商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版/日経BPマーケティン |
| 発売年月日 | 2026/03/27 |
| JAN | 9784296124862 |
- 書籍
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テクノロジカル・リパブリック
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テクノロジカル・リパブリック
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商品レビュー
4.1
21件のお客様レビュー
シリコンバレーの頭脳が広告や消費、株価のマネーゲームといった刹那的な快楽に費やされていて良いのかと。USは国における文化やアイデンティティは真に理解不能なのかも知れない。グローバル化して世界中のエントロピーは増大していく中、日本人としても技術による事業貢献の方向性について考えさせ...
シリコンバレーの頭脳が広告や消費、株価のマネーゲームといった刹那的な快楽に費やされていて良いのかと。USは国における文化やアイデンティティは真に理解不能なのかも知れない。グローバル化して世界中のエントロピーは増大していく中、日本人としても技術による事業貢献の方向性について考えさせられる。
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本書の著者であるAlexander Karp氏は、AI・データ解析ソフトウェアを手掛けるPalantir Technologies(パランティア)の共同創業者兼CEOである。Palantirは、政府機関や国防、安全保障分野への技術提供で知られる企業であり、近年のAIを巡る議論においても大きな存在感を示している。その最前線に立つ人物が、国家とテクノロジーの関係についてどのような視点を持っているのか。そのような関心から本書を手に取った。 本書を読んでまず印象的だったのは、Karpが大学で哲学を専攻していたという事実である。テック企業のCEOと聞けば、コンピュータサイエンスや工学を専門としてきた人物を思い浮かべることが多い。そのため、一見すると哲学畑の出身という経歴は意外に映る。ところが、本書を読み進めるうちに、その経歴に意外さはなくなった。むしろ哲学を背景に持つからこそ、本書の議論には技術論にとどまらない厚みが生まれているように感じられたからだ。 本書は、AIやソフトウェア開発といった技術そのものを論じるだけではなく、技術と国家、民主主義、産業政策、安全保障といった広い視野から、「テクノロジーは社会においてどのような役割を果たすべきか」という根源的な問いを投げかけている。このような問いには、技術的な知識だけでは答えることができない。社会や歴史、価値観に対する理解が不可欠であり、その意味で哲学的な思考が重要な役割を果たすことがよく分かる。 本書から得た最大の学びは、個々の主張そのものよりも、著者の思考の組み立て方にあった。Karpは未来を論じる際、現在の技術動向だけを根拠とするのではなく、古典や歴史を参照し、それらを土台として現在を分析し、未来への展望を導き出している。加えて、日本への言及が見られる点も興味深かった。例えば、ルース・ベネディクトの『菊と刀』や、トヨタ生産方式を築いた大野耐一氏の思想が引用されている。単に日本を事例として取り上げているのではなく、国家や産業のあり方を考察する上で、日本の歴史や製造業が持つ知見を参照している点が印象的であった。著者はアメリカの未来を論じているにもかかわらず、その根拠を自国の経験だけに求めていなく、他国の知見を横断しながら議論を構築していく。その姿勢そのものが、本書から学ぶべき点の一つであると感じた。つまり、本書の議論は「現在から未来を予測する」のではなく、「過去を理解し、現在を捉え、その延長線上に未来を構想する」という構造を持っている。この思考のプロセスは非常に示唆に富んでいた。 先見性とは、未来を予測する特殊な能力ではなく、歴史や古典の中に蓄積された知見を深く理解し、それを現代の文脈へ適切に接続する力なのかもしれない。その意味で、本書はテクノロジーについて論じた一冊であると同時に、「未来を考えるための思考法」を示した書物でもある。本書で提示される個々の主張については、読者によって賛否が分かれる部分もあるだろう。しかし、それ以上に価値があるのは、著者がどのような知的基盤の上に議論を構築し、どのような論理によって結論へ至っているのかを追体験できる点にある。 私にとって本書は、テクノロジーの未来を論じた本である以上に、未来を構想するためには過去に学び、哲学的な問いに向き合うことが不可欠であると教えてくれた一冊であった。
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