二つの祖国(上) の商品レビュー
覚悟はしていたが、重い。 上下巻続けて読むには非常に体力を要するね。。。 二つの祖国をもつ人々は、共に両方の祖国から疎まれて生きてきた事実。 紛れもなく“祖国”であるはずの国家からの信頼を得るためにと、血の証しを立てねばならなかった人々。そこに散らされてゆく生命。。。 血を...
覚悟はしていたが、重い。 上下巻続けて読むには非常に体力を要するね。。。 二つの祖国をもつ人々は、共に両方の祖国から疎まれて生きてきた事実。 紛れもなく“祖国”であるはずの国家からの信頼を得るためにと、血の証しを立てねばならなかった人々。そこに散らされてゆく生命。。。 血を分けた肉親でありながら、歴史の運命に弄ばれて敵味方に別れざるを得ない家族。。。 重い。重すぎる。 戦の結末は歴史が証明しているのを考えると、登場人物たちの未来には、どう考えても一抹の光明さえ見出だせそうにない。。。。。 下巻は、そうとうな覚悟をもって読まねばっ。 ★4つ、8ポイント。 2017.02.17.図。 ※主人公の妻が、嫌なヤツすぎる。 ……育った環境のお国柄の違いによる不可抗力でもあるのだろうが。 ※友(“親友”未満)の元妻との、淡く切ない、自覚すらできていない程にかすかな恋心が、やるせない。 ……山崎さんなら、安易に結ばれさせたりはしないだろう(「白い巨搭」で証明?)と思われる点が、、、、、 不倫愛の肯定に嫌悪感を感じる自分にとって、安堵できるような、逆により切なくなるような、、、。
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ブログに記載。https://mietan.wordpress.com/2015/06/30/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E8%B1%8A%E5%AD%90%E8%91%97%E3%80%8C%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%A5%96%E5...
ブログに記載。https://mietan.wordpress.com/2015/06/30/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E8%B1%8A%E5%AD%90%E8%91%97%E3%80%8C%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%A5%96%E5%9B%BD%E3%80%8D%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%93%E3%81%A7/
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第二次世界大戦中の日系二世の話。 僕たちの知らない戦争がアメリカの国内でもあったんだな。 国対国、個人対個人、個人の集合が国であるはずなのに、国と個人がイコールにならないなのは、悲しいことです。 そして、きっと今もこの世界のどこかにはこれと同じ種の悩みを抱えてる人たちがいるとい...
第二次世界大戦中の日系二世の話。 僕たちの知らない戦争がアメリカの国内でもあったんだな。 国対国、個人対個人、個人の集合が国であるはずなのに、国と個人がイコールにならないなのは、悲しいことです。 そして、きっと今もこの世界のどこかにはこれと同じ種の悩みを抱えてる人たちがいるというのは怖いな。
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強い有色人差別の中、生活基盤をゼロから築き上げ米国への忠誠を誓ったにも関わらず日米開戦と同時に全てを奪われ、翻弄されていく日系移民の生き様を描いた作品。 パールハーバーアタック後、12万人の日系移民が砂漠の強制収容所に送られ、その中には米国生まれ米国育ちで米国籍を持つ日系二世や...
強い有色人差別の中、生活基盤をゼロから築き上げ米国への忠誠を誓ったにも関わらず日米開戦と同時に全てを奪われ、翻弄されていく日系移民の生き様を描いた作品。 パールハーバーアタック後、12万人の日系移民が砂漠の強制収容所に送られ、その中には米国生まれ米国育ちで米国籍を持つ日系二世や、先の世界大戦で名誉勲章を大統領府から授与された日系軍人も多くいた。 国とは何なのか、国籍とは何なのか。同民族間の対立がどれだけ悲劇的なのか。戦前の有色人種差別の実態。 今の日本では平和すぎて想像が及ばないテーマを、二重の祖国をもちそれ故に狭間で苦悩する日系人の描写に否が応でも考えさせられる。 山崎豊子の作品は質量共に重く、読むには覚悟がいるけれど読み出すと一気に止まらなく引き込まれてしまう魅力がある。
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日系二世で原爆にやられた人もいたんだ~海賊・ヒャクタたかれさんじゃないけど、2度も原爆を使ったアメリカはおかしいぞ。
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アメリカの国籍を持つ日系人が、ただ日系人だというだけで、迫害されるという理不尽さ。 日本とアメリカの戦争が始まりさらに迫害のレベルがあがる。 日系人のなかでも、アメリカにつくのか、日本につくのか揺れ動く。
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この本に出会うまで、第二次世界大戦中にアメリカに移住していた日系人が迫害されていたという事実を知らなかった。 その史実を知らなかった自分を恥じたし、20代前半で事実を知ることができてよかったと思う。 調べたところによると、物語は半フィクション。 実際のモデルといわれている人物は...
