商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2025/06/02 |
| JAN | 9784151201172 |
- 書籍
- 文庫
遠い山なみの光 新版
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遠い山なみの光 新版
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商品レビュー
3.6
93件のお客様レビュー
過去の喪失と現在の葛藤を描いたこの物語は、主人公悦子が長崎での思い出とイギリスでの生活を行き来しながら、戦後の混乱や人間の複雑な感情を探求しています。読者は、悦子の心の奥に秘められた後悔や希望に触れ、彼女と共に時代の変化を感じ取ることができます。作品には多くの謎や違和感が散りばめられ、解釈は読み手に委ねられるため、読後も深い余韻が残ります。解説を通じて理解を深めることができ、世代間の価値観の違いや戦争の影響を考えさせられる内容となっています。登場人物たちの複雑な人間関係や、戦争による心の傷がリアルに描写され、読む者に新たな視点を提供します。
※この内容はAIが作成したものであり、ブックオフ公式オンラインストアの見解や意図を示すものではありません。
これだけ登場人物たちの過去を語らない作品も珍しい。 かすかに文中に出てくるだけで、あとは読者がなんとなく想像するしかない。 悦子の心情も本当はどう考えているのかわからない。娘が自殺をしたという母親にしてはものすごく冷たい。でも、過去を語りながら後悔と懺悔を伝えている気がする。 決...
これだけ登場人物たちの過去を語らない作品も珍しい。 かすかに文中に出てくるだけで、あとは読者がなんとなく想像するしかない。 悦子の心情も本当はどう考えているのかわからない。娘が自殺をしたという母親にしてはものすごく冷たい。でも、過去を語りながら後悔と懺悔を伝えている気がする。 決して「後悔」という言葉は出てこないが、母親としてあの子とどう向き合えばよかったのか?と彼女は考えているのではないだろうか。 大声をあげて泣くのでもなく、取り乱すわけでもなく、昔を思い出しながら娘との関係を振り返っているのではないのか。 本当に始終遠い何かを眺めているようで、霞がかかったような感じ。 登場人物の過去なんて読者が想像するだけ、説明はいらない、でもそれでいいんだ!となぜか納得してしまう不思議な作品だった 一方で謎を説明してほしい人はすごくモヤモヤして消化不良を起こす作品だと思う 池澤さんの解説にもあったように、小津安二郎の映画を1本見たような気分にもなる。 “if you don’t like it over there, we can always come back.” 「とにかく、行ってみて嫌だったら、かえってくればいいでしょ」 このセリフは翻訳が良くないと言われているが、確かにちょっと冷たい。 「私たちはいつでも一緒に帰れるよ」 これが悦子が景子に言うべき本当の答えだったのかもしれない。 説明が少ない小説なので、いろんな解釈ができると思う。 私は良い作品だと思うけど、一番最後の方の解説が嫌だった。それでちょっと台無し。
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最近、世界文学ってナンダ?が頭の片隅にある。今回池澤夏樹の解説を読んで、『遠い山なみの光』で描かれているものは一見日本的心性にも見えるが、実は世界的に共通しうるテーマも内包していることを証明していることを理解した。これはかなり希望である。 個人的にこれまで読んできたイシグロ...
最近、世界文学ってナンダ?が頭の片隅にある。今回池澤夏樹の解説を読んで、『遠い山なみの光』で描かれているものは一見日本的心性にも見えるが、実は世界的に共通しうるテーマも内包していることを証明していることを理解した。これはかなり希望である。 個人的にこれまで読んできたイシグロの作品から、彼の小説に出てくる「どこまでも無垢で真っ直ぐな主人公」が好きだった。本作『遠い山なみの光』の主人公悦子は、それとは少し違う。女は家長を立てるものだという旧来の日本的価値観を信じながらも、悦子と佐知子、万里子と景子という対比構造から、結果的に悦子がその価値観から離れ自立を目指したことが暗に示される。 それを暗に示さず、権威を盲信したり、無垢のまま生き続ける主人公を最後まで見守っていたのが『日の名残り』や『私を離さないで』や『クララとお日さま』であると思う。私はそっちの方が好きだなと感じた。
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自分が大事にしていると"思っている"価値観も、他者との関係性の中で定義されるキャラクターも、確立されているように見えて根底には大きな揺らぎを抱えている。 一度は軽薄とか、奔放とか、協調性に欠ける、なんて他者のことをジャッジしたかと思えば、気づくと自分がそちら側...
自分が大事にしていると"思っている"価値観も、他者との関係性の中で定義されるキャラクターも、確立されているように見えて根底には大きな揺らぎを抱えている。 一度は軽薄とか、奔放とか、協調性に欠ける、なんて他者のことをジャッジしたかと思えば、気づくと自分がそちら側にいたり。そもそもそのジャッジ自体がどうだったのかと自分に問えるようになるのは、自分自身がそのジャッジに散々苦しんだあとだったり。 悦子とさちこの会話がとても印象的で、個人的にさちこのセリフに心がチクリと痛んだ。自分の子育てや選択を誰かに責められないように予防線を張ったり、相手に伝えているようで自分に言い聞かせているかのような内容で、母親として共感もした。
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