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盲目の梟 白水Uブックス257海外小説 永遠の本棚
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盲目の梟 白水Uブックス257海外小説 永遠の本棚

サーデク・ヘダーヤト(著者), 中村公則(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2025/06/18
JAN 9784560072578

盲目の梟

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2025/11/08

盲目の梟 サーテグ・ヘダーヤト 批評 美しい文章を紡ぐ才能を持つ人の数は少ない。それは恐ろしく貴重な才能で、幸運にも持ち合わせた人は、表現の世界において抜きん出た成果を生み出す。そして選ばれし者の中でもさらに特別な人間は、世界中の人々を魅了し、いつまでも読者の心に残り続けること...

盲目の梟 サーテグ・ヘダーヤト 批評 美しい文章を紡ぐ才能を持つ人の数は少ない。それは恐ろしく貴重な才能で、幸運にも持ち合わせた人は、表現の世界において抜きん出た成果を生み出す。そして選ばれし者の中でもさらに特別な人間は、世界中の人々を魅了し、いつまでも読者の心に残り続けることを許される。 サーテグ・ヘダーヤトという作家の能力は、本人の読書量や努力によるものも勿論あるだろうが、間違いなく選ばれた人間のそれだ。特に表題作においてその才能は遺憾無く発揮されている。文章の構築様式は雅で、選ばれる言葉も鋭敏に磨かれており、絢爛かつ技巧的だ。細心の注意を払いながら撚り合わせて紡いだ糸で編まれたこの作品の、阿片による幻覚の中においても超越的な力で人を導く本質的な美を表現しようとする主題は多分に魅力的で、それを再現するために敷いた構成も、朧げに見えながら裏では恐ろしいほどに緻密に組み立てられていて驚愕させられる。著者の影響源はカフカにあるとあとがきで目にしたが、そのグロテスクなイメージと美しさの同居する作風にはボードレールの面影が感じられた。フランス文学のエッセンスを存分に吸収し、ペルシャ譲りの絢爛豪華な文体でもって作品を練り上げる、その独自のスタイルがイランで認められたのは、偶然でもなんでもなく必然であろう。 しかし、ヘダーヤトの力量はそこまでの物だ。彼の作品は世界に羽ばたくだけの独自性と内容の深さを持ち合わせていない。 巻末の旅行記『イスファハーンは世界の半分』にて顕著だが、彼は言葉を重視しすぎるあまり言葉が力強くなりすぎる。結果文章が雅になりすぎて描きたい内容の描写が疎かになってしまっている。文章を読んでその美しさに酔いしれるだけであれば問題ないが、本来読み手が求めているのはその奥に潜む内容だ。文字はそれ自体神秘的だが、所詮は何かを伝えるための道具にすぎない。 彼の用いる美やグロテスクなイメージは、よく磨かれた上で表出されており目を見張るものがあるのだが、独特の香りのようなものが感じられない。言ってしまえば、彼の使うイメージを得たいのであれば直接フランスの文学作品をあたれば済んでしまうのである。世界を飛び出して作品を振り撒くのに必要なことといえば、全ての人間に共通のイメージを、その人自身の内面から発せられる言葉で表現することだ。こういったことについては、ノーベル文学賞受賞者の発表が近づく度に話題になる村上春樹の方が圧倒的に優れている。昨今『ノルウェイの森』に代表されるような、露骨な性描写の多さ故に稚拙であるとされることもある彼の作品だが、愛の複雑さ、様々な男女関係の形を簡潔ながら個性的で私的な文章で綴った点は見過ごしてはならないだろう。愛や人間の在り方についての小説は他にスタンダール『赤と黒』があるが、あれもそのアプローチの仕方に興味をそそられる。サーテグヘダーヤトの文章能力は、正直にいってしまえばスタンダールや村上春樹を遥かに凌駕するだろう。しかし、作家は文章だけで人を惹きつけることができないのだ。漫画家が絵だけ描いているだけでは支持を得ることができないのと同じように…。 訳者が評価する程に彼の作品が魅力的なわけではないが、表題以外の作品にも多く佳作のある本書、その文章力の高さを見るために読んでみて損はないと思う。素敵な文章を目にすることができることは、まさに至高の喜びといっていいだろう。

Posted by ブクログ

2025/08/24

初めて触れたイラン文学かもしれない。文化風俗に上手く想像できない部分がありつつも、楽しんだ。特に巡礼のある種の滑稽さを描いた『赦しをもとめて』が印象的だった。

Posted by ブクログ

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