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世界秩序 グローバル化の夢と挫折 中公新書2872
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世界秩序 グローバル化の夢と挫折 中公新書2872

田所昌幸(著者)

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世界秩序 グローバル化の夢と挫折 中公新書2872

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2025/09/19
JAN 9784121028723

世界秩序

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商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

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2025/11/19

グローバル化の夢と挫折 自由民主主義と市場経済による社会モデル 権威主義的な中国やロシアが既存の国際秩序を変更しようとしています 古代ローマ帝国から現代のアメリカ一極優位の時代までを俯瞰 一つの世界への統合と分解のダイナミクスを捉える試み 当事者の努力では変えることのできない所与...

グローバル化の夢と挫折 自由民主主義と市場経済による社会モデル 権威主義的な中国やロシアが既存の国際秩序を変更しようとしています 古代ローマ帝国から現代のアメリカ一極優位の時代までを俯瞰 一つの世界への統合と分解のダイナミクスを捉える試み 当事者の努力では変えることのできない所与の物理的技術的な条件 多様で大規模な交流を秩序づけるためのルール体系 人々の行動を規制し世界の意味を解釈し人間を内面から規制する象徴的な枠組み 人々の心の中にある共通の価値観や世界観 広域的秩序を生み出し維持するための四つの条件 地中海世界を支配するパクス・ロマーナ 統一された法律体系を整備し帝国内での活発な通商ネットワークを構築 帝国内の市民社会が劣化しゲルマン民族の侵入によってローマ帝国は解体 イスラム教による秩序も重要です イスラム教の展開とともにパクス・イスラミカという広域的秩序が中東やアフリカさらに南アジアにまで拡がっていきました モンゴルの拡大によってユーラシア大陸全域が統一されるという空前の規模の統合 シルクロードを通じた前代未聞の規模の商業活動 スペインやポルトガルがアジアやアフリカに進出した時代 圧倒的な支配というより多くの国々の利益に合致する開放的で包容的な秩序 主権国家間の競争がイノベーションをもたらしたという説 ヨーロッパ内で複数の主権国家が互いに競争することで軍事技術や経済システムの革新が加速した 開放的なグローバル化の秩序とヨーロッパの勢力均衡体制は第一次世界大戦によって破綻 冷戦という地政学的現実がアメリカの方針を劇的に転換 ソビエト連邦への対抗と共産主義陣営の膨張を防ぐために西側同盟と自由主義陣営の強化が不可欠 アメリカ自身が作り上げ育んできた国際政治上の様々な制度を尊重する必要も同盟国と協力する必要も感じなくなってしまった グローバル化に対する内的な反発も起こります 新自由主義的なグローバル化がもたらした格差の拡大先進国内での産業空洞化地域コミュニティの衰退 アメリカが中心となったリベラルな国際秩序すなわち自由民主主義と市場経済の普遍的な価値を想定 グローバル・サウスと呼ばれる国々がもう一つの独立した世界を構成する 各々の利益を認識し相手の立場を理解し相互に妥協することで競合的であっても共存可能な秩序が構築できる可能性

Posted by ブクログ

2025/11/17

1章ではグローバル化の条件、2章、3章では歴史的な帝国の興亡を振り返り、4章でポストアメリカの世界、5章ではその中での日本のあり方が描かれる。 5章で問われる日本の立ち位置では、大国でも小国でもなく、特に豊かでも貧しくもない日本の等身大をいかに日本人自身が受け入れるかが鍵になるよ...

1章ではグローバル化の条件、2章、3章では歴史的な帝国の興亡を振り返り、4章でポストアメリカの世界、5章ではその中での日本のあり方が描かれる。 5章で問われる日本の立ち位置では、大国でも小国でもなく、特に豊かでも貧しくもない日本の等身大をいかに日本人自身が受け入れるかが鍵になるように受け止めた。「日本の凋落とアジア諸国の台頭は世界が平等になったという意味で、喜ばしく考える人がいてもおかしくはない」との指摘には膝を打つ。少なくともアジアの収奪を問題視していた左派がこの状況を不満に思うのは筋が通らないのではないか? 過去の栄光にとらわれた余計な虚勢が日本の最大の弱みではないか。

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2025/11/16

少し早足で読んでしまい消化不良気味だが、時間をおいて再度理解して読みたい。 歴史的な経緯を踏まえて、時間的に長い射程を踏まえて論じるということも大切だと感じた。 == 「リベラリズム」は今日多様な意味でつかわれる品乱を招きやすい言葉だが、一般的には集権的な権力による階層的な支配...

少し早足で読んでしまい消化不良気味だが、時間をおいて再度理解して読みたい。 歴史的な経緯を踏まえて、時間的に長い射程を踏まえて論じるということも大切だと感じた。 == 「リベラリズム」は今日多様な意味でつかわれる品乱を招きやすい言葉だが、一般的には集権的な権力による階層的な支配ではなく、自由な主体の合意による社会関係の組織化を重視する考え方と見てよいだろう。経済生活でも国家による集権的な管理より、分権的な民間市場を重視することもその要素の一つだ。

Posted by ブクログ