分離はやっぱり差別だよ。 人権としてのインクルーシブ教育

大谷恭子(著者), 柳原由以(編者), 黒岩海映(編者)

• 販売会社／発売会社: 現代書館
• 発売年月日: 2025/01/31
• JAN: 9784768436097

商品レビュー

2025/03/10

1. インクルーシブの概念
- インクルーシブの定義: 包摂・包括を意味するインクルーシブは、障害者が社会に統合されることを目指す理念であり、社会の変革を伴う。
- 人権の視点: マイノリティの分離・隔離は差別であり、教育においても障害者が排除されないことが重要である。

2. 教育におけるインクルーシブの実践
- 権利条約第24条: 教育全般におけるインクルーシブの原則が規定されており、すべての段階の教育制度に障害者の受け入れを求める。
- 教育の目的: 自己の価値に対する意識を高めることが教育の目的に加えられている。
- 地域社会での教育: 障害者が自らの地域でインクルーシブな教育を受けられることが保証されている。

3. 合理的配慮
- 合理的配慮の義務: 教育機関は、障害者の教育を受ける権利を実現するために合理的配慮を行う義務がある。
- 支援の提供: 有効な教育を促進するために必要な支援が一般教育制度内で提供されるべきである。

4. ケーススタディ
- 具体的事例: 特別支援学校への就学が拒否された場合の合理的配慮の要求や、地域の学校における教育機関の義務についての判例が示されている。
- 差別の実態: 地域による教育の違いがあり、障害者が地域の学校で教育を受ける権利が制限されることが問題視されている。

5. インクルーシブ教育と法的義務
- インクルーシブ教育の権利: 教育を受ける権利は人権として保障されるべきであり、特別支援学校の教育もインクルーシブ教育の理念に反しないとされる。
- 国際社会の流れ: 2006年に障害者権利条約が採択され、日本はその実現に向けた法的義務を負った。

6. 教育現場の変化
- 教育委員会の役割: 教育機関は、障害者の教育ニーズに応じた支援を行い、適切な環境を整える必要がある。
- 保護者の意向: 本人や保護者の意向が最大限尊重されるべきであり、教育機関はその意向に反することはできない。

7. 国際的な支援と教育の質
- 北欧のインクルーシブ教育の例: スウェーデンなどの国々では、障害者が通常の教育環境で支援を受けながら学ぶことが重視されており、教育の質が高いとされる。
- 教育制度の改善: 日本の教育制度も、国際的な基準に照らし合わせて改善する必要がある。