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三國連太郎、彷徨う魂へ 文春文庫
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三國連太郎、彷徨う魂へ 文春文庫

宇都宮直子(著者)

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三國連太郎、彷徨う魂へ 文春文庫

770

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2025/04/08
JAN 9784167923563

三國連太郎、彷徨う魂へ

¥770

商品レビュー

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2025/05/24

三國連太郎と言えば「釣りバカ日誌」のスーさん、アパレルブランドのパパスのモデルなんかもやっていた好々爺のイメージ。 しかし本を読むととんでも無い。貧困の幼少期。親父に殴られ家出をしてそのまま中国へ密航し放浪生活。徴兵されても終始反戦、厭戦的行動。戦後帰国して映画デビューするも5...

三國連太郎と言えば「釣りバカ日誌」のスーさん、アパレルブランドのパパスのモデルなんかもやっていた好々爺のイメージ。 しかし本を読むととんでも無い。貧困の幼少期。親父に殴られ家出をしてそのまま中国へ密航し放浪生活。徴兵されても終始反戦、厭戦的行動。戦後帰国して映画デビューするも5社協定を平気で破りしばらく業界から干される。私生活では取っ替え引っ替えの女性遍歴。監督との衝突は屁とも思わず、自分の演技哲学を曲げない頑固者。などなど、いい意味で自由な生き方を貫いた人だが、強烈なエゴイスト。 しかし周りは迷惑だったろうなぁ。過去の雑誌インタビューでも言うことが食い違い、どこまでが本当か嘘なのか分からない、と著者も書いている。普通の人では計り知れない掴みどころ無い人。文中にも「こういう俳優は2度と現れない」というのは本当そう思います。

Posted by ブクログ

2025/05/15

孤独と葛藤を抱えた名優の肖像 本書は、俳優・三國連太郎氏の別荘の描写から始まり、彼の独特な ব্যক্তিত্বと美意識、そして創作活動への姿勢が紹介されます。関東大震災の経験から「丈夫な家」を求める一方で、内面には孤高さと、才能に裏打ちされた自信が垣間見えます。酒やタバコといっ...

孤独と葛藤を抱えた名優の肖像 本書は、俳優・三國連太郎氏の別荘の描写から始まり、彼の独特な ব্যক্তিত্বと美意識、そして創作活動への姿勢が紹介されます。関東大震災の経験から「丈夫な家」を求める一方で、内面には孤高さと、才能に裏打ちされた自信が垣間見えます。酒やタバコといった個人的な習慣にも触れられ、彼の人間的な魅力が伝わってきます。 『釣りバカ日誌』と役者としての哲学 代表作『釣りバカ日誌』に長く関わった理由として、三國氏は「社会からの共感」を挙げ、喜劇には自嘲的で社会を刺すような視点が不可欠だと考えていました。共演者である西田敏行氏とのエピソードからは、彼の演技に対する厳しさと、作品全体の質を重んじるプロフェッショナルな姿勢がうかがえます。 戦争体験と人生観の形成 三國氏の生い立ちから戦争体験、そして戦後の流転が詳細に語られます。父親の反戦思想の影響、戦争を回避しようとした試み、そして戦場での非戦闘員としての経験は、彼の人生観の根幹を形成しました。戦争の「愚劣さ」を強く認識しつつも、その体験は彼にとって忘れられないものであり、その後の役者人生にも深く影響を与えました。 役者人生の虚実と私生活の波瀾 28歳で役者デビューを果たした三國氏は、映画会社が用意した虚偽の経歴を受け入れざるを得ませんでした。虚像と現実の間で葛藤しながらも、天性の才能によって成功を収めますが、出演契約や私生活における多くの波瀾を経験します。三度の離婚と四度の結婚、そして様々な女性関係を通して、彼の複雑な人間性と、世間の評価に対する達観した姿勢が描かれます。 仕事への強烈な執着と自己表現への探求 自己を貫こうとする故に軋轢を生じさせながらも、三國氏は自らのペースを崩さずに役者人生を歩みました。常に「違う」と自問自答しながら、棒高跳びのバーの下をくぐるような独自の演技を探求し続けました。独立プロでの仕事への感謝や、台本に対する妥協を許さない厳しさからは、彼の仕事への強烈な執着と、真実を求める愚直なまでの姿勢が伝わってきます。 息子・佐藤浩市との複雑な関係 三國氏と息子・佐藤浩市氏の関係は、一般的な親子関係とは異なる複雑なものでした。佐藤氏の視点から語られる父親像は、徹底して我が道を行く孤高の存在でありながら、孫への愛情深さも垣間見えます。父の死に際しての佐藤氏の行動からは、三國氏の生き方や哲学が息子にも影響を与えていることが示唆されます。 晩年の衰えと死生観 87歳を迎えた三國氏は、病との闘いの中で肉体的・精神的な衰えを経験します。入院生活や最晩年の「死」についての語りからは、彼が自身の人生を振り返り、思い通りに生きてきたからこそ死を恐れないという、独特の死生観が示されます。虚実に満ちた人生を送った三國氏の最後に残ったのは「真実」であり、彼の生き方から筆者は後悔の少ない人生を送るための示唆を得ています。

Posted by ブクログ

2025/04/16

どこか不気味で得体の知れない、掴みどころのない俳優だと思っていた。役を演じている時が虚で、素の自分が実だとしたら、この人の場合虚実が逆転し俳優三國連太郎こそが実で私生活ではその実のために安定を嫌い虚の世界に生きたのか。

Posted by ブクログ