真理の天秤 17世紀イスタンブルのイスラーム論争

キャーティプ・チェレビー(著者), 山本直輝(訳者), 西田今日子(訳者)

• 販売会社／発売会社: 新泉社
• 発売年月日: 2025/02/17
• JAN: 9784787724199

商品レビュー

2025/03/17

1. イスラーム法学派の概要
- シャーフィーイー学派:
- 創始者: シャーフィー（死亡: 820年）
- 地域: 下エジプト、インドネシア、マラヤ
- 「イジュティハードの門は閉ざされた」とされ、法の新たな解釈は認められない。

- ウラマーの役割:
- ウラマーは預言者の後継者とされ、法を解釈する特権を持つ。
- オスマン帝国におけるウラマーの役割は重要で、スルタンの法令がウラマーの意向に反する場合、判断が求められる。

- ムフティーの職務:
- ムフティーはファトワーを出す役割を持ち、法令はイスラーム法と一致しなければならない。

2. イスラーム法の進展と学派の形成
- 四大法学派の形成:
- ハナフィー学派（アブー・ハニーファ）
- マーリキー学派（マーリク・イプン・アナス）
- シャーフィーイー学派（シャーフィー）
- ハンバリー学派（アフマド・イプン・ハンバル）
- 各学派は異なる地域で優勢を占め、特定の学派の初期においてムジュタヒド（法学者）であった。

3. イスラーム科学の発展
- 古代の知識の翻訳:
- ウマイヤ朝時代に古代の知識がアラビア語に翻訳され、ムスリムにとっての重要な科学とされた。

- 教育と学問の重要性:
- 教友たちが預言者からの啓示とスンナに基づいて学び続けたことが強調され、知識の探求が奨励された。

4. 音楽と歌唱に関する規制
- 音楽の許可と禁止:
- 人間の声から出る旋律は許されるが、楽器の音は基本的に禁止される。
- 特定の状況においては、戦士を鼓舞するための楽器の使用が許可されることもある。

5. コーヒーの歴史
- コーヒーの起源:
- コーヒーはイエメンに起源があり、シェイフたちが飲用するようになった。

- 社会的反応:
- コーヒーに対する初期の反応は敵対的であり、禁止のファトワーが出されたが、需要は高まった。

6. ビドア（逸脱）に関する議論
- ビドアの分類:
- 良いビドアと悪いビドアがあり、後代の信仰の長たちによって許可されることがある。

7. 認識と知識の重要性
- 知識の探求:
- 人類は知識を求める本能を持ち、様々な学問を通じて成長することが強調されている。

- キャーティプ・チェレビーの考え:
- 知識の追求が人間の特性であり、異なる考え方が存在することを認識する重要性が述べられている。

8. 結語
- イスラーム法学や音楽、社会における知識の重要性など、多方面にわたるテーマが扱われており、学びと理解の深化が強調されている。