日中関係史

田中史生(編者)

• 販売会社／発売会社: 吉川弘文館
• 発売年月日: 2025/02/03
• JAN: 9784642083096

商品レビュー

2025/03/02

1. 唐化政策の強化
- 日本の律令国家は、唐化政策を強化し、特に大宝律令の制定と遣唐使の再開がその一環として位置づけられた。
- 朝鮮半島からの文化的影響があり、中国風に改められた形態が見られる。

2. 知識の追求
- 知識に対する渇望が強く、日本は必要な書物を求めて様々な手段を講じた。
- 例として、回賜品を換金し、書物を購入したエピソードが挙げられる。

3. 中華思想の影響
- 日本は、中華思想に基づく「小中華」的理想を持ち、百済や新羅をも含めた中華的な国家像を構築しようとした。
- 具体的には、唐の都長安城に類似した都市計画が進められた。

4. 日本国伝の記述
- 「旧店書」日本国伝において、日本の遣唐使は「帝客」として振る舞った。
- 日本律令国家の姿勢は、唐に送られた使者としての立場を強調した。

5. 日元関係の展開
- 中世日本と中華王朝の関係が進展し、特に外交交渉によって朝貢を実現した。
- 鎌倉幕府は、元に対して外交的なアプローチを試みたが、実際には多くの障害が存在した。

6. 日本と明の貿易
- 徳川政権下での日本と明の貿易が強調され、日本は輸出入の過程で独自の国際秩序を築こうとした。
- 外国使節の将軍への引見が恒例化し、国際的な威光を国内に印象づけた。

7. 日本の国際秩序
- 日本は、国内中心の国際秩序を構築し、他国との関係を自らの都合に合わせて調整した。
- 明の秩序とは異なる日本独自の国際秩序の形成が目指され、戦略的な自立を図った。

8. 日中関係の変遷
- 日中関係は、時代と共に変化し、特に清朝との関係が強調された。
- 日本の外交政策が近代化の過程で変わり、中国との協力や対立が繰り返された。

9. 現代の課題
- 現在の日本と中国の関係における課題として、経済的な依存関係や信頼関係の構築が挙げられる。
- 一帯一路構想に対する日本の静観や、相互依存の重要性が指摘された。

10. 伝統と近代の調和
- 伝統と近代の調和が求められる中で、日本と中国の関係が今後どのように展開していくかが重要な課題として残されている。
- 両国の歴史的背景や文化的理解が、今後の関係の深化に寄与することが期待される。