運命のチェスボード の商品レビュー
アンという女が殺され…
アンという女が殺されたという匿名の手紙が届けられたが、死体さえ発見されない。本当に殺人はあったのか?混迷する捜査陣の前にやがて・・・。定評ある人物描写と絶妙のプロットが冴えわたる初期傑作長編。
文庫OFF
天才と評される画家マーゴリスの妹であるアンが姿を消した。時を同じくして、アンという名の女が殺されたことを告発する手紙が警察に届く。 事件性の有無も不確かなまま、ウェクスフォード警部らは捜査を始める。 アンの身辺を探る内にじわじわと事件らしきものが浮かび上がってくる中、事態は錯綜し...
天才と評される画家マーゴリスの妹であるアンが姿を消した。時を同じくして、アンという名の女が殺されたことを告発する手紙が警察に届く。 事件性の有無も不確かなまま、ウェクスフォード警部らは捜査を始める。 アンの身辺を探る内にじわじわと事件らしきものが浮かび上がってくる中、事態は錯綜し、やがて意外かつ皮肉な真相が明らかになる。 たまには名作と言われるミステリが読みたくなって手に取った1967年発表の作品。 簡単に言うと信じられないほど遠回りをして意外な「事件」に到達する話。 ロマンスやコメディ要素も巧みに組み込まれていて、全体的にはやや情緒過多な気もするが、なかなか技巧的な作品で楽しめた。
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どうにも、今の私には、合わない本だったらしい。 まず、どこに重心を置いて読めばいいかわからなかった。 犯人なら犯人、 被害者なら被害者、 刑事なら刑事、 中心になる人物があって、彼に着いていく形で話が進んでいくかというと、どうも違う。 いや、そういう人物がいたにはいたが、これ...
どうにも、今の私には、合わない本だったらしい。 まず、どこに重心を置いて読めばいいかわからなかった。 犯人なら犯人、 被害者なら被害者、 刑事なら刑事、 中心になる人物があって、彼に着いていく形で話が進んでいくかというと、どうも違う。 いや、そういう人物がいたにはいたが、これがさっぱり魅力が無い。 人格が冷たいというか人間味がない。 人を人とも思わない。 しかし、いっちょまえに色気づきはしている。 なんだこいつ。 嫌なやつを通り越して、もはや蔑むべき男である。 「クリスティは人物が書けていない、私は違う」と、 後書きによれば、作者ルース・レンデルはインタビューにそう答えていたようだが、 人物に深みがあろうとなかろうと、いっそペラペラ人間だろうと、 読者が魅力を感じる人物であるかどうかのほうが、よほど重要ではないかと、 私は強く彼女に言いたくなった。 こんな男の後を追う形で話を追いかけていくのは苦痛である。 が、しかし、話の先が気にならないわけではなく、 最後にあっと言わせてくれるかもしれないので、 渋々ながら読み進めていった。 なるほど、うなるべき点のある話ではあった。 実はこれはシリーズものの一冊で、シリーズの中心人物は、ウェクスフォード警部だという。 件の嫌な人物の上司だ。 このウェクスフォード警部は、嫌なやつではなかった。人間味も覗えた。滑稽味さえあった。 シリーズは18冊まである人気作で、これはその3作目なのだそうだ。 『運命のチェスボード』なる邦題は、不評らしいが、私にはそうは思えない。 ルース・レンデルの他の作品は知らない、その書き方もわからないが、 この一冊についていえば、人物を、ひとつひとつの駒のように俯瞰で捉えているようにみえる。 そしてその駒それぞれを、緻密で確かな計算によって、一つ一つ動かしていくのだ。 運命の女神さながらに。 その作風をあらわすのに、ふさわしい邦題だと思う。 この『運命のチェスボード』の評判はよい。わざわざ復刊される本でもある。シリーズ18作もある。 他のシリーズも読んで、たとえばウェクスフォード警部の、作者ルース・レンデルの魅力にいつか気付いたならば、この話の魅力も、私に伝わるかもしれない。 他の作品を読んでみたい気もしている。
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読書中、心が揺れる出来事があったため、内容を十分堪能出来なかったが、通常の読書作法であれば四ツ星、もしくは5ツ星だったかも。 今回の残念な点は2点。 まず登場人物表。これは明快にしすぎだろう。レイ・アンスティは少なくともファーストネームだけでよかったのでは?まあ御蔭で犯人判っちゃったけど。 2点目はタイトル。全然意味を成してないよ。原題『屠殺場に向かう狼』の方が最後に明かされる謎を髣髴させる点で断然勝っている。
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