商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2025/03/12 |
| JAN | 9784480513014 |
- 書籍
- 文庫
事物の本性について
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事物の本性について
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人は事物の本性を知ることで迷信を逃れ、心の安定を得るべきである──。ローマ共和政末期の詩人・哲学者ルクレティウスの遺した唯一の著作である本書は、古代ギリシアの哲学者エピクロスの原子論的宇宙観を歌い上げた叙事詩である。万物を元素(アトム)の結合と運動から成るとし、気象などの自然現象...
人は事物の本性を知ることで迷信を逃れ、心の安定を得るべきである──。ローマ共和政末期の詩人・哲学者ルクレティウスの遺した唯一の著作である本書は、古代ギリシアの哲学者エピクロスの原子論的宇宙観を歌い上げた叙事詩である。万物を元素(アトム)の結合と運動から成るとし、気象などの自然現象から社会の進歩、さらには人間の感覚や恋愛に至るまでの森羅万象を説明しており、壮大なコスモロギアー(宇宙論)といえる。キケロから「才能の光」に充ちていると称賛され、古代ローマ最大の詩人ウェルギリウスにも大きな影響を与えるなど、ラテン語詩の水準を大きく引き上げた不朽の古典。(内容紹介より)
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原子論 (Atomism) 万物は目に見えない不滅の粒子(原子)と空虚から構成される 「無からは何物も生まれない」という原則を基礎とする 原子の運動、結合と分離が多様な物体や現象を生み出す 「それゆえ森神のこの恐怖と暗黒とを追い払うものは...自然の形象とその理法とでなければな...
原子論 (Atomism) 万物は目に見えない不滅の粒子(原子)と空虚から構成される 「無からは何物も生まれない」という原則を基礎とする 原子の運動、結合と分離が多様な物体や現象を生み出す 「それゆえ森神のこの恐怖と暗黒とを追い払うものは...自然の形象とその理法とでなければならない」 宗教的迷信の克服 宗教的恐怖や迷信が人々に不安と苦しみをもたらす アウリスでのイピゲネイア犠牲の神話を例に宗教の危険性を指摘 自然法則の理解が迷信からの解放への道 感覚の信頼性 感覚は知識の根本的源泉、理性的推論の出発点 日常現象の観察から目に見えない原子の存在を推論 「水は、眼ではどうしても見えないほどの小さな粒子になって飛び散っている」 「感覚への信頼がまず確実に立てられなければ...隠された事物について...頼れるものがなくなる」 生命と精神の物質性 魂や精神も原子から構成され、肉体と共に生滅する 成長や衰退に伴う精神能力の変化を観察 「幼い時は体が軟かく...心の判断も同じようにはっきりしない」 「死は私たちにとって何ものでもなく、何の係りもない」 宇宙の無限性 宇宙には限界がなく無限に広がる 宇宙の端を想定すれば、その先に何があるかという疑問が生じる 「総体(宇宙)は端をもたない。それゆえ限界もないし、限界もない」 無限の空間には無数の世界が存在する可能性 自然の法則性 自然現象は偶然や神の意志ではなく、原子の法則に従う 季節の変化や生物の成長は原子の固有の性質で説明可能 「それぞれのものに生成の元がないとしたら、それぞれにきまった関係が存在しうるだろうか?」 快楽主義 (Hedonism) 人間の本性は苦痛を避け、快楽を求める 幸福は肉体的苦痛の除去と精神的平静(アタラクシア)にある 「人間の本性が叫び求めるものは、ただ苦痛を肉体から遠ざけ、悩みと怖れとを去って...悦ばしい感覚を楽しむこと」 過度な欲望や恐怖は平静を乱すため、簡素な生活が重要 その他の重要概念 イデア論批判:プラトンのイデア論と神による創造を否定 人間の進歩:言語や社会制度、技術は試行錯誤で発展 詩の役割:哲学的真理を伝えるための手段 自然現象の説明:雷、地震、病気などを原子論で解説 結論 ルクレティウスは唯物論的な原子論に基づいて自然現象を合理的に説明し、宗教的迷信からの解放を説きました。感覚と理性を通じた知識を重視し、肉体的苦痛からの解放と精神的平静こそが人間の幸福であるという倫理観を提示しています。彼の思想は後の科学や哲学の発展に大きな影響を与えました。
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