商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | DU BOOKS/ディスクユニオン |
| 発売年月日 | 2025/12/16 |
| JAN | 9784866472263 |
- 書籍
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マッドヴィランの嘘と真実
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マッドヴィランの嘘と真実
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2件のお客様レビュー
元々のアルバムが打ち出したコンセプトに敬意を表して、そしてその内実にせまるために、研究書でありながら「創作物」でもあるよう書かれた悪戯心が胸を撃ち抜かれた。こういうの大好き。惜しむらくは、本書を読むにあたってまずはマッドヴィランの『Madvillainy』を聴いておく必要があると...
元々のアルバムが打ち出したコンセプトに敬意を表して、そしてその内実にせまるために、研究書でありながら「創作物」でもあるよう書かれた悪戯心が胸を撃ち抜かれた。こういうの大好き。惜しむらくは、本書を読むにあたってまずはマッドヴィランの『Madvillainy』を聴いておく必要があるということ。さらに、できればこのアルバムがどういう人たちによって作られ、どんな悪ふざけが施された作品なのかを知っておいた方がいいということ。 でももしかしたらそんなものはただの杞憂かもしれない。むしろ、先にこのおかしな考察書を読んでから『Madvillainy』を聴くってのもありかもしれない。そうしたらより楽しくワクワクしながら彼らの作り出した音楽に耳を傾けることが出来るんじゃないかとすら思う。 つまりこうだ。本書はアンダーヒップホップ界で屈指の名盤とされるマッドヴィラン『Madvillainy』の解説書である。しかし、MFドゥームとマッドリブらの経歴を追う記者として「架空の人物」を用意し、フィクションとしての役割を持たせているのである。なぜそんな迂遠なことをするのか。それは、『Madvillainy』自体が悪ふざけの集合体と言えるようなアルバムだから。製作者であるMFドゥームとマッドリブは本アルバムについて極力言及を避けており、それが作品をよりミステリアスで神秘的な作品へと変えている。中身のリリックは当時から幾通りもの読み解きが行われており、その影響力は甚大。まさにクラシック。アルバムを作るにあたって協力してくれた製作者たちの名前がそもそも架空のものであるという点も含めて、内側からも外側からもヴィラン(悪役)による悪戯のような体裁をとっている。『Madvillainy』はそういう愛すべきアルバムであり、だから今なお愛されてるのだろう。本書は、そんなふざけた体裁に近づくため、ノンフィクションでありながら本の中に架空の人物を用意し、話し方(文体)を変え、ストーリーを用意し、マッドヴィランのミームを引き継ぐことで、遠回りをしながらも、結果的に真実に近づいていく。 リリックについての詳細な解説はマナー違反らしいので慎重に避けて書かれており、正直それを期待してもいたのでちょっとだけ残念。でもその分、二人の経歴や、アルバムの制作過程についてはこれまでより解像度があがり、アルバムのいちファンとしてうれしかった。おそらく『平行植物』や『ゴジラ幻論』といった真面目に書かれた冗談みたいな本が好きな方なら楽しめると思う。少なくとも、本書は元となったアルバムの内実へ確実に近づくことが出来ており、読むことでその魂を感じ取れるはずだ。
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書き出しの、架空の出版社とその従業員同士のやりとりがなんとも求めていない感じで読むモチベーションを削られたのだが、そこはdoomとmadlib。有名な逸話と知らなかった逸話が織り交ぜられながら綴られた文章は件の架空設定が続きつつもサラサラと読み進められた。(このメタ構造については本書の中で説明がある。) madvillainyのデータが発売前に流出し、ファンが掲示板でリリックの解析を行うくらい(当たり前だけど)USでもカルト的に崇拝されていたようだ。今やリリックはサブスクで開示されているのだが。 all capsの曲中で本人が名前をDOOMと大文字で綴ることを奨励するとそれは掲示板で当初定番ネタのジョークとして使われていたらしいが、徐々に間違えるとリスペクトが足りないと言われる類の鉄の掟に変わっていった様が書かれていて興味深い。 doomは神になっていた。マスクを外した写真のアップロードも禁忌とされる程。新入りの信者は古参信者に萎縮するような構図が生まれてしまっていたようで、それは本当に宗教的。宗教は人間の本質から生まれたものなので、またしても人間の直せない習性(脳の仕様)を垣間見て何とも言えない気持ちになった。 しかしながらmadvillainyはカルト的に人気が出る程の傑作であるのは疑いようのない事実だし、そういった信者たちの様子を客観的裏付けがない民間伝承として扱っているのは面白い。 リリックの内容やdoomの手法や好みまで研究されていて思わずフフッと笑ってしまうものまであるのだが、製作にまつわる2人以外の関係者の齟齬は知りたくない内容だった。hip hopのドキュメンタリーにはこの手の話はつきものではあるが。インタビューのページの裏側が見たい人は楽しめるでしょう。私は裏側よりも純粋にmadvillainyを聴くだけで良いかな、と思った。 doomとmadlib2人以外の人が作った書籍だから純度の方向性のようなものが違うのは当たり前なのだけれど、本書をつい即ポチしてしまう程madvillainyは自分にとってもカルト級の傑作だったことを再確認させてくれたことは感謝しています。
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