商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2025/03/05 |
| JAN | 9784152104120 |
- 書籍
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彼女を見守る
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彼女を見守る
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商品レビュー
4.4
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2023年のゴンクール賞受賞作という謳い文句にも惹かれましたが、とにかく「読み物」として抜群に面白い一冊でした! 舞台は20世紀前半、ファシズムの影が色濃くなるイタリア。貧しい彫刻家のミモと、貴族の娘ヴィオラ、それを取り巻く多くの人々。それぞれのキャラクターがはっきりと立っていて、そんな彼らが激動の時代に立ち向かいながらも翻弄される姿には、ディケンズの小説を読んでいる時のようなワクワク感がありました。 ■ 飽きさせない構成とストーリー 過去から破局的な最期へと向かうタイムラインと、現代の謎めいた状況が交互に描かれる構成が絶妙です。先が気になって一気に読ませる推進力があり、エンターテインメントとして非常に高い完成度を感じました。 ■ 作中で明かされる「ピエタ」の真実 この物語の核心である、ミモが作った「ピエタ」。その衝撃的な解釈についても、作中できちんと言語化されているのが良心的です。 マリアではなくキリストこそがヴィオラであり、時代に翼を折られた彼女を慈しみ、守り続けるマリアがミモ自身であること。 作者が作中ではっきりと描いているからこそ、読者は深読みしすぎることなく、ミモが彫り込んだ「失われたものを取り戻すことはできない哀しさ」や「喪失感」をストレートに受け取ることができます。その哀しみは、見る者を動揺させるほどの圧倒的な力を持って迫ってきます。 「文学」という言葉に身構えなくても、物語の奔流に身を任せて楽しめる傑作。この読後感の良さは、なかなか味わえないものだと思います。
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2026年1月5日図書館から借り出し 日経書評から https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD142CT0U5A410C2000000/ あまりに展開が遅いのにウンザリして、読むのを中断。
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シンプルな邦題は、ミステリの要素がいっぱいだ。“彼女”とは誰か?なぜ、見守るのか?見守ることしかしないのか?できないのか? 加えて、見守るのが男性であれば、“彼女”なのだからロマンスの要素を孕む。 更に、舞台が第一次大戦から第二次大戦終了までのイタリアである事から、王国から共和国...
シンプルな邦題は、ミステリの要素がいっぱいだ。“彼女”とは誰か?なぜ、見守るのか?見守ることしかしないのか?できないのか? 加えて、見守るのが男性であれば、“彼女”なのだからロマンスの要素を孕む。 更に、舞台が第一次大戦から第二次大戦終了までのイタリアである事から、王国から共和国へ変遷したイタリアを描く歴史物語の要素もある。 物語は、ある男性が、死の床にいる場面から始まる。彼の回想により、これまでの来し方が綴られるが、一方で、彼を見守る人物には、高位の聖職者に庇護される彼は、依然謎多き存在だ。 彼の名は、イタリアのかの有名な芸術家と同じだが、親しい人間は、ミモと呼ぶ。父親が早くに亡くなり、母親は、育てることができずに、彼を叔父でもないアルベルトという男性に金をやって託す。軟骨無形成症を患っていたミモは、見た目“こびと”に見えるために、からかわれて育つが、彫刻に天才的な才能を持っており、やがて見出されて次々と作品を発表する。 貧しい少年ミモと相対するのが、裕福な貴族オルシーニ家のヴィオラだ。美貌の彼女は、科学に興味を持ち、普通の女性たちが喜ぶような花嫁修業には見向きもしない。二人が出会ったのは、ヴィオラの長兄の葬儀だ。彼女は死者と話をすると言って墓地を訪れ、ミモを驚かせる。学業や研究など、男性だったら認められたであろう事が、女性であるが故にヴィオラには許されず、親の望む通り結婚を迫られる。それでも自分らしくあろうとする彼女は、様々な妨害を受ける。 それぞれ、自分たちが属する世界から除外されていた二人は、恋心を抱くより前に、同志愛で結ばれる。時に共感し、時に反発しながらも、ファシズムが台頭したイタリアで、二人の絆は続く。プラトニックだからこそ、続いたのかもしれない。 さて、ここまで書くと見守られる対象が特定できそうだが、さほど答えは簡単ではない。本書は芸術をめぐる物語でもある。 ルネサンスの昔から、パトロンによってダヴィンチやラファエロは大作を作り上げてきた。作品のすばらしさは、あくまで芸術家の才能に依拠するものであり、特定の主義や人物、国家を擁護しない。しかしミモの場合、支援を受けた団体の世間による評価により、作品も影響を受ける。科学技術も芸術も、本来はそれ自体により評価されるべきなのに、なかなかそうはならない。ミモが作中で権威者に対して暴言を吐く場面があるが、アカデミックな分野もまた、時の権力と無関係ではいられない。そしてそれは、現在も続いている。
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