商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 日経BP/日経BPマーケティン |
| 発売年月日 | 2025/10/06 |
| JAN | 9784296121786 |
- 書籍
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登山大名(上)
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登山大名(上)
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豊後国岡藩の第3代藩主中川久清は、日本人離れした容貌と言われている。なぜそういわれるかというと、かなり目鼻立ちがくっきりした肖像画が残されているからだ。キリシタン摘発を目指しての絵踏みを行なった。久住連山の一つ大船山を愛し、「人馬鞍」と呼ばれる鞍を屈強の男性に担がせて何度も登山...
豊後国岡藩の第3代藩主中川久清は、日本人離れした容貌と言われている。なぜそういわれるかというと、かなり目鼻立ちがくっきりした肖像画が残されているからだ。キリシタン摘発を目指しての絵踏みを行なった。久住連山の一つ大船山を愛し、「人馬鞍」と呼ばれる鞍を屈強の男性に担がせて何度も登山した。墓所は、自身が愛した大船山中腹1,300メートルを超える台地上に作られ、入山公墓と呼ばれる。岡藩中興の英主・天下の七賢将と称えられ、プライベートも充実していた、幸せな人生を送った大名のように見える。 ところが、諸田氏が描き出した久清は、これらの事実を全て裏返して作られた人物だ。彼の系図が冒頭に紹介されているが、有名人のオンパレードだ。賤ヶ岳の戦いで敵味方となり戦った中川清秀と佐久間盛政を曾祖父に持つ。祖父・秀成は、高山右近と従弟どうしで、父・秀成は、父親と戦った佐久間盛政の娘・虎姫と結婚した。母親紀為君は家康の異父弟・松平定勝の娘で、後に家康の養女となる。第四代将軍家綱のもとで老中となった酒井忠清や岡山藩主の池田光政とも、姻戚関係にある。更に、豊臣政権下で切腹に追い込まれた古田織部とも縁続きだ。
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主人公の墓は、大船山登山道の結構高い場所であった。石垣が築いてあり、立派な墓であった。ここまで石を運ぶ手間は大変であったろう。また、自分の足で登らず、担いで貰ったようだ。城からは、随分離れた場所。ここに墓を作りたかったとは、よほどの山好き。登った日の大船山山頂からは、遠く大分市に...
主人公の墓は、大船山登山道の結構高い場所であった。石垣が築いてあり、立派な墓であった。ここまで石を運ぶ手間は大変であったろう。また、自分の足で登らず、担いで貰ったようだ。城からは、随分離れた場所。ここに墓を作りたかったとは、よほどの山好き。登った日の大船山山頂からは、遠く大分市に停泊の船、阿蘇の山々迄見えた。おそらく領地の殆どが見えたのではないか。この物語を知らなかったら、墓所に何の感慨も持たなかったであろう。
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