「女子マネージャー」の社会学

関めぐみ(著者)

• 販売会社／発売会社: 左右社
• 発売年月日: 2025/03/19
• JAN: 9784865284546

商品レビュー

2025/10/02

タイトル通りなのだが。
思ったよりガチな研究報告「のようだった」。

女子マネージャーという存在を、ミゾジニーとジェンダー差別と、その他その辺りのバイアスをフィルターにして分析する。

別段そういう研究があっても良いと思う。そこから何か変わってくることもあるだろうし、それが良い方向に向かうこともあるだろう。

が、おじさんには必要ない。

人に優しく、相手を敬おうで終わることを、多少お互い容認すれば済むことを、それが人間だと思うところを、権利だ差別だ補償だ社会体制だなんだかんだと面倒臭くてしょうがない。

ちゃんと研究したい人は、ぜひ読んでください。

私にはゴミでしかない。

ああそう、早いうちに吐き気しそうだったんで、通読してないので全然違ったらすみません。

2025/04/12

研究の背景と視点

「女子マネージャー」研究は40年以上停滞
「社会の問題」（性別役割分業）と「個人の問題」（本人選択）という二項対立
インスティテューショナル・エスノグラフィー（IE）という手法を採用
「インスティテューション」は支配関係を内包する組織での人々の行為過程

女子マネージャー（MG）の特徴と現状

女子は「見つめる側」として関わることを選択する傾向
男子は自己実現や指導者からの依頼でMGになる傾向
女子は勝利や感謝に喜びを感じ、男子は仕事の達成感にも喜び
自分たちの現状を問題提起する記事すら拒否する背景には「イメージを悪くしたくない」思い

「見えないワーク」の実態

練習時間外の準備、連絡、会計、広報活動など多岐にわたる業務
練習前の用具準備、練習中のビデオ撮影、データ整理・編集、対戦校分析
マネージャーのワークが正当に評価されていないとASも感じている
選手からは「見えない」「地味」と認識される可能性

MGと選手の関係性

「マネージャーが〔選手から〕一番下に見られます」
献身的に支えていても対等な関係を築けていないと感じるMG
トレーニングメニューを指示する際に対等な扱いを受けられない経験

多様な学生スタッフの存在

トレーナー（TR）：専門知識・技術必要、選手経験有無が信頼に影響
アナライジングスタッフ（AS）：映像分析・データ入力など専門性高い
チアリーダー：試合応援だけでなくパフォーマンス向上も重視

インタビューを通した気づき

「見えないワーク」の認識と言語化がエンパワーメントに
「改めて何かMG愛が増しました」
経験共有が組織改善のきっかけに

研究の意義

従来の二項対立を超えた新たな理解の可能性
可視化されてこなかった「見えないワーク」の実態解明
大学運動部における学生スタッフの労働環境や評価の見直しへの貢献