この本に出会うまで、第二次世界大戦中にアメリカに移住していた日系人が迫害されていたという事実を知らなかった。 その史実を知らなかった自分を恥じたし、20代前半で事実を知ることができてよかったと思う。 調べたところによると、物語は半フィクション。 実際のモデルといわれている人物は何人か存在する。 歴史によって隠されてしまった事実。 物語の完成度の高さは言うまでもない。(山崎豊子の作品ゆえ、期待は裏切られることはない。) 読後、日本人としてこの歴史にどう向き合うかという大きな課題を与えてくれた一冊だった。
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(全巻読んでのレビュー) アメリカと日本、二つの祖国の間で揺れる心。 どちらも自分にとって大切な祖国なのに。 日本に生まれて、日本で育った私には生まれ得ない葛藤。 簡単にははかれないものが世の中にはあると高校生のときに実感させられた作品でした。
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不毛地帯、白い巨塔、華麗なる一族などで知られる山崎豊子であるが、僕としてはこの度初めて山崎の作品を手に取った。きっかけは話題のChikirin氏のブログ(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120703)だが、米国旅行の前後に読み、日米関係や戦争に関...
不毛地帯、白い巨塔、華麗なる一族などで知られる山崎豊子であるが、僕としてはこの度初めて山崎の作品を手に取った。きっかけは話題のChikirin氏のブログ(http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120703)だが、米国旅行の前後に読み、日米関係や戦争に関する自分の少ない理解を多少なりとも深めることができたかもしれない。比較的短期間で一気に読んだが、緻密な取材が特徴と言われる山崎作品の神髄を垣間見た気がした。主人公の天羽賢治は日米両国で教育を受けた日系二世であり、主人公の悲惨な運命を通して戦時中2つの祖国の狭間におかれた日系二世の苦悩や不遇がこと細やかにありありと描写されている。山崎はあとがきにおいて以下のように述べている。「日米開戦と同時に、十二万人の日系人が砂漠の奥の強制収容所に送られたことは、今まで漠然と知っていたが、それが事実であり、同法の拭い難い屈辱であったと知った時、強い憤りを覚えた」と。本作はまさに上記の意識を発端としたものと思われるが、誰が責めを負うべきか、何が誤りだったのかということを深く理解ほどにまだ僕は本作品を消化できておらず、またこの史実に対して意見を述べるには慎重にならざるを得ない。本作品が戦争における日系人の惨状と苦悩を理解する上で重要であり、「新しい日米の友好のために」(解説ママ)読むべき作品であるということは確かだろう。ただそれ以上にこのような歴史に思いを馳せた上で僕が感じたのは、自身の信念を貫く重要性である。これまで僕は特に海外でのやりとりにおいて一人の日本人あるいは一個人として、自身の信念を尊重し、堂々と意見し行動してきただろうか。改めて今そう問われれば、易きに流れ、大衆意見に迎合してきた部分が少なからずあったのではないかと反省する次第である。
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太平洋戦争により、在米日系人が強制キャンプに送られてから、主人公の日系二世が語学兵としてオーストラリア司令部に赴任するまで。その中で弟は欧州戦線で戦死する一方、もう一人の弟は日本軍として参戦、その影が米軍側から垣間見える。 認識を新たにさせられたのは戦前のアメリカの人種差別...
太平洋戦争により、在米日系人が強制キャンプに送られてから、主人公の日系二世が語学兵としてオーストラリア司令部に赴任するまで。その中で弟は欧州戦線で戦死する一方、もう一人の弟は日本軍として参戦、その影が米軍側から垣間見える。 認識を新たにさせられたのは戦前のアメリカの人種差別の度合い。今では人権外交を振りかざすという印象だが、戦前はこうも露骨に日本人、あるいは有色人種を目の敵にしていたかと気付かされる。 *今でもそういう気分は一部の人々の中には残っているのだろうが。 戦争の悲惨さ、日米両国の狭間で苦しむ日系二世たち。その時代背景のひとつに、当時のアメリカの白人達の、それ以外の人種に対する差別感が、人間の本性むき出しで向かってくる。
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