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ユーモアを愉しむ
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ユーモアを愉しむ

青木怜子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 論創社
発売年月日 2025/04/15
JAN 9784846024406

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2025/05/05

「笑い」の多様性: 資料は「笑い」が文字、画像、そして没入的な体験へと変化してきたことを示唆している。日本の伝統的なお笑い(狂歌、川柳、寄席、落語)から、ミスター・ビーンのようなキャラクターによる視覚的なユーモア、そして漫画やアニメのような没入的なメディアまで、「笑い」の形式が時...

「笑い」の多様性: 資料は「笑い」が文字、画像、そして没入的な体験へと変化してきたことを示唆している。日本の伝統的なお笑い(狂歌、川柳、寄席、落語)から、ミスター・ビーンのようなキャラクターによる視覚的なユーモア、そして漫画やアニメのような没入的なメディアまで、「笑い」の形式が時代と共に多様化してきたことが示されている。 日本における「笑い」の歴史と文化:寄席と落語: 江戸時代後期に始まり、噺家による辻噺や講釈が寄席の原型となり、文化・文政時代に最も盛んになった。奈良時代の祭り事としての「賑わい」や、日本中世の祝福芸との関連も示唆されている。 狂歌・川柳: 和歌や俳句から派生し、滑稽や風刺の精神を取り入れた戯れ歌や五七五の形式として発展した。狂歌は「優美闊尚な狂歌」として文学ジャンルとしても認識され、川柳は柄井川柳によって庶民の生活や人情の機微を描くものとして広まった。 近代日本における「笑い」: 戦後の「物の無い」日本社会において、アメリカの漫画「ブロンディ」のような家庭生活を描いた作品が、当時の日本の社会と比較され、社会的な関心を呼んだことが述べられている。「ブロンディ」は、単に漫画としてだけでなく、社会批評としても機能したと言える。 「笑い」の個人的・普遍的側面:個人的な経験と「笑い」: 資料は、著者自身の家族とのやり取りや幼少期の体験を通して、「笑い」が個人的な思い出や感性と深く結びついていることを示している。特に、幼い頃の寄席での体験、父との川柳遊び、母との対話などが具体的に描かれている。 ユーモアの定義とセンシビリティ: ユーモアは「上品な洒脱、可笑しみ、諧謔」や「思わず笑いを誘うような気の利いたおかしみ。諧謔」と定義されている。ユーモアには「人の心と行いをけ止める」側面があり、それには高いセンシビリティが必要であることが述べられている。一方で、「笑い」は国境を越えても同じような感情を生み出す普遍的なものであるという考察もなされている。 ユーモアの落とし穴とブラックユーモア: ユーモアには「落とし穴」があり、時には人を傷つけたり、不快感を与えたりする可能性があることが指摘されている。ブラックユーモアについては、作品のジャンルとして用いられることが多いが、日本では解釈が異なる可能性も示唆されている。 西洋文化との比較:ミスター・ビーン: 日本のお笑いの世界と比較され、その視覚的・身体的なユーモアは七福神や世界の小人たちのキャラクターと通じる普遍的な人気を持つことが述べられている。 ヴォードヴィル: 日本の寄席興行と比較され、ある意味でアメリカのヴォードヴィル・ショーに近い側面があることが指摘されている。 ブラックユーモア: ブリタニカ百科事典での定義が示され、フランスの実存主義者によって作品に著わされたものであることが述べられている。

Posted by ブクログ