商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2025/04/24 |
| JAN | 9784065390894 |
- 書籍
- 新書
なぜヒトだけが幸せになれないのか
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なぜヒトだけが幸せになれないのか
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<シリーズ3作目。「幸せ」=「生きていること」=「死からの距離が保てている状態」というシンプルな定義に基づき、「コミュニティの中で利他的に生きることが「幸せ」」とする主張には賛同> 小林武彦氏は、1963年神奈川県生まれ、九州大学で理学・医学系研究科を修了後、基礎生物学研究所や...
<シリーズ3作目。「幸せ」=「生きていること」=「死からの距離が保てている状態」というシンプルな定義に基づき、「コミュニティの中で利他的に生きることが「幸せ」」とする主張には賛同> 小林武彦氏は、1963年神奈川県生まれ、九州大学で理学・医学系研究科を修了後、基礎生物学研究所やロシュ分子生物学研究所、米国NIHで研究員として活動した。1997年に基礎生物学研究所助手、2006年に国立遺伝学研究所教授、2015年に東大分子細胞生物学研究所教授、2018年より東大定量生命科学研究所教授を務める。日本遺伝学会会長、生物科学連合代表などを歴任し、分子遺伝学・老化研究の第一人者として知られる。 本書は、ベストセラーとなった『生物はなぜ死ぬのか』(2021年)、『なぜヒトだけが老いるのか』(2023年)に続き、「幸せ」を扱った、いわゆる続編として2025年に出版された。 主なポイントは以下である。 ◆生物学的に見た「幸せ」とは「生きていること」、換言すれば「死からの距離が保てている状態」であり、その原動力は生存本能と生殖本能である。 ◆社会性の強い生物であるヒトにとって、コミュニティに貢献し、周りから高い評価を得ることは、「幸せ」(=「死からの距離が遠い状態」)になる重要な手段であり、そうしたヒトの性質・価値観は進化の過程で遺伝子に刻み込まれている。しかし、農耕の始まりと定住化が、狩猟採集時代にはなかった格差を生み出したことや、近現代のテクノロジーの発達により、コミュニティが希薄になり、「遺伝子と環境の不適合」が生じている。これが、現代のヒトが「幸せ」を感じにくくなっている要因である。 ◆解決策としては、昔のような自然重視の生活に戻るか、知恵とテクノロジーで現代の社会をヒトの心と体にマッチさせるか、のいずれかが考えられるが、現実的には後者しかありえず、そのためには、安心して暮らせる新しいコミュニティの構築、格差なく誰もがゼロベースから成長できる環境の二つが重要になる。 ◆現代のヒトは「幸せ」の代わりに「快楽」を求めるようになったが、「快楽」は脳内ホルモンの放出による生理作用で、本能のサポーターにすぎず、「快楽」のみで幸せになることはないし、むしろ死からの距離を縮めてしまうことすらある。 読み終えて、著者の「コミュニティの中で利他的に生きることが、生存のために有利であり、よって「幸せ」である」という主張は極めてわかりやすかったが、本書の最大のポイントは、生物学の見地から、「幸せ」=「生きていること」=「死からの距離が保てている状態」とシンプルに定義したことであろう。 一方で、私が思い出したのは、歌人の穂村弘が『はじめての短歌』の中で、「生きる」と「生きのびる」という言葉を使い分け、短歌は「生きのびる」ではなく「生きる」という行為の中に存在する、という趣旨のことを書いていたことである。これを本書の文脈で整理すると、ヒト以外の動物には「生きのびる」という行為しかないのに対し、ヒトには(動物としての)「生きのびる」のほかに、(人間としての)「生きる」という行為が存在するのであり、「生きる」行為の中に(こそ)、人間の価値があるということである。 私は、「コミュニティの中で利他的に生きることが、大切であり、幸せである」という主張には全面的に賛同するし、それが元来は「生きのびる」ための行為であったとしても、進化の過程で、「生きる」ことと不可分の行為になっていったと考えることはできると思う。しかし、人間が「生きる」ということには、もっと広く多様な意味(全てが「=幸せ」とは限らないが)があるはずとも思うのであり、少々物足りなさを感じるとともに、「なぜヒトだけが幸せになれないのか」というタイトルにやや違和感を感じたことも、また事実である。 尚、私はシリーズ3冊とも読んだが、白眉は1冊目の『生物はなぜ死ぬのか』である。まずはそれをお勧めしたい。 (2026年1月了)
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ヒトの幸せを「死から距離のある状態」と定義すると、コミュニティから排除されないために選択的に継承された、不安や嫉妬、他者評価いった感受性が、ヒトの幸せを感じにくさを生み出している。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
好きなnote作家さんがこの本を推していたので読みました。一部著者の主観もあるかなと思いますが、遺伝子レベルで、専門用語を使うことなくわかりやすく読者に伝えてくれます。本書では、幸せを『死からの距離が出ている状態』と定義し、快楽とは別のものとしています。幸せになるために、テクノロジー、AIとの共存についても記されていますが、少し分かりにくかったです。人生行き詰まったときや、ふとした瞬間にこの本を思い出すと、生きてる意味のヒントをもらえるかなと思いました。
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