商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2025/07/14 |
| JAN | 9784480440358 |
- 書籍
- 文庫
領土
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
値下げ前価格について
本価格は現中古販売価格の「値下げ前価格」となります。
直近約1か月間、値下げ前価格での販売実績があるものだけ表示しております。
領土
¥1,430
在庫あり
商品レビュー
3.8
4件のお客様レビュー
つねに転寝寸前のような半醒半睡の生ぬるい感覚が付き纏う。メタ視点が断片的に散りばめられておりそれがこの意識の混濁に一役買っていると思われる。読後に話を思い起こそうとするとあれだけ読み途中に良いと思っていたのに、鮮烈なイメージひとつ残して、それを浮き彫りにする様に記憶が靄がかる。過...
つねに転寝寸前のような半醒半睡の生ぬるい感覚が付き纏う。メタ視点が断片的に散りばめられておりそれがこの意識の混濁に一役買っていると思われる。読後に話を思い起こそうとするとあれだけ読み途中に良いと思っていたのに、鮮烈なイメージひとつ残して、それを浮き彫りにする様に記憶が靄がかる。過去も未来も受けつけない、現在しか存在しえない主観の主張が強い文章は、物語を孤立した秘境のものとしていっそう幻想性を深めている。強烈な世界観に身を委ね、自意識が薄れてゆく快感に陶酔するような作品群だった。とても面白かった。 とくに好きだったのは『市民薄暮』『百貨店残影』『聖家族学園』『甘露経』。
Posted by 
幻想小説の短編集で、映像的なイメージの連なりとして読んだ。ピッタリ、この映画のこのシーンだ!というものが思い当たるわけではないけれど、寺山修司作品あたりにありそうな感じのシーンが、特に後半の一人彷徨ってばかりの話に多い。 また、「市民薄暮」の中盤において、この小説の“これまで”...
幻想小説の短編集で、映像的なイメージの連なりとして読んだ。ピッタリ、この映画のこのシーンだ!というものが思い当たるわけではないけれど、寺山修司作品あたりにありそうな感じのシーンが、特に後半の一人彷徨ってばかりの話に多い。 また、「市民薄暮」の中盤において、この小説の“これまで”だけでなく“これから”の部分についてまで自己言及するメタ・フィクションぶりは珍しいのじゃないかなあ、とは思った(あまり小説を読まないのでどれほど珍しいものかは知らない。最近はよくあるのかも知れない)。 「あとがき」にある著者本人の言葉によれば、本書の10編はすべて「小説」なのだが、私という一読者の目には、かなりの部分が「詩」であるように見えた。 句読点がないという形式それ自体はともかく、句読点に替えて空白や改行を多用する作者の意図が「黙読する読者の脳裏で無意識に吟詠朗唱される文章の“音”や“拍子”(テンポ)に指示譜=楽譜の働きを付加するため」(p.360)というところ。“音”や“拍子”(テンポ)というものは、「詩」という文芸ジャンルの範疇が目的とするところだったのでは? また、主人公が一人で彷徨うという点のほかにも、モチーフやキーワード(とも言い難いか)の重複も、また本書に「詩」を感じるところ。主人公に比べて巨大な女性の身体だとか、赤い子どもの自転車だとかいったモチーフ。「仁丹」「ひかがみ」「もうせんごけ」といった、普段、頻繁に目にするものでない単語。これらが、この一冊の中で、作品を跨いで目に入ってくる。それは、頭の中でずっと無意識的に保持し続けているイメージや言葉を自動記述的に書き出したようにも見えてくるのだった(自動記述というのもまた詩人がよくやっていたことと思う)。
Posted by 
これはこれまで体験したことのない読書体験でスゴかった。 10の作品が収録されておりある意味で短編集ではあるのだが、収録されている作品が後半に行くほどに作品としても文章としても純度が高まっていくようで、読書体験としても今まで読んだ小説のどれとも違う体験だった。 はじめこそ幻想小説の...
これはこれまで体験したことのない読書体験でスゴかった。 10の作品が収録されておりある意味で短編集ではあるのだが、収録されている作品が後半に行くほどに作品としても文章としても純度が高まっていくようで、読書体験としても今まで読んだ小説のどれとも違う体験だった。 はじめこそ幻想小説のような妖しい世界が展開されていくのだが、それが後半になるほどにその文章も詩のように変わっていく。浮遊感と陶酔の中を漂うような作品だった。 小説を読むことに物語の理解やカタルシスを求めているのなら、本作はまったく勧められない。 だが理解よりも純粋に文章を味わいたかったり、小説という文章表現で何が出来るのか、どこまで表現できるのかを感じたいなら本作は間違いなく楽しめると思う。 あとがきや山尾悠子、富岡幸一郎による解説も良かった。 これはまたいずれ読み直したい。
Posted by 

