、それぞれらしく生きるのが大事ではないのですか。 普通なんてクソくらえです。 彼女たち家族こそ、もっと広い世界を見て回らなければならない気がします。 ふじみはそのきっかけになったのでしょうか。
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ふじみと家族の物語。クレヨン王国の現実舞台の話は少し暗いめのものが多い気がするけれど、これは温かい。『うそ800メートル夢街道』がなんだかとても好き。
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クレヨン王国からやって来た「じっとしていて、なにもしないで、そのかわり、死なない」トンボのふじみ。 ふじみはどんどん本物のトンボへ変化していきます。 生きるってどういうこと? クレヨン王国哲学編。
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もっともクレヨン王国シリーズらしくない一冊。ファンタジーというよりもリアルな描写が光ります。 ネタバレは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120713/1342174272
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