商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 名古屋大学出版会 |
| 発売年月日 | 2025/03/24 |
| JAN | 9784815811891 |
- 書籍
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記憶の戦争
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記憶の戦争
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「ポスト冷戦」期の旧ソ連・中東欧での「記憶の抗争」「記憶の政治」の動向を学ぶためにずっと参照してきた著者の最新の論集。2017年から2024年に発表された論文をもとに、とくにウクライナ戦争、イスラエルのガザでの虐殺と無差別大量破壊という情況を踏まえた加筆がなされている。ロシアに...
「ポスト冷戦」期の旧ソ連・中東欧での「記憶の抗争」「記憶の政治」の動向を学ぶためにずっと参照してきた著者の最新の論集。2017年から2024年に発表された論文をもとに、とくにウクライナ戦争、イスラエルのガザでの虐殺と無差別大量破壊という情況を踏まえた加筆がなされている。ロシアによるウクライナ侵攻以後のティモシー・スナイダーの変貌など、個人的に気になっていたことがらにも専門家ならではの言及があって、勉強になった。 著者の議論の根幹にあるのは、1990年代以降の「ポスト冷戦」期をグローバルな記憶の抗争の時代と捉え、体制転換を果たした旧ソ連・中東欧諸国で歴史と記憶の民主化と同時に政治化が進行したこと、さらにそうした政治化した歴史と記憶のハレーションが国内外の対立と亀裂を深め、「戦争を生み出す地場」へと転化してきた、という認識である。こうした道具立てで考える著者の議論では、「移行期正義」にかかる一連の問題提起も「記憶の政治化」の一端として再審の対象と捉えられる。 問題は「どのような政治化か」にあると思うので、権威主義的な体制による歴史の道具化と「移行期正義」の実践はいったん区別して考えたいところだが、台湾での事例などを見ると、「移行期正義」の取り組みとナラティブの政治が不可分であることは確かだとも思う。 著者はドイツを歴史と記憶をめぐる問題の「優等生」と捉えて規範化し、そこからの差異/落差において日本国家・日本社会のあり方を否定する話法にも鋭い批判の目を向ける。「ポスト冷戦」期の「謝罪の政治」が、つまるところ誰に対する、何のための「謝罪」だったのか。そのことを国家と社会の暴力がもたらした悲劇的な出来事の記憶と歴史化にどうつなげていくのか――。著者の問題意識は歴史学者に向けられているが、では文学研究者にできることは何なのか。文学には何ができるのか。文学と歴史学の知的な協働の可能性は考えられないのか。重たい問いばかりが思い浮かんできた。
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