商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2025/06/17 |
| JAN | 9784003815144 |
- 書籍
- 文庫
八月革命と国民主権主義 他五篇
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八月革命と国民主権主義 他五篇
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日本大学図書館生物資源科学部分館OPAC https://brslib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000347843
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宮沢俊義は自他ともに認めるケルゼニストである。ケルゼンの根本規範論は、法というものは、その中身がどうあれ「法は従うべきもの」(=根本規範)という前提がなければ成り立たないという、法学の前提としての論理的仮説である。八月革命は天皇主権という根本規範を国民主権という根本規範に取り替え...
宮沢俊義は自他ともに認めるケルゼニストである。ケルゼンの根本規範論は、法というものは、その中身がどうあれ「法は従うべきもの」(=根本規範)という前提がなければ成り立たないという、法学の前提としての論理的仮説である。八月革命は天皇主権という根本規範を国民主権という根本規範に取り替えたわけではない。「法は従うべきもの」という前提は天皇主権でも国民主権でも変わりないからだ。こう指摘する長谷部氏は、八月革命説はケルゼンの根本規範論で説明するのは難しいと言う。まさにその通りで、宮沢が依拠したのはケルゼンの根本規範論ではなく、その論敵シュミットの憲法制定権力論であると解するのが一般的である(石川健治氏など)。 ならば宮沢はケルゼンからシュミットに鞍替えしたのかというとそうではない。宮沢は日本国憲法の成立を法学的に説明するためのテクニックとして、憲法制定権力論という論理を借用したに過ぎない。宮沢はシュミットが想定する憲法制定権者たる国民という概念もイデオロギー的仮構物だと考えていたはずだ。その意味で宮沢は根本規範の取り替えが可能であるかのような実体論的思考を残す不純な純粋法学者ケルゼンその人以上に純粋なケルゼニストである。宮沢をソフィストと呼べるとすればこの意味においてであろう。(長谷部氏は「国民代表の概念」において宮沢は国家や議会をフィクションと見做したが、国民までフィクションと見做したわけではないと考えているようでもあり、この点で評者の見方とはやや異なる。) 自ら唱えた八月革命説を字義通りには信じていなかった宮沢俊義という人はフランス的エスプリを備えた才人だか、極めてシニカルな価値相対主義者である。宮沢の孫弟子にあたる長谷部氏も価値相対主義者だが、日本国憲法が拠って立つ「多様な価値観を抱く人々が自由で公平に生活する社会の枠組の創出」という立憲主義の理念にコミットする氏は価値相対主義者としては不純である。その不純性において宮沢のシニシズムを免れている。
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