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ノアハム・ガーデンズの家
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ノアハム・ガーデンズの家

ペネロピ・ライヴリー(著者), 斎藤倫子(訳者)

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ノアハム・ガーデンズの家

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ゴブリン書房
発売年月日 2025/09/24
JAN 9784902257489

ノアハム・ガーデンズの家

¥1,980

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2025/12/01

1970年代に、80歳と78歳のおばたちとビクトリア時代の古い屋敷で暮らす14歳のクレアの物語。説明するのがむずかしいのだけど、とてもよくて、心の深いところにしみてくる。 クレアは6歳のとき、事故で両親を亡くしたけれど、おばさんたちを心から尊敬して、古い屋敷で楽しく暮している。で...

1970年代に、80歳と78歳のおばたちとビクトリア時代の古い屋敷で暮らす14歳のクレアの物語。説明するのがむずかしいのだけど、とてもよくて、心の深いところにしみてくる。 クレアは6歳のとき、事故で両親を亡くしたけれど、おばさんたちを心から尊敬して、古い屋敷で楽しく暮している。でも、屋敷は3人で住むには大きすぎ、修理が必要なところも多い。固定資産税も払わなくてはならない。おばさんたちが金銭にうといので、家の「財政問題」に取り組むのは14歳のクレアの仕事。クレアが下宿人を置くことを思いつくと、通いの家政婦は、そんなのおばさんたちが聞き入れるはずがないと反対する。でも実際に相談してみるとおばさんたちには「状況を見直す能力」があり、即座に賛成する。「上流社会の慣習を無視し、変化にわくわくしながら、生き生きと暮らしてきた」おばさんたち。若い娘は家事手伝いか結婚がふつうという時代に大学に行き、大学院で学位を取得、大学で教鞭をとり、古英語の翻訳をし、各種委員会に出席し、戦争が始まると疎開者を受け入れるという半生を送ってきた。だから、必要とあれば柔軟に変化を受け入れるのだ。 とはいえ、屋敷は15年間の「借家権」があるだけだし、おばさんたちは高齢だから、クレアは心の底には将来への不安を抱えている。あるとき物置で人類学者だった曽祖父が持ち帰ったとおぼしき不思議な盾を見つけたときからその不安が顕在化し、悪夢を見たりするように……。 悪夢からファンタジーに走るわけでもないし、過去のトラウマがあばかれたり、隠された秘密が明るみに出たりするわけでもなく、正直、もう一度読み返さないとあの盾とクレアの心理のからみが今ひとつわかっていない気もするのだけど、でも、それだけにかえって、何かとてもリアルで真実なものに触れた気がする読書体験だった。終盤、季節のめぐりとともに、今ここに根をはやして生きているという実感が高まっていくのが、とてもかがやかしく若々しく描かれていて胸を打たれた。

Posted by ブクログ