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[AIと経済学]でもっとよくなる保育政策
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[AIと経済学]でもっとよくなる保育政策

竹浪良寛(著者), 冨田燿志(著者), 松木一永(著者), 山田直行(著者), 森脇大輔(編著)

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[AIと経済学]でもっとよくなる保育政策

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本評論社
発売年月日 2025/09/20
JAN 9784535540873

[AIと経済学]でもっとよくなる保育政策

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2025/10/16

私は普段、データ分析の仕事をしており、もともと経済学にも関心がありました。 さらに、現在1歳の息子がいてちょうど「保活」真っ最中ということで、本書のテーマはまさに読むべき書籍と思い、手に取りました。 本書は大きく前半・後半の2部構成になっています。 前半では、日本の保育が直面し...

私は普段、データ分析の仕事をしており、もともと経済学にも関心がありました。 さらに、現在1歳の息子がいてちょうど「保活」真っ最中ということで、本書のテーマはまさに読むべき書籍と思い、手に取りました。 本書は大きく前半・後半の2部構成になっています。 前半では、日本の保育が直面している課題について、後半ではそれらをどう解決していくかという実践的な内容が語られています。 前半を読み進めて印象的だったのは、「受け皿の拡大」と「保育の質の確保」のギャップです。 待機児童問題に対して、保育所の増設や保育士資格試験の年2回実施など、量的な拡大策が進められてきました。 確かに「受け皿確保」は進みましたが、一方で公定価格制度の影響により、保育所の収入は十分ではなく、保育士の年収が相対的に低いという構造的な問題が残っています。 結果として「保育の質」は必ずしも改善していない現実があることを、データと制度の両面から丁寧に解説していました。 また、「待機児童」だけでなく「留保児童」という視点も知らなかったので勉強になりました。 4月が最も空きが少なく、3月が最も入りにくい。保育所が4月に定員いっぱいまで受け入れることで、年度途中の入所が難しくなる。 実際、私自身も年度途中の入園を希望していましたが、どこも受け入れが難しく、結局4月入所に切り替えざるを得ませんでした。 制度の設計と現場の経営構造がどのように結びついているかを、自分の経験と重ねて実感できました。 後半では、こうした課題をどう解決していくかについて、AIや経済学の理論を活用した具体的な取り組みが紹介されます。 システムなどによって保活の負担を減らす取り組みがあり、現場から課題を見つけていく試みは私自身も参考にしていきたいと思いました。 本書のメインテーマとも言える児童と保育園とのマッチングについては非常に面白く勉強になりました。 様々な制約(主にはきょうだい)があるなかで、効用を最大化させるために最適なマッチングをさせるためにどのようなアルゴリズムを構築するか、初学者でもわかる範囲で事例とともに解説されていました。 今後、マッチング理論についても本格的に勉強していきた所存です。 個人的に特に響いたのは、「解決策は理論やツールだけでは完結しない」という点です。 まずは課題を明確にし、それを解決するための手段としてツールや理論を使う。 そして現場の状況を考慮しながら、持続可能な運用を設計する――まさに私自身の仕事にも通じる考え方でした。 最近、私自身もAIやデータサイエンスの現場で「手法のための手法」になっているケースを感じていました。 真に解決すべき課題を見失わず、現場や社会の実態を見据えた分析・実装を心がけていきたい。 そんな原点を思い出させてくれる一冊でした。

Posted by ブクログ

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