黄色い本 の商品レビュー
表題作の「黄色い本」が圧倒的に素晴らしい。いままで読んだ中中でもベスト。 田舎の少女がチボー家の人々を読む。ときに現実と物語を重ね合わせ、ときに物語の人物と語り合いながら、少しづつ少しづつ噛みしめるように読み進めていく。やがて物語は終わるし本も返さなくてはならないけれど、読んで...
表題作の「黄色い本」が圧倒的に素晴らしい。いままで読んだ中中でもベスト。 田舎の少女がチボー家の人々を読む。ときに現実と物語を重ね合わせ、ときに物語の人物と語り合いながら、少しづつ少しづつ噛みしめるように読み進めていく。やがて物語は終わるし本も返さなくてはならないけれど、読んでいるこの時は今しかないしそれは一生のものになる。 忘れられない本との出会い、素晴らしい読書体験、そういうものを追体験させてくれる。読書体験をここまで表現しきった作品は、他に知らない。
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ゆるゆるとした雰囲気が不思議です。 全体を通して出てくる、頭の中で空想が膨らんでいくという思考の癖が、私と似ているな…と感じました。 それをテーマにしただけで作品になるなんて凄いです。 絵も上手くて羨ましい。俯瞰のアングルが良いです。 特に『黄色い本』。 現実よりも物語に興味を...
ゆるゆるとした雰囲気が不思議です。 全体を通して出てくる、頭の中で空想が膨らんでいくという思考の癖が、私と似ているな…と感じました。 それをテーマにしただけで作品になるなんて凄いです。 絵も上手くて羨ましい。俯瞰のアングルが良いです。 特に『黄色い本』。 現実よりも物語に興味をもったり、物語の世界が頭を埋め尽くして現実と物語が混じっていくさま。 今まで何より近く自分と一緒にいたもの(物語)との別れ。 何度か読み直す度に、じわじわ魅力が増すように感じました。 それから、1ページ目…計算された綺麗な画面に感動しました。
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ナイトアイで松本愛が「一番大好きな、嫁に行くときももっていく本」として紹介してたので、借りてみた。新潟出身の人らしいが。しげは理解できないほど、意味不明。ジャックチボーの話は松本愛の話を事前に聞いてたから分かったし、涙ぐんだんだろうと思う。ちょっと私にはあわないかな。あのOLさんが結婚する話は全く意味不明。最後のヘルパーの話はそれなりに分かったけど。
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はじめて読んだ時、嬉しくなった本です。 自分と感性が近い友達に紹介したくなりました。 本を読む時の引き込まれて行く感覚や、昭和という時代背景、主人公のみっこちゃんという名前、青森のなまりなどちょっと子ダサくてかわいい暖まる設定全てがうまくシンクロしていてかなりツボでした。
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「いつもいっしょでした たいがいは夜 読んでないときでさえ だけどまもなく お別れしなくてはなりません。」(p71) 感動の最高潮場面のフレーズ。 本を読み終え、本の世界とお別れすることと高校を卒業すること。 どちらもすごく切ないから、私自身と重なって、涙がにじむくらい、感動した。
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本を読めること、その幸せ感にジンとくる。 高度成長期時代、地方都市に暮らす、女子高生実地子。 彼女が静かに読み耽るのは「チボー家の人々」全5巻。 雨の通学バス内で、授業中に内職しながら、家では布団にくるまりながら、 窓辺の月明かりで、本の世界と現実感が入れ交っていく。 就職という...
本を読めること、その幸せ感にジンとくる。 高度成長期時代、地方都市に暮らす、女子高生実地子。 彼女が静かに読み耽るのは「チボー家の人々」全5巻。 雨の通学バス内で、授業中に内職しながら、家では布団にくるまりながら、 窓辺の月明かりで、本の世界と現実感が入れ交っていく。 就職という現実を目の前にして、本の世界のジャックへと別れを宣言する。 でも、これはひとつの別れであって、まだまだたくさんの本に出会えるということなのだ。 でも、学生時代にのめり込むように読み耽った作品というのは、やはり一生ものになるだろうなぁ。 「好きな本を 一生持ってるのも いいもんだと おらは 思うがな」 「本はな ためになるぞう 本はな いっぺえ読め」 実地子の父が、実地子に語る言葉。 本を読むことが出来る幸せ、いつも感じていたいです。
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表題作は、いなかの青春まっただ中の少女・実ッコちゃんが「チボー家の人々」を夢中で読んでいく様子と、彼女の現実の生活が描かれている。読書を邪魔されて腹が立ったり、本の中の思想家の若者と一緒にドキドキしたりする気持ちが、「身に覚えがあるなぁ~」とすごくわかった。 ラストで実ッコちゃん...
表題作は、いなかの青春まっただ中の少女・実ッコちゃんが「チボー家の人々」を夢中で読んでいく様子と、彼女の現実の生活が描かれている。読書を邪魔されて腹が立ったり、本の中の思想家の若者と一緒にドキドキしたりする気持ちが、「身に覚えがあるなぁ~」とすごくわかった。 ラストで実ッコちゃんが本を読み終え、現実世界でも学校を卒業して、社会に出るあたりは、ちょっと切ない。「チボー家の人々」の登場人物に別れを告げるシーンは胸に迫るものさえある。 他3篇も滑らかなタッチで小さな、でもユニークな話が描かれていてほっこりする。
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高3の時に読んだ。本の世界と過ごす感覚や、進路に悩む気持ち‥その時の自分にすごくしっくりきた。 感動して鳥肌立った。 もろに影響を受けて、「チボー家の人々」を図書館から借りて読んだり‥ (と言っても「チボー家の人々」は、本当〜に長くて「父の死」‥12巻くらいまでで止まっている...
高3の時に読んだ。本の世界と過ごす感覚や、進路に悩む気持ち‥その時の自分にすごくしっくりきた。 感動して鳥肌立った。 もろに影響を受けて、「チボー家の人々」を図書館から借りて読んだり‥ (と言っても「チボー家の人々」は、本当〜に長くて「父の死」‥12巻くらいまでで止まっている) 『自分の好きな人を大切にすることは それ以外の人に 冷たくすることになるんでねぇの』 とか 真に迫る言葉がたくさんあった。 絵もすごい良くて、 『電気つけると夜んなったねえ』 っていうコマとか‥‥ 本当に素晴らしいです。 最近、昔の思想家や60、70年代の学生運動に関する本を読んだので「革命」というものが前よりもわかるようになった。 今読み返したら、高校時代に感じた気持ちに一層深みが入りそうな気がする。
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謎~な雰囲気のお話ですが繰り返し読むごとに 発見がいっぱいありどんどん面白く感じました。 子供の描写がかわいすぎ!
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ゆっくり読むと、味が出るのだけど、自分のペースに合わなかった。ただ、黄色い本は、とっても詩的だし才能を感じる。絵もうまい。視点がいろいろ変わり、とっても立体的に感じる。独特で、賞を取っただけのことはあると思う。
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