老いて楽になる人、老いて苦しくなる人 新装版

久坂部羊(著者)

• 販売会社／発売会社: ビジネス社
• 発売年月日: 2025/05/19
• JAN: 9784828427355

商品レビュー

2025/11/20

筆者が、４０歳代でデイサービスを併設したクリニックで体験したことを下に、「楽老人になるための十箇条」を纏めた本です。
介護保険制度が始まる時代の話で、少々手直しされて発刊された本です。

この本の冒頭に「楽老人になるための十箇条」が示されています。
１、期待しない、無理をしない。→あるがままを喜ぶ。
２，油断しない、心配しない。→なるようになると覚悟を決める。
３，問題の解決に執着しない→「まあ、いいや」の精神を持つ。
４，メディアの美談を信じない。→美談のその後を考える。
５，ぜいたくをしない、節約をしない。→たまにばっと使う。
６，健康法や医療情報にとらわれない→好きに生きる。
７、元気老人に惑わされない。→自分には自分の老いがあると心得る。
８，生涯現役なんて欲深いことは言わない。→潔く隠居する。
９，家で死にたければ、病院には近寄らない。→自然の効能を信用する。
１０，「楽老人になるための十箇条」みたいなものは信用しない。
　　　→自分の十箇条を考える。
内容
第１章「老人デイケア」事始め
第２章　老いの不思議堺
第３章　９０歳のアイドルたち
第４章　老人介護の裏ワザ
第５章　介護保険で何ができる？
第６章「医療幻想」は不幸のもと
第７章　老人介護はみんなの問題
第８章　あらまほしき老人たち

老人介護現場で経験されたことを将来自分も老人になるのだという視点で面白おかしく描かれている。
また、経験されてきたことをネタに小説に結びついているようです。

７６歳の元気老人ですが、十箇条をしっかり頭に入れながら、来るべき真の「老い」としっかり向き合って、人生を終えたいと思っています（笑）。

2025/08/10

たくさん医療小説を書いている久坂部先生の老いの受け入れのお話。
どうせ介護施設にいるのならスタッフから好かれたい
何事も無理せずリハビリもやたらとやればいいものでもなく、オムツも必要なら使う方が本人も介護のスタッフもいい
明るい老人を目指そう

2025/08/03

結論から言って、とてもよい一冊だった。
私事ながら、あらゆる人の介護を見てきたし、どんどん老いつつある両親を見、また自分達の将来を考えても、思うことがたくさんある日々を過ごしているが、この本はあらゆる面でその気持ちを少し軽くしてくれた。
残念ながら老いた両親に言っても伝わらないだろうから、せめて自分の心のお守りとして記憶しておきたい一冊になった。