さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記 の商品レビュー
平家の没落を描かれて…
平家の没落を描かれている話。激動の世であったはずなのに、淡々と主人公の視点から語られている。そこが、読んでいてつらく思った。
文庫OFF
【第6回直木賞】1937年下期 ・ある程度の日本史の知識として、鎌倉時代の登場人物や出来事を抑えていないと読みづらいので、その辺りに明るくない方は源平合戦のWikiなどで少し勉強してから読むのがおすすめです。私は日本史はからっきしなので読むのが大変でした。 ・猥りに糾さず、もって...
【第6回直木賞】1937年下期 ・ある程度の日本史の知識として、鎌倉時代の登場人物や出来事を抑えていないと読みづらいので、その辺りに明るくない方は源平合戦のWikiなどで少し勉強してから読むのがおすすめです。私は日本史はからっきしなので読むのが大変でした。 ・猥りに糾さず、もってその志を犯さず、機を失わしめず。 ・かく申す拙者こそは、正三位参議どのの末の御ン子、従五位下敦盛どのの御最期をみて、いま悲しみに打たれている篠原の三郎兵衛行康というものである。
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ジョン万次郎に興味があって、3つの短篇のうち「ジョン万次郎漂流記」を最初に読んだ。勝手に司馬遼太郎の『菜の花の沖』(やはり江戸時代にロシアに拿捕された商人、高田屋嘉平を描いた小説)みたいな壮大な娯楽物語を想像しながら読み始めたが、すいぶん雰囲気が違う。大げさな感情描写や細かい時代...
ジョン万次郎に興味があって、3つの短篇のうち「ジョン万次郎漂流記」を最初に読んだ。勝手に司馬遼太郎の『菜の花の沖』(やはり江戸時代にロシアに拿捕された商人、高田屋嘉平を描いた小説)みたいな壮大な娯楽物語を想像しながら読み始めたが、すいぶん雰囲気が違う。大げさな感情描写や細かい時代背景の説明などはほとんどないまま、淡々とした描写が続く。それでいてじわじわ伝わる何とも言えない滋味深さ。読み始めの拍子抜け感から一転、うなりながら読み終えた。次に読んだ「さざなみ軍記」にはさらに感じ入った。一度では味わい尽くせない、文学作品の魅力がすみずみに。またうなる。再読必至。(「二つの話」はちょっとピンとこなかった)。
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(2021/1/24読了) 「ジョン万次郎漂流記」など三編の小説集。 「さざなみ軍記」は、平家の若い武将(知盛の息子に仮託?)の日記として綴られる。小隊長の目線から見た戦の風景が面白い。 文体はやわらくてコクがあるが、お話としての盛り上がりは特になく、まあ、さざなみみたいにゆ...
(2021/1/24読了) 「ジョン万次郎漂流記」など三編の小説集。 「さざなみ軍記」は、平家の若い武将(知盛の息子に仮託?)の日記として綴られる。小隊長の目線から見た戦の風景が面白い。 文体はやわらくてコクがあるが、お話としての盛り上がりは特になく、まあ、さざなみみたいにゆらめいてフツっと終わる。 「ジョン万次郎」も同様で、万次郎の数奇な運命をよどみなく綴ってはいるが年代記風で起伏はない。 もう一編、「二つの話」は時間旅行を先取りしたような内容だが、どことなく間抜けで不思議な趣。 井伏鱒二は、山椒魚などを読んだ気もするが、記憶は定かではない。
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伊坂幸太郎編の短編集の中に井伏鱒二の「休憩時間」があり、そういえば、「山椒魚」と「黒い雨」以外読んだことなかったなあ、と、名前は有名な「ジョン万次郎漂流記」を読んでみた。 司馬遼太郎の作品にジョン万次郎はしょっ中登場するけれど、彼を主人公にするとまた違った物語りに感じた。 漂...
伊坂幸太郎編の短編集の中に井伏鱒二の「休憩時間」があり、そういえば、「山椒魚」と「黒い雨」以外読んだことなかったなあ、と、名前は有名な「ジョン万次郎漂流記」を読んでみた。 司馬遼太郎の作品にジョン万次郎はしょっ中登場するけれど、彼を主人公にするとまた違った物語りに感じた。 漂流者は5人いた訳だが、ジョン万次郎だけが、抜きん出て語学を習得出来て、観察眼に優れていたのは何故か。シンプルに、若く知的好奇心が強くかつ地頭がよかったんだろう。 語学の面では、後に続く者は大量にいただろうから、やがて相対的な価値は落ちていったのだろうが、あの時日本にジョン万が出現した、ということは奇跡のような出来事だと思う。 正しいときに正しい場所にいることの難しさと、そうなった時のダイナミズムを感じる作品だった。
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「さざなみ軍記」は読んでいる時はなんだかやけに淡々とした話が続くなあ、と言う感覚だったのだけど、解説を読んで足かけ9年かけて少しづつ発表して主人公の成長を描こうとした作品だったと知ってなるほどと納得がいった。それにしてもそれだけ長い期間かけて割と短い期間7月から3月までの必ずしも...
