商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | イカロス出版 |
| 発売年月日 | 2025/02/18 |
| JAN | 9784802215756 |
- 書籍
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季節で綴るアイルランド211
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季節で綴るアイルランド211
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今度のアイルランドはしっとり系。 前回に引き続き在住歴25年の著者が、計211項目のエッセイ形式でアイルランドを巡っていく…。 ユニークなのが、四季を「インボルク」「ベルティナ」「ルーナサ」「サウィン」と表していたところ。これは、古来ケルト歴に則った四季の呼び方・分け方で、例え...
今度のアイルランドはしっとり系。 前回に引き続き在住歴25年の著者が、計211項目のエッセイ形式でアイルランドを巡っていく…。 ユニークなのが、四季を「インボルク」「ベルティナ」「ルーナサ」「サウィン」と表していたところ。これは、古来ケルト歴に則った四季の呼び方・分け方で、例えば最初の「インボルク」は、2月1日〜4月30日の期間にあたる。 エッセイは、各季節ならではの動植物や文化・風習等を綴った、「アイルランドを知る入門書」として楽しめる。前回読んだ『絶景とファンタジーの島アイルランドへ 最新版』と重複している箇所もあるが、復習とより理解を深めるツールとしても役立った。 早速だが、『絶景と…』で感じた疑問をここで解消したい。それは、フィッシュ・アンド・チップスだ。 前著では、著者が勧める地元グルメの中にほぼF&Cが含まれていなかった。しかしアイルランドでは、「誰もが好きな国民的一品」であることが、ここで判明する…!(P 73) ただ元はイタリア系移民がF&C先駆者のようで、伝統を重んじる国にしては意外なルーツで拍子抜けした。「憎きイギリスの食べ物だ」と敵視していなかっただけ、安心せねばなるまいか… 補足事項も。日本との関係性についてだが、南西部港町にあるバーの上階に、日本刀が保管されているという。(P 128) 第二次世界大戦時、日本の将校から軍医だった現店主のお父上に贈られたもので、そのストーリーが何とも重厚なのだ。(「軍医の刀」でググれば、著者のブログが真っ先にヒットして、詳しいいきさつを読める) あの戦争に「義」などありゃしなかったが、戦火の中でも己の義を貫いたお父上は、サムライの中のサムライだったのではないかと思う。 個人だけでなく、大勢(国民全体)の力も強いと感じた。 多様で豊かな自然環境を守るよう、署名活動を起こしてまで政府に保護を訴え、その結果国立公園が誕生する。(P 38) 無料だった水道料金が有料化され、過半数以上の世帯が支払いを拒否し続けた末に、1年半で無料に戻る。(P 149) ただ大物に訴えるだけでなく、自分たちでも街の美化に努めたり(P 145)、前述の水問題では無料だからと決して無駄使いをしなかったりと、しっかりと行動でも示す…。 「この国の人々はおおむね従順ですが、その正義感ゆえ、納得できないことにはなびかないのです」(P 149) ハヴェル(元チェコ大統領)の『力なき者たちの力』という本があるが、「力がない」ことはないんじゃないか? アイリッシュだけじゃない。日本人にだって日本人としての矜持と「国を良くしたい」という情熱が必ずある。あとはアイルランド政府のように、寸分の狂いなく要望を聞き入れてくれる機関ができれば良いのだが。(ジト目) 曇天の日が多い彼の地で、「空はなぜ青いのか」を解き明かした物理学者がいる。(P 56) 青空が足りない環境だからこそ、青空の偉大さが身に沁みるというもの。 全章を読んで「日本人にとって居心地の良い国では?」と感じる節もあったけど、与えられたものへの感謝、足りないものへの探究心(ハングリー精神とも言える)を、まずは見習っていかなくては。
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