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トピーカ・スクール
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トピーカ・スクール

ベン・ラーナー(著者), 川野太郎(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 明庭社
発売年月日 2025/07/28
JAN 9784991417900

トピーカ・スクール

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商品レビュー

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2025/10/21

競技ディベートの名手・アダムと、臨床心理士の両親の話が複雑に入り組んだ家族小説。それぞれの立場から同じ出来事について話している。時代と話題がコロコロと転換されるのも特徴かも。 おそらく主人公のアダムが、競技ディベートをやっていることから「話す」ということについて、その効果と暴力...

競技ディベートの名手・アダムと、臨床心理士の両親の話が複雑に入り組んだ家族小説。それぞれの立場から同じ出来事について話している。時代と話題がコロコロと転換されるのも特徴かも。 おそらく主人公のアダムが、競技ディベートをやっていることから「話す」ということについて、その効果と暴力性について書いてたんだと思います。ただ複雑で分かってない部分が多いです。 第一にアメリカの現代史(特に80年代以降)と思想についての知識不足、第二に区切りなく時代や話題がかわり何を読んでいるのか迷子になったのが理由です。最後の話題もついていけず、ここで終わるの?と言う感じでした。SNSでは絶賛してる方多いのですが、そこまで読めるだけ凄いなと思います。 いくつかアメリカ現代史についての新書を読んだ後だと感想が変わる気がしました。文章が美しく、詩的に興味深いフレーズはあったので、そう言う意味では面白かったです。いやぁ読書は深いなぁ。 --- 追記(2025/10/23) アダムが競技ディベートで得意とするのがスプレッドと呼ばれるテクニック。スプレッドでは、ごく短い時間に大量の論点を提示し、相手に十分な反論をさせないようにする。アダムはこのテクニックを手に入れることで、ディベートでの強さと、両親にはない攻撃性を手に入れている。この「スプレッドを使うアダム」は、現代社会では非常に有効であり力強く見える。これは現在での政治的リーダーたちの言説やSNSなんかのやり取りを表現しているんだと思った。ただ効率化の果てに、情報であふれて、みんながみんな誤解するような社会って辛いよね。 最終的にはアダムは、競技ディベートから離れたことで、スプレッドを手放し、攻撃性はなくなっている。ただ討論における力も失っているように見える。これは最終盤での公園でのやり取りに顕著に表れている気がする。この力を失うことで、人間として成長したということか? このディベートというモチーフは、現在の政治に対する批判として取り上げたんだと思う。読む側としては、アダムがスプレッドを捨てた動機や出来事、内面の変化が書かれていればより楽しめた気がする。もしかしたら書かれていたのかもしれないが、残念ながら(私には)読み取れなかった。なんかエピソードが弱い気がするし、無駄に難解にしていたような。この辺の変化についてもっと丁寧に書いてくれてたらいいのに、と思いました。

Posted by ブクログ