「さざなみ軍記」は読んでいる時はなんだかやけに淡々とした話が続くなあ、と言う感覚だったのだけど、解説を読んで足かけ9年かけて少しづつ発表して主人公の成長を描こうとした作品だったと知ってなるほどと納得がいった。それにしてもそれだけ長い期間かけて割と短い期間7月から3月までの必ずしもクライマックスがあるわけでもない作品を淡々と書くのもなかなか。 「ジョン万次郎漂流記」はとても面白く読めた。数奇な運命というしかないけど、どこまでが史実でどこまでが井伏鱒二の創作なのかはわからない。もちろん基本的な出来事は実際の記録に基づいているのだろうけど小説的なセリフや行動は登場するアメリカ人たちの振る舞いが井伏鱒二的な鷹揚さを感じさせて良い。昭和12年の作品ということはまさに戦争に進んでいく日本でこのような作品が描かれて直木賞も受賞していたわけで、何となくの感慨がある。 「二つの話」は実験的な小説を手元にある材料で作ってみようとしたけどオチはつけられなかったというかんじ。二つのエピソードはそれぞれ面白いんだけどね。
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3作品収録。平家の逃亡を描いたさざなみ軍記、ジョン万次郎の生涯の2篇は(さざなみ軍記は読みにくかったものの)面白かった。2つの話はそそられず。
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『ジョン万次郎漂流記』のみの感想。 幕末から明治初期にかけての実在の人物についての小説。資料にない部分は井伏氏の空想で補われている。 冒険譚として非常に面白かった。 土佐で貧しい漁師だった万次郎は15歳の時の正月に他の四人とともに漁船に乗っていて、嵐に会い、一週間ほど漂流し...
『ジョン万次郎漂流記』のみの感想。 幕末から明治初期にかけての実在の人物についての小説。資料にない部分は井伏氏の空想で補われている。 冒険譚として非常に面白かった。 土佐で貧しい漁師だった万次郎は15歳の時の正月に他の四人とともに漁船に乗っていて、嵐に会い、一週間ほど漂流した。 ようやく周囲が一里ばかりの無人島に到着し、そこを当座の棲家とした。彼らは島でただ一箇所岩の窪みに水が溜まっている所だけを“井戸”として大切に使い、あほう鳥を取って食べるなどして命を繋いでいたが、それも限界に達した頃、そばを通りかかったアメリカの漁船に助けられた。 身振り手振りでかなり言葉が通じ、そのアメリカ人たちは万次郎たちに大変親切にしてくれた。 ハワイのオアフ島で5人は上陸し、4人はそのままオアフ島に残り、生活の保護まで受けて不自由なく、暮らしたが、万次郎だけはホイットフィールド船長に大変気に入られたので、そのままジョン・ホーランド号に乗り続け、太平洋を横断しながら捕鯨し、やがて、アメリカのマサチューセッツに上陸し、船長の家族と共に暮らすことになった。 アメリカで万次郎は学校にいかせてもらったり、農耕牧畜の余暇に読書したり、測量を教わったりして、教養を身に着けた。また、捕鯨船に乗り組んで、アフリカやインドのほうまで捕鯨に行ったり、一人カリフォルニアまで銀の採掘に行ったりもした。 立身出世する人というのは、いつの時代でも、どんな場合でもやることが違うのだなと感心した。面白かったのは、万次郎が捕鯨船で世界を回っているとき、2回くらい、日本の船と出会っているのに、その時は言葉が全然通じていないのだ。アメリカの船に助けられた時にはあんなに言葉が通じたのに、いくら万次郎の土佐弁とその時出会った船に乗っていた日本人の方言が違うといっても、心の問題なのだな。 何年かたち、ある時、万次郎はハワイに行って、昔一緒に漂流した仲間を訪ねる。一人は病死してしまっていたが、あとの3人は元気に働いて暮らしていた。日本へ帰る相談をし、一人はハワイに残ると言ったが、万次郎を含むあとの三人は中国へ行く商船に乗せてもらい、日本の近くで下ろして貰ってそこから小舟で自分たちで上陸する計画を立てた。大変危険な計画だったが果たしてそれは成功し、万次郎達は沖縄の島の一つに上陸出来た。 一通りの取り調べを受けたが、アメリカのことや英語を知っているということで、薩摩藩主らに気に入られ、やがて日本に黒船がやって来たころ、通訳として江戸に呼ばれた。その後、捕鯨、造船、測量の分野などで活躍し、福沢諭吉や勝麟太郎らとともに咸臨丸に乗ってサンフランシスコにも渡った。晩年には開成学校で英語教授をした。そして、アメリカに行って、恩人ホイットフィールド船長にも会うことが出来た。 初めに漁船が漂流した時には生きていたことだけでも奇跡であったのに、その後はなんと運が良かったのだろう。勿論、運を引き付けるものを万次郎たちは持っていたのだろうが、鎖国時代で、しかも日本がアメリカに武力を見せつけられて脅される少し前に、万次郎たちが出会ったアメリカ人たちはなんといい人たちだったのだろう。ファンタジーかと思うくらい素晴らしかった。 この小説が発表されたのは、昭和12年、日米間が険悪になり始めたころだそうだ。
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「2つの話」はよく分からなかったけれど、残りの2つはとても良かった。 漂流記の方は、調書や文書等ジョン万次郎記念館を思い出しながら読んだため面白かった。こちらはほぼ作者の味付けはなく、ノンフィクションのように感じた。帰国後の国の情勢やジョン万の行動については記念館よりもわかりやす...
「2つの話」はよく分からなかったけれど、残りの2つはとても良かった。 漂流記の方は、調書や文書等ジョン万次郎記念館を思い出しながら読んだため面白かった。こちらはほぼ作者の味付けはなく、ノンフィクションのように感じた。帰国後の国の情勢やジョン万の行動については記念館よりもわかりやすかったように思う。 さざなみ軍記は平家物語に人情味を増やしたような感じ。内容はとても好きで良かったのだが人物が多く名前も覚えづらい、また文体も難しいので読みづらくてもったいない。
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井伏鱒二、優れた作家と思いきやあまりの面白くなさに辟易した。3話の中でも最後の「2つの話」は最低であった。